第1回生物多様性検討委員会の概要

北海道森林管理局では、新たな森林・林業基本計画に基づき、重点的に取り組むべき事項の一つとされた生物多様性の保全に対するニーズに応えて、優れた自然環境を有する北海道国有林の維持管理を進めるため、「生物多様性検討委員会」を開催し、外部の専門家から御意見を聴くこととしました。
その第1回開催の概要について公表します。

平成19年4月12日
北海道森林管理局

プレスリリース

第1回「生物多様性検討委員会」が開催されましたので、その概要についてお知らせします。今回は、検討委員会の設置要領と運営要領の承認、座長の選出、今後の検討方向、新たに実施するプロジェクトなどについて検討を行いました。

1.日時、場所

平成19年3月28日（水曜日）午後1時30分～午後3時45分
北海道森林管理局大会議室

2.出席委員（五十音順敬称略）

          高橋邦秀（北海道大学名誉教授）
座長辻井達（（財）北海道環境財団理事長）
          藤巻裕蔵（帯広畜産大学名誉教授）
          横山隆一（（財）日本自然保護協会常勤理事）
          鷲谷いづみ（東京大学大学院教授）
          中村太士（北海道大学大学院教授）委員は欠席

3.議題

(1)北海道国有林を取り巻く環境
(2)生物多様性の確保の観点からみた北海道国有林の現状と課題
(3)生物多様性に資するプロジェクトの展開
(4)生物多様性検討委員会のスケジュール

4.委員からの主な意見

「北海道国有林を取り巻く環境」及び「生物多様性の確保の観点からみた北海道国有林の現状と課題」（議題(1)及び(2)）について

希少種のデータベース化に当たっては、他省庁などと情報を共有する形で進める方が良いのではないか。
生物多様性の保全を進めていくためには、特定のエリアを定めて保全するというだけではなく、国有林の保全管理全体の発想や方法ついても再構築することが必要ではないか。
北海道での天然林の取扱いについては、資源利用を大幅に縮小しているとはいえ、全国的に大変注視されている。
森林の取扱いを考えるに当たっては、森林をコンピューターの中につくり、伐採などの影響を予測しながら最適な方法を選択するといった科学的な手法を活用することも重要ではないか。
国有林に関わる人たちが生物多様性について意識改革ができるようなプロジェクトを行うべきだし、生物多様性に関心をもてる人材の養成が重要ではないか。

「生物多様性に資するプロジェクトの展開」及び「生物多様性検討委員会のスケジュール」（議題(3)及び(4)）について

こうした取組について、一般の人たちから理解を得ていくためには、奥定山渓などの札幌近郊でも取組を行ってはどうか。
森林環境保全ふれあいセンターなどで行っている自然再生への取組も広い意味で生物多様性に資するものと考えて良いのではないか。
プロジェクトについては、まず、なぜこれらの箇所を選定したのか、そこで何を解決したいのかを論理的に整理してみることが必要ではないか。
まず流域単位の森林の現況についてしっかりと把握し、その上で何をするのかを検討するという、いわばプロジェクトの企画書を時間をかけて検討していくことこそ重要ではないか。
プロジェクトを実施するに当たっては、生物多様性を示せる指標のようなものが必要ではないか。
指標などを定める場合には、生物多様性について研究されている方々の意見を参考にしたり、地域住民の方々に参加してもらってモニタリングするということも考えることが必要ではないか。
予定は予定として進めながら、資料の収集や問題点の検討はその時々に平行して行っていけば良いのではないか。
森林管理局と現場を管理する森林管理署とが常に情報や意見の交換を行い、共通認識を持って取組を進めていけるような方策を考えることが必要ではないか。

次回の生物多様性検討委員会は、平成19年5月29日（火曜日）に開催予定です。

北海道森林管理局計画部計画課課長補佐板山智幸
札幌市中央区宮の森3条7丁目70番
電話 011-622-5241
FAX 011-614-2652

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。