第3回生物多様性検討委員会の概要

プレスリリース

平成19年8月10日
北海道森林管理局

第3回「生物多様性検討委員会」が開催されましたので、その概要についてお知らせします。今回は、北海道国有林の生物多様性保全に関する中間取りまとめと、生物多様性に資するプロジェクトの調査方針等について検討を行いました。

1.日時、場所

平成19年7月17日（火曜日）午後1時30分～午後3時34分
北海道森林管理局大会議室

2.出席委員（五十音順敬称略）

          高橋邦秀（北海道大学名誉教授）
座長辻井達一（(財)北海道環境財団理事長）
          中村太士（北海道大学大学院教授）
          藤巻裕蔵（帯広畜産大学名誉教授）
          横山隆一（(財)日本自然保護協会常勤理事）
          鷲谷いづみ（東京大学大学院教授）

3.議題

(1)北海道国有林の生物多様性保全に関する中間取りまとめ
(2)生物多様性に資するプロジェクトの調査方針等の報告

4.委員からの主な意見

「北海道国有林の生物多様性保全に関する中間取りまとめ」（議題(1)）について

植物群落保護林及び特定動物生息地保護林の評価手法については、林野庁の保護林モニタリング調査マニュアル検討ワーキンググループでも評価対象を何にするのか検討されているので、その検討結果を反映するのがよいのではないか。
資料1のP18「評価基準及び手法等」の冒頭にエゾシカによる食害等が紹介されているが、唐突なので、読みやすさの観点から順番を入れ替えるのがよいのではないか。

「生物多様性に資するプロジェクトの調査方針等の報告」(議題(2)）について

（北限のブナ復元プロジェクト）

ブナの北限域において、動物相及び植物相のデータが不足していることから、各相のインベントリ調査が必要ではないか。
天然更新によりブナが持続的に生育する森林を目指すためには、ササを人為でコントロールすることが必要だが、同時にプロジェクト対象箇所におけるブナの天然更新状況について知見を整理することが必要ではないか。

（樹海更生プロジェクト）

検討している箇所の動物相及び植物相に関する情報が少ないので、まず最初にモニタリングも含め、情報収集を行う必要があるのではないか。
プロジェクトエリアに亜寒帯針葉樹施業指標林があり、エゾマツの天然更新が良好で調査データもあるので、そのデータが参考になるのではないか。
過去に風害があった箇所や地表処理を行った箇所が、現在どういう状況になっているのか確認する必要があるのではないか。

（にしんの森再生プロジェクト）

このプロジェクトエリアは地域の水源となっているので、この地域の森林に対する地域の要望についても論議する必要があるのではないか。
試行的な事業については、原植生がどういう状態であったのか、科学的な予測を含め評価を行い、原植生からの変化の度合いを認識した上で行うことが必要ではないか。

（十勝川源流部更生プロジェクト）

事業サイトについては、対象とする森林が健全ではないとする問題が発生することとなった原因について、十分議論した上で設定する必要があるのではないか。
アカエゾマツの虫害については、平成16年の台風の災害の後の発生ではないかという説明であったが、徐々に収束していく可能性があるので様子を見る必要がある。また、人工林においては、被害木を搬出することが必要だが、天然林については搬出が可能なのか検討が必要ではないか。
地表処理を行うに当たっては、標高、母樹の状況等との関係と更新の状況を見るため、条件毎にモニタリングサイトを設定し、条件の違いによる処理効果の評価を行いながら実施する必要があるのではないか。

（その他）

事業エリアは、プロジェクトエリアと紛らわしいことから、プロジェクトエリアの中に事業サイトがあるというように、別の表現にした方がよいのではないか。

次回の生物多様性検討委員会は、平成19年10月16日（火曜日）に開催予定です。なお、希少野生生物の生育・生息情報等の議論は予定されないことから、公開とする予定です。

北海道森林管理局計画部計画課鈴木、樋口
札幌市中央区宮の森3条7丁目70番
電話 011-622-5241
FAX 011-614-2652

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