令和3年10月28日(木曜日)
本日で、私たちグリーンサポートスタッフ仕事納めです。 天生峠までの国道360号線は、11月5日金曜日に冬季閉鎖となります。 最後に、今年撮りためた写真の一部を厳選してご紹介します。 まずはこちら『ツマトリソウ』です。 今年、天生のツマトリソウの中に、縁がほんのり桜色がかった花を見つけました。 ツマトリソウの多くは、花弁全体が白色です。 花弁のふちが赤く染まる=つまどりがある事からツマトリソウの名前があります。 花の名前本来の意味を表すツマトリソウに出会う事ができました。
夏まっさかりの7月下旬、籾糠山頂上にて。 飛び立つ寸前!構えています。
ブナの実は昨年の凶作と比べると、今年はよく実りました。 落下したブナの実を並べて遊んでいます。
こちらは、偶然の産物。 葉の上に、ちょこんとブナの実がのっかった姿が可愛くて思わずカメラを向けました。
マクロの世界です。 普通に歩いていると見逃してしまいます。 …何かある!の気付きが、こんな世界へ導いてくれました。 コケ類でしょうか?キノコ類でしょうか? まだしっかりと調べていません。
こちらも、小さな小さなキノコです。 物語の世界のような、色と形。 自然界の植物は物言わず、静かにひっそりと…でも確実に生命をはぐくんでいます。
タマゴタケのある日の姿です。 何かの要因で、傘が飛ばされてしまいました。 飛ばされた傘は向こう側に転がっています。 自然は儚く美しい…。 今年のブログも今日で終わりです。 みなさま、今年もありがとうございました。 来春まで、ごきげんよう…。
令和3年10月26日(火曜日)
本日の天生峠です。 先週は雪模様でしたが、本日は暖かな陽気となりました。
麓の方は、まだ紅葉が綺麗です。
北アルプス、穂高岳・槍ヶ岳は先週の雪ですっかり雪景色です。 紅葉と雪のコントラストが楽しめます。
天生湿原は、ボチボチ紅葉も見納めです。
令和3年10月21日(木曜日)
本日朝の天生峠の気温はマイナス1℃。 初冬の寒さとなりました。 天生峠、今年初めての積雪です。
本日は、天生県立自然公園の合同パトロールが実施されました。 関係機関から20名が集まり、籾糠山山頂ルートと木平湿原ルートに分かれてパトロールを行いました。
天生の森、匠屋敷周辺の湿原も白色です。
木道の上にも積雪があり、滑らないように気をつけて歩きます。
籾糠山山頂から河合町方面を見下ろしました。 手前の山は白い雪。 麓の方は、まだまだ紅葉真っ盛りです。
山頂パトロール班の集合写真です。 飛騨森林管理署長をはじめ、岐阜県、警察、消防、飛騨市役所、天生協議会パトロールと各所から集まりました。
令和3年10月14日(木曜日)
10月半ばを迎えました。 本日朝の天生峠の紅葉です。
天生湿原に陽が差すと、紅葉が映えて綺麗に見えますね。
多くのお客様が訪れてくださり、皆口々に「感動する」「感激する」と話しかけてくださいます。
晩秋、落ち葉を踏みしめながら…パトロールの様子です。 天生でのパトロールも残す所あと数日となりました。
令和3年10月13日(水曜日)
本日も、霧雨のような霞がかった天生湿原です。 幻想的な湿原の紅葉を見ることができます。
本日は、湿原を囲うグリーンロープを回している杭の更新作業です。
杭は風雨に耐えながら…長年持つように…カラマツ材に焼き加工が施されています。
木道沿いの杭も、新しくなりました。
令和3年10月12日(火曜日)
本日の天生の紅葉です。 空は曇天ですが、霞がかった中の紅葉も又一興です。 赤色が随分目立つようになりました。
ウルシの木の赤は艶っぽくて綺麗です。
黄葉、紅葉入り混じったカエデの木です。
本日は、木平湿原に木道を設置しました。
今年は、少しカーブがついた施工となりました。
手前の木道は、本日設置したもの。 奥側に続くものは昨年設置したものです。 天生では、登山道入口から2.8kmの距離にある木平湿原の木道を全て人力で荷上げしています。 その為、施工延長は3mと短いですが、来年以降も木道の更新を行っていきます。
令和3年10月7日(木曜日)
本日の天生峠です。 秋色が深まりつつあります。
天生湿原まで上がってくると、この色です。 晴天の下の紅葉は見栄えが良いです。
匠屋敷周辺です。 写真手前側に、この夏を賑わせてくれたコバイケイソウのドライフラワーが賑やかです。
今年は、この時期になってもナナカマドの葉が緑色のままです。 日中、暑いくらいの日が続くせいでしょうか? おかげで、ナナカマドの赤い実が緑の葉の上でよく映えています。
まだ、赤色系の葉が少ない中でツタウルシは、しっかりと赤くなっています。 今年の紅葉は、少し遅めの傾向でしょうかね??
令和3年10月5日(火曜日)
秋の実が楽しい季節です。 ツバメオモトは青色から紺色になりました。 ツバメの頭の色に近づいた感じです。
クロモジの実も熟しました。
リョウブは花も房状につきますから、実も房状です。
タムシバの実はこのように糸を引きます。
今年豊作だった、ツノハシバミ。 和製のヘーゼルナッツです。 この頃になると、実を食べる事ができます。
令和3年10月2日(土曜日)
本日は、名古屋林業土木協会古川支部の皆さんによるボランティア活動が実施されました。 昨年に引き続き、木平湿原の木道の荷上げ作業を行って頂きました。
ヒノキ材の材料、総重量約260kgあります。
今回は260kgを14人で運びました。 個々の荷物等も含め、一人あたり20kgほどの荷です。
カラ谷湿原をヒノキ材を背負った一行が進みます。
木平湿原まで2.8km。 1番の難所は、急登が800m続きます。 立ち止まるだけの休憩を挟みながら…黙々と歩きます。 普段から山仕事をしてみえる屈強な皆さん、弱音を吐くこともなく、最後まで荷を上げて頂きました。 皆さまお疲れさまでした。
令和3年9月30日(木曜日)
本日のカツラ門。 秋の香りもほんのりと…葉が黄色味をおびてきました。
カツラ門の前には、ベンチが設置してあります。
カツラ門を見て頂く際は、こちらのベンチに腰掛けてごゆっくりとご覧ください。
本日は、動物の糞を沢山見ました。 こちらは、大量!クマの糞です。
こちらは少量、小動物の物ですね。 この時期は、ウワミズザクラなどの木の実を食べた跡が確認できます。
令和3年9月29日(水曜日)
今月は、各種資材の荷上げ・荷運びの作業を多く行いました。 本日は、2mの丸太を肩に担いで運びます。 この丸太で重量10kgを超えます。
今年は早くも『ホソバノツルリンドウ』のツボミを見つけました。
ホソバノツルリンドウは絶滅危惧種にも指定されています。 大切に見守っていきたいです。
令和3年9月28日(火曜日)
荷運びをしています。 この材料を使い、天生の歩道を更に歩き易くします。
歩道の階段を支えている横木の右端になにか付いています。
可愛いキノコです。
こちらも、歩道の横木に付いたキノコです。
歩道の横木は腐りやすく、キノコが生育しやすい環境なのかもしれません。
令和3年9月21日(火曜日)
本日、秋の晴天です。 天生の登山道入口から600mほど歩いた箇所から、穂高連峰~剱岳までの全貌が綺麗に見えます。 こんなに綺麗に見える日も珍しいです。
こちらは、シラヒゲソウ…もう最終見納めですね。
アケボノシュスランも、今年はあと僅かな命です。 皆さん、お見逃しなく!
湿原内のエゾリンドウは、もう暫く楽しませてくれるでしょう!
令和3年9月16日(木曜日)
色づき始めた天生湿原。
今週は集中的に歩道修繕の作業です。
天生の歩道、一段一段、気持ちを込めて作ります。
黙々と作業を進めます。
歩道修繕、完成しました。 非常に美しく仕上がりました。
令和3年9月15日(水曜日)
アケボノシュスランが開花し曙色になりました。 9月の半ば、季節は足早に移ろっていきます。
今週は歩道修理、集中作業です。 まずは歩道の杭を運び上げます。 こちらで重量は20kgほどです。
急登を上がる途中、一休み…。
そして、こちらは歩道の横木を運びます。 こちらは30kgほどになります。 黙々と…荷上げ作業です。
令和3年9月9日(木曜日)
トチバニンジンの実が赤と黒のツートンに熟しました。 根茎は薬用に利用されます。
トチバニンジンの葉は、トチノキの葉に似ていることから、その名が付きました。
こちらが本家のトチノキの葉です。
トチバニンジン(右側)とトチノキの葉(左手)が隣同士に並んで咲いている場所を見つけました。 なかなか無いシチュエーションかと思います。新たな発見です。 葉を並べてみると…どうですか? どことなく、雰囲気が似ていますね?
令和3年9月7日(火曜日)
こちら、20数年前に天生登山道入口で配布されていたものです。 天生GSS職員が大切に保管していました。 素敵なてぬぐいです。
天生湿原と秋の空。トンボが写り込んでいます。
ナナカマドの実が赤くなりかけました。
オオカメノキの実も秋の空に映えます。
ウワミズザクラ…房状に実がついています。
令和3年9月2日(木曜日)
本日のカツラ門です。
天候がころころと変わる山の天気です。 夕方の天生湿原、靄でいつもとは違う雰囲気です。
原生林と呼ばれる天生の森の木々は、樹齢も高く、枯れ枝や落枝の危険がある枝が歩道上にあります。 歩行者に注意を促す為に危険標示を行いました。
強風時などは、特に注意が必要です。
令和3年8月31日(火曜日)
8月最後の日。 駐車場脇では『ハクサンシャジン』が満開です。 爽やかな薄紫色が涼を感じさせてくれます。
ハクサンシャジンには、多くの昆虫が寄ってきます。 きっと、虫たちが寄ってくる仕掛けがあるはずです。 1匹の虫が花から花へと移ろうとしている瞬間! 小さな手足体を精一杯伸ばしています。
このツル性の植物は『サルナシ』です。
サルナシの実の大きさは、直径2cmほどです。 ベビーキウイとも言われます。 輪切りにすると、キウイそのものです。 熟すと、味もキウイ!甘くて美味しいサルナシの実です。
令和3年8月26日(木曜日)
9月を目前に、天生の花は秋の準備が進んでいます。 『アケボノシュスラン』今年もツボミがつきました。 9月上旬には開花するでしょうか? 今から楽しみです。
湿原内には『エゾリンドウ』の青色が映えます。 こちらは、花の時期は長く9月中は楽しめるはず…です。
『ツルリンドウ』も順番に花を開いています。 花が終わると赤紫色の実をつけます。
『ツバメオモト』の実も爽やかな青色。今が見頃です。 この実は青色~紺色~黒色へと変化します。
令和3年8月25日(水曜日)
梅雨のような天気が続く今年の8月。 天生の森も、ジトジトしています。 この天気は、天生湿原を幻想的に魅せてくれます。
可愛いキノコ。 この写真は昨日撮影しました。 傘の上に、少しだけキズがあります。
そして、同じキノコ。 本日撮影しました。 キノコの成長は早く、1日でグンと傘を広げます。 昨日の面影は、もうどこにもありません。
傘の上のキズを見れば、同じキノコである事が分かりますね! 色も形も変化します。森の変化は一瞬たりとも見逃す事ができません。
令和3年8月24日(火曜日)
本日のカラ谷湿原。 毎年恒例!賑やかな色彩となっています。
『白』湿原の足元に目を向けると、シラヒゲソウが沢山。
『黄』目線の高さには、マルバダケブキ。そろそろ終わりかけです。
『紫』猛毒ヤマトリカブトも鮮やかです。
『赤』ヤブデマリの花が終わり実をつけているところです。 パッと世界が変わったように目を惹きます。
令和3年8月19日(木曜日)
『タマゴタケ』は鮮やかな色彩が目を惹きます。 こちらは、まだ幼い状態「幼菌」です。 一見毒キノコのようですが、可食です。
キノコは、傷みやすく壊れやすいです。 このタマゴタケも、何らかの要因で傘が折れた物と思われます。 それも又一興と、カメラを向けました。
『チチタケ』です。 飛騨地方ではあまり聞きませんが、ところ変われば(栃木県、群馬県の辺り)マツタケ以上に重宝されるようです。 傷をつけると、傷口から白い乳液が出ます。 針で刺すだけでも乳液が出てきます。 (この写真は、地面から折れていた物で実験しました。)
『イボテングタケ』は存在感があります。 テングタケと名前が付くキノコは、有毒の割合が高いです。
『タマゴテングタケモドキ』毒キノコです。 比較的よく目にするキノコです。
令和3年8月17日(火曜日)
前線の停滞で、今年のお盆は雨続きでした。 今週になっても、まだ降り止む気配はありません。 天生のカタツムリはこの時期でもノソノソと歩いています。 こんなに小さな個体が目に入りました。 小さくても、しっかりとツノを出しているのが分かります。 人差し指の指先ほどの大きさ…もう少しで、踏んでしまうところでした。
こちらは、大きなカタツムリ。 マルバダケブキの葉は、直径1m以上です。 その葉の上に、ちょこんと乗っかています。 大きな葉の上にいるので、小さく見えますが大きなカタツムリです。
葉の上でセミの抜け殻を見つけました。 抜け殻でセミの種類を同定することもできます。 触角の長さであったり、色であったり、体長であったり…。 なかなか、これと断定することは難しいです。 雨が降るとセミの鳴き声はピタっととまります。
令和3年8月12日(木曜日)
噂のあの子が…開花しました。 昨日までツボミだった『ツルニンジン』です。
袋状のツボミがはじけ、5裂した花弁が浅く反り返ります。
別名『ジイソブ』とも言われます。長野県木曽地域の方言で「お爺さんのソバカス」という意味です。
膨らんだツボミからも想像できますが、ツルニンジンはキキョウ科です。 小さい頃、花瓶に挿してあるキキョウの蕾を手で強制的に裂く!というイタズラをした事があります(笑)
令和3年8月11日(水曜日)
昨日、天生へのアプローチ、国道360号線は台風9号の影響により、丸1日通行止めでした。 本日は、台風一過の天気となりました。 天気予報の晴れ間を狙って、朝から多くの登山者が入山されました。
夏場にしては珍しく、薬師岳~穂高連峰の峰がはっきりと見えました。
台風は、強い風と雨をもたらしました。 本日の天生は、台風後の見回りパトロールです。 枯損木が倒れて来た現場です。 倒れてきた木が歩道を塞いでいます。
こちらは、枯れ枝が落下してきた現場です。
いずれも、ノコを使い人力で除去作業を行いました。 チェーンソーがあれば、一瞬の作業ですが、ノコだと時間がかかります。 根気よく地道に作業を行いました。
台風の中でも、咲き始めようとしている花があります。 『ツルニンジン』です。ツボミの袋を膨らませています。 開花はもうそろそろかな?
令和3年8月5日(木曜日)
カラ谷湿原に『アカバナ』が咲き始めました。
カラ谷湿原の花は今からが見頃です。 『マルバダケブキ』も順番に開花が始まっています。
天生湿原では『ワレモコウ』の紅色が目に入ります。
綺麗な紅色…漢字で書くと「吾亦紅」。 亦は「~もまた」を意味します。 諸説ありますが、「吾もまた紅なり」が名前の由来です。
令和3年8月3日(火曜日)
本日の木平湿原です。 イヌガヤが沢山伸びています。
湿原内には食虫植物の『コモウセンゴケ』の赤い粘毛が確認できます。 ヒョロヒョロと細い茎を伸ばし、先端がクルンと巻いているのは花芽です。
決定的瞬間!コモウセンゴケにトンボが捕まっています! 昆虫の養分を消化吸収します。 湿原の土壌には栄養塩類が乏しい為、昆虫から窒素化合物やリン酸を得て湿原に適応した生き方をしています。
令和3年7月29日(木曜日)
本日は、天生協議会主催の合同パトロールが開催されました。 森林管理署、岐阜県、警察、消防から関係者20名が参加しました。
それぞれの目線から、パトロールを行います。
途中、天生の自然も楽しみながらパトロールを行いました。 こちらは、カラマツソウです。 花の時期は、カラマツの葉のようですが、現在は果実になっています。
パトロール後には、全体を通しての感想を頂きました。 歩道が整備されていて歩き易いとの感想が大半を占めました。
令和3年7月21日(水曜日)
夏空の下の天生湿原です。 飛騨地方、今が1番暑い時期でしょうか。 湿原の朝の気温が25度ほどです。 25度ですが、湿原の中は爽やかです。
湿原の周囲で今最盛期の『バイケイソウ』 今年当たり年だったコバイケイソウは既に花の時期は終わり種になっています。 バイケイソウの後ろには、ニッコウキスゲと、もう終わりかけのワタスゲがみえます。 ワタスゲは、雨の日にはしょんぼりしますが、又晴れるとフサフサになり… ここ1ヶ月間ほど湿原を賑わしてくれました。 もう、さすがにフサフサは復活しないかな…。
2つ並んだ姿が愛らしい『ツルアリドオシ』 今年が花の数が少ない気がしますが、可愛らしく咲いてくれました。
『タマガワホトトギス』も咲き始めです。 これから見頃が続きます。
今年は、湿原の中に『コモウセンゴケ』の花を多く目にします。 小指の先ほどの小さな花ですが、一生懸命背を伸ばして咲いています。
令和3年7月20日(火曜日)
盛夏の天生湿原。 ニッコウキスゲ、まだまだ盛りです。
水面に映ったニッコウキスゲ。
本日は、籾糠山(もみぬかやま)標高1744mへパトロールです。 特に頂上直下は、心臓破りの急登が続きます。 急登ではありますが、天生の歩道は段が細かくきざんであります。 天生ならではの、人に優しい…気持ちのこもった歩道作りが、ここにもあります。
籾糠山山頂へ到着です。 頂上は、あまり広くありません。 大人10人ほどで、密になる広さです。 混雑時には、譲り合って頂くようお願いしています。
頂上から東側方面を見下ろします。本日は、夏の空。 条件が良いと、南は恵那山から北は富山県剱岳までを眺望することができます。
頂上から下りながら見て頂きたいのが、ダケカンバの大木です。 登りは、必死です。ともすると周りの景色が目に入らないかもしれません。 下りは、ぜひ目の前に広がる林相の変化をお楽しみください。 写真手前の1本はブナ。その奥に美しいダケカンバが並びます。
令和3年7月15日(木曜日)
植物観察をしていると、見かけることがあります。 『虫こぶ』です。 寄生生物の寄生によって植物体が異常な肥大成長をすることにより、葉の一部がこのような形になります。 葉だけでなく、茎や枝、花や果実に見られることもあります。 虫こぶの名前は、カタカナの長い名前ですが、上手に区切って読むと、寄生している樹種、付いている場所、付いている状態が分かります。
『リョウブハタマフシ』です。 葉の両面に均等に膨れます。 まだ、できたばかりでしょうか?透明に近い緑色できれいです。 しかし、この中にはタマバエの1種の寄生虫が入っています。
『サワフタギツボミフクレフシ』です。 本家のツボミと勘違いしてしまいそうです。 タマバエの1種が入っています。 7月中には、虫えいの壁に脱出孔を開けて幼虫が脱出するそうです。
『マンサクハフクロフシ』です。 マンサクの葉につく袋状の虫こぶです。
『マンサクハフクロフシ』の色違いも見つけました。 アブラムシの1種です。
ブナの葉についていました。 『ブナハアカゲタマフシ』です。 ブナ葉赤毛玉フシ…虫こぶの名前は最後に「フシ」が付くのが定番のようです。
こちらは、虫こぶとは違います。 『オトシブミ』という昆虫の仕業です。 ミヤマナラの葉についていまいした。 江戸時代の「落とし文」のように、葉を筒状に巻き、最後には地面に切り落とします。 まだ巻いている最中です。
令和3年7月13日(火曜日)
年により、花により… 良く咲いたり少なめだったり… 時期が早かったり遅かったり… 自然界には、一言では説明しきれない何かがあるのだと思います。 毎年一定ではないのが、また一興です。 今年『ササユリ』は例年より多く咲いています。 ごらんの通り見事に咲きそろい、今が見頃です。
赤みがかったササユリもあります。 1株に2輪の花をつけています。
『ギンリョウソウ』も今年は多く見かけます。 もう終わりかけの個体から、まだ蕾の物もあり、まだまだ楽しめます。
『サイハイラン』今年は6月中に見頃は終わりました。 なぜか今年は、花の数も少なく、指折り数える事ができるくらいの数でした。 残念なまま時期が過ぎていきました。 数年前は、カラ谷分岐付近で道沿いに見事に咲いてくれたのに…幻のようです。
そして、先々週の7月1日に早くも今年の第1号を発見しました。 天生の夏の代名詞『シラヒゲソウ』です。今年は咲き始めが随分早いです。 今日現在、まだまだポツポツとしか見る事ができません。 さて…今年のシラヒゲソウはどうなる事でしょうか。 今から楽しみです。
令和3年7月8日(木曜日)
カラ谷分岐にズシンと構えるカツラの大木。 カラ谷分岐の目印でもあります。 かなりの年齢を感じる趣き深い木です。
そのカツラの木に、なにやら付いています。
拡大してみると、『マスタケ』ではありませんか! サルノコシカケ科に属するキノコです。 このオレンジ色の鮮やかさが目を惹きます。 なぜマスと名前が付いたのか?釣り好きの方は理解が早いでしょう。 マスの仲間は産卵期に、このような鮮やかな色に変わります。
カツラの葉も見逃せません。 かわいいハート型です。
令和3年7月6日(火曜日)
雨模様の天生湿原。 空の色がどんよりしていると、湿原全体もひっそりしています。 コバイケイソウやワタスゲは終わりを迎え、 変わって登場するのは、ニッコウキスゲとバイケイソウです。
5月下旬に湿原を賑やかにしてくれた、ミズバショウの現在の姿です。 真ん中の棒状の物は、肉穂花序(にくすいかじょ)と呼ばれます。 ミズバショウは、白い仏炎包の部分が目に付きやすく、よく花弁と間違われますが、本当の花はこの肉穂花序に集まって咲いています。 今は、花の部分が熟し果実になっています。
ミズバショウと同じくサトイモ科のザゼンソウです。 こちらも同じ作りです。 花の時期と比べて肉穂花序が肥大しているのが分かります。
ミズバショウとは、又ひと味違う雰囲気が漂っています。 見頃と言われる時期を過ぎた後も、観察を続けると面白い発見があります。
令和3年7月1日(木曜日)
天生ではお馴染み、神出鬼没のショウキランの咲く季節となりました。
こちら、天生の入口に設置してあるクマ除け用に作られた鐘です。
今週火曜日の勤務日には、普段通りの姿だったのですが、 翌水曜日の朝、このような状態になっていました。
写真はありませんが、なぎ倒された状態で発見されました。 そして、このように、鋭い削り跡。
良く良く見てみると、クマの毛が残っていました。 間違えなく、クマの仕業と考えられます。 熊除けの鐘がクマにいたずらされた事件でした。
令和3年6月29日(火曜日)
カラ谷湿原の中を横切る木道…。 今まで当たり前の風景でしたが、良く見ると趣きのある風景です。
『ウワバミソウ』の花です。 飛騨地方ではミズナとも言われ、山菜として人気です。 比較的どこにでもあるミズナですが、花をクローズアップしてみました。 秋になるとムカゴができる為、実はよく目にするですが、花はなかなか注目する機会がありませんでした。 こんなにも、透明感があり繊細な花をつけます。
こちらは『ヒルムシロ(蛭筵)』という浮葉性の水草です。 今まで、水の上に何か浮いているな…としか見ていませんでした。 しかしこちらも、しっかると名前のある植物です。
そして、このヒルムシロにも花はしっかりと咲きます。 土筆坊のようです。
ピンク色の花…肉眼でははっきりとは確認できません。 接写カメラでやっとこの形をとらえる事ができました。 今まで、見逃してきた、見過ごしてものも、違う目線を持って見てみると、新たな発見があります。
令和3年6月24日(木曜日)
本日のカツラ門です。 天生の重鎮は、いつも荘厳な佇まいで私たちを迎え入れてくれます。
エゾハルゼミに出会いました。 6月初旬~中旬、天生の林内はエゾハルゼミの大合唱でした。
今年は、ツチハンミョウをよく見かけます。 青光りして綺麗なツチハンミョウ、目に付きやすいです。 この珍しい姿にも遭遇!右がメス、左がオスです。 見分けるポイントは触角にあります。
令和3年6月22日(火曜日)
天生湿原では、コバイケイソウの奥にワタスゲが咲き始めました。 ワタスゲの白い絨毯が広がっています。
湿原周りではツマトリソウが可憐に咲いています。
ゴゼンタチバナは、葉が6枚になると花を咲かせてくれます。 葉が4枚のものも見かけますが、花は咲きません。
ギンリョウソウはユウレイソウとも言われます。 葉緑体を持たない花なので、半透明の白色です。
令和3年6月17日(木曜日)
今年の梅雨は、天気予報に反して天気の良い日が多い印象です。 本日の天生湿原です。
天生の森で初めて顔を見ることができました! 『モリアオガエル』です。 毎年、湿原内の木に産卵したものは良く見ますが、ご本人達との遭遇は初めてです。 夢中でカメラを向けました。
木平湿原あと何百m??誰かがいたずらをしています。
正体は、この蛾でした!あと300mです。 上手に同化しています。
令和3年6月15日(火曜日)
晴れの天生湿原。 今年は『コバイケイソウ』の花が沢山咲きました。 コバイケイソウは毎年咲きません。開花は数年に1度です。
花は円錐形につきます。 まだ蕾のものもあります。 蕾から咲き始めにかけての雰囲気が1番好きです。
コバイケイソウの群生が湿原の周囲を囲んでおり、湿原全体が賑やかです。 コバイケイソウはユリ科です。 ユリ科独特の、あの…ムンムンとした香りが、湿原内を漂っています。 コバイケイソウの後にはバイケイソウが控えています。 天生では、コバイケイソウとバイケイソウ、両方とも見る事ができます。
本来は白いニリンソウの中に紛れ込んで…緑色のニリンソウです。 なかなか出会う事ができない珍しい色です。 四つ葉のクローバーを探すように、探して歩かれる方もいます。 先週6月10日に撮影したものです。本日は時期終わりで…姿がありませんでした。
令和3年6月10日(木曜日)
梅雨の晴れ間が続く今週、天生へは多くの方が訪れています。
湿原では、『ミツガシワ』が見頃です。 写真では、葉を確認できませんが、3枚の小葉をつけます。 その小葉が家紋の「三柏紋」に似るため、ミツガシワといいます。
ミツガシワの花です。 白い髭がもじゃもじゃと繊細です。
登山道沿いにはツツジ科の『ムラサキヤシオ』が満開を迎えています。
雄しべと雌しべが張り出したその花全体は、蝶のように華やかです。
令和3年6月2日(水曜日)
本年もコロナ対策の為、事前受付で登山届けの記入をお願いしています。
登山届けを持って、こちらの受付へ向かってください。 受付で、登山届けの提出と検温をお願いしています。
キヌガサソウが咲き始めました。 大きな葉と大きな花、目を惹く花です。
天生では、キヌガサソウが群生している箇所があります。 大きな花が群生していると見応えと迫力があります。
カラ谷分岐ではニリンソウ。今が見頃です。 こちらは、ニリンソウが三輪咲いたものです。
同じくカラ谷分岐のサンカヨウです。 カラ谷分岐は、サンカヨウとニリンソウの畑になっています。
エンレイソウも大きな葉に花をつけました。
令和3年5月27日(木曜日)
『スプリング・エフェメラル』は『春の儚い命』『春の妖精』などと和訳されます。 雪解け直後に地上に顔を出し、すぐに花を咲かせ、その後は枯れて地上部の姿が消えてしまう草花の総称です。 本年の天生は、積雪量が多く雪解けが遅かった…そのおかげで、ここ数年では出会えなかった植物を楽しむ事ができます。 (もちろん植物たちは毎年顔を出しているのですが、私たちGSSの勤務開始がそれに間に合わない為です。) まずはニリンソウです。
カラ谷分岐付近に多く見られます。 これからが見頃です。 春の妖精の命は短く見頃はすぐに終わりますので、皆さんお見逃しなく。
ヤマエンゴサクも綺麗な紫色です。
ショウジョウバカマも春の妖精です。 ショウウジョウバカマ(猩々袴)の袴=葉は夏場も上部に残ります。
ショウジョウバカマの蕾の期間も一瞬の事です。 なかなか目にする事のできない姿です。
令和3年5月26日(水曜日)
本日は、湿原内の植生をイノシシや鹿、クマ等の食害から守るため電気柵を設置しました。 まずは、支柱を立てます。
支柱にガイシを取り付け電線を引き回します。
天生では、5本の電気柵です。
湿原内のこの貴重な景色を皆さまに楽しんで頂く為、電気柵の設置は必要不可欠です。
令和3年5月25日(火曜日)
昨日、国道360号線が冬季通行止め解除となりました。 本日より私たちGSSの活動のスタートとなります。 本日現在、登山道は残雪の為、入山が規制されているルートがあります。
春1番を告げる花々をご紹介します。 まずは、ヒメイチゲです。
ミツバオーレンは見頃です。
ミツバオーレンは小さな花ですが、とても可憐な花です。
ザゼンソウにも出会いました。
近年は5月中下旬に見頃を迎える天生のミズバショウ。 今年は雪解けが遅かった事もあり、今が見頃を迎えています。
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