2022年8月10日(164号)
中部森林管理局メールマガジンでは、広報誌「中部の森林」の記事を基に、国有林で行われている森林づくりに関する様々な話題をはじめ、管内各地からのお便りなど、森林・林業に対しご関心をお持ちの皆様方に情報を提供させていただいております。
また、ご購読いただきました皆様方からのご意見やご要望などを事業の参考にさせていただきます。
さて、今回のメールマガジンですが、富山森林管理署長からのメッセージなどを記載しています。
最後までお読みいただければ幸いです。
INDEX
1.森林管理局からのメッセージ
2.広報「中部の森林」8月号(第221号)
3.公売・入札情報
☆編集長だより
1.森林管理局からのメッセージ
『優良無花粉スギ「立山 森の輝き」』 富山森林管理署長 中島章文
国民の約4割が罹患しているといわれるスギ花粉症、皆さんの中にも悩まされている方が多くいらっしゃることでしょう。林野庁では花粉症対策として、1.花粉を飛散するスギ人工林の伐採・利用、2.花粉をほとんどあるいは全く出さない苗木の植栽、3.スギ花粉の発生を抑える技術の実用化、の「3本の“斧”」による花粉発生源対策を進めています。
このような中、富山県では全国に先駆けて、花粉がない「無花粉スギ」の種子による量産技術を確立し、無花粉スギを本格的に山林に植栽し、普及に向けた取組を行っています。
富山県農林水産総合技術センター森林研究所では、1992年、花粉飛散の調査中、富山市内の神社で無花粉スギ(タテヤマスギの突然変異体)を全国で初めて発見、無花粉になる性質が一対の劣性遺伝子に起因していることを解明し、無花粉スギの品種開発に取り組んできました。その結果、初期成長と挿し木の発根性、雪害抵抗に優れた無花粉スギ「はるよこい」を選抜し、2007年、全国第1号の無花粉スギとして農林水産省に品種登録されました。その後さらに開発を重ね、成長にも優れた優良無花粉スギ「愛称:立山 森の輝き」を選抜し、その大量生産に取り組んできました。その結果、富山県内では、令和2年度までに約25万本の「立山 森の輝き」が山林に植栽されており、令和3年度からは富山県が4万本、富山県内民間業者が6万本の計10万本(年間山出し本数)の育成を進めています。令和8年度には20万本を生産する計画となっています。
また、富山県では、花粉の発生源となるスギ人工林を伐採した跡地に、県と森林所有者との協定に基づき「立山 森の輝き」を植える場合は、地拵や苗木代、植付などの植栽にかかる経費、植栽後の下刈、雪起こしといった初期に必要な保育経費の全額助成を進め、無花粉スギの普及を進めています。
2.広報「中部の森林」8月号(第221号)
「ブナの巨木 森太郎のお別れ会」などを掲載しています。
シリーズ「森林官からの便り」、「私の森語り」、「今は昔の林業」、「お役に立ちます国有林」、「中部の保護林」、「国有林モニターのご紹介」等も掲載中です。
【特集】
〇森太郎を送る会
【各地からの便り】
〇森林合同パトロールほか
【シリーズ】
〇「森林官からの便り」【富山森林管理署 砺波森林事務所 森林官 堤 隆博】
〇「私の森語り」 【飛騨五木株式会社 響hibi-ki編集部 田中菜月】
〇「中部の保護林」【金峰山】
〇「秘蔵写真・今は昔の林業」 【枝打ち】
〇お役に立ちます国有林
〇国有林モニターのご紹介
〇令和4年度 永年勤続表彰
☆詳しくはこちらからご覧ください。
https://www.rinya.maff.go.jp/chubu/koho/koho_si/index.html
3.公売・入札情報
https://www.rinya.maff.go.jp/chubu/apply/publicsale/index.html
過去の中部森林管理局メールマガジン「中部の森林」はホームページからもご覧いただけます。
★中部森林管理局メールマガジン「中部の森林」バックナンバーはこちらから
https://www.rinya.maff.go.jp/chubu/koho/mailmaga/backnumber/index.html
編集長だより
森のなかで芽を出した森太郎は、 厳しい自然のなかで、ぐんぐん生長していきました。
(森太郎じい) 「少しぐらい大きくなっても、笹や草などの背の高い植物にじゃまされて、お日様の光を浴びられなくて、なかなか大きくは なれなかったんだよ。ある日、近くにあった大きなおじいさんの木が枯れて倒れ、お日様の光がわしのところへも いっぱい届くようになったんだ。」
(あずさちゃん)「よかったね~。」
(森太郎じい) 「うん、わしらにとってお日様はごはんと同じだからね。」
これは、平成16年に作成した絵本「なべくら山の森太郎~あずさちゃんが出会ったブナの物語~」の中で昔話をしている一コマです。巨木の森太郎が倒れたという知らせを受けたときは、間違いであってほしいと思いましたが、絵本のように世代交代が行われ、鍋倉山のブナ林は、また、豊かな森林になって行きますね。森太郎じいさま、長い間、おつかれさまでした。わたしたちに感動や生きる力も与えていただき、ありがとうございました。
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