平成30年11月6日(火曜日)
今年の天生は、国道工事の関係で山開きが8月15日となり、シーズンは例年の半分ほどとなってしまいました。 春~初夏の花を楽しんで頂けなかった分、特に紅葉時期には沢山の登山客で賑わいました。 本日で、私たちの勤務も終了です。 最後に天生のこんな写真を掲載します。 まずは、こちら。 大きな岩の上に這うように樹木が育っています。天生では、このような光景が多くみられます。 皆さん、自然のこの光景から何を連想しますか? (ちなみに、私たちは『タコ岩』などと呼んでいます…タコが岩の上を這っている…?笑)
 
湿原の中にできた大きな水溜まりです。 一見ただの水溜まりのように見えるかもしれません。 水溜まりの写真…から更に心の目で見てください。 さらに写り込む様々な情景が見えてきます。
 
こちら、11月に入ってから撮影した『ミヤマカタバミ』の葉です。 周りの他の樹木が葉を落とし、寒々とした景色になった中、このミヤマカタバミは健気に緑色のまま小さく佇んでいます。 ハートの形を3つ合わせた葉っぱ。可愛らしい形が私たちを癒してくれます。
 
レイチェルカーソン著『センス・オブ・ワンダー』という本があります。 自然の中から、五感で感じる素晴らしさに、私たちは働きながら触れさせてもらっています。 本の中には「知ることは感じることの半分も重要ではない」という記述があります。 地球の美しさについて深く思いをめぐらせる人は、生命の終わりの瞬間まで生き生きとした精神力を保ち続けることができる… 現場で働きながら、この本の言わんとする事が少しずつ解ってくるような気がしています。 このブログを通して、私たちが仕事の中で感じた、自然の神秘さ不思議さ魅力を、少しでもお伝えできていれば嬉しいです。 最後は、自然が偶然作り出したこちらの写真をご覧ください。 「あれ?何かの顔にみえる?」(笑) それでは、皆さまごきげんよう。
 
平成30年11月5日(月曜日)
本日は、朝霧が濃く、天生峠頂上付近までは視界が20m前後でした。 登山道入口に到着したとたん、空が明るくなり視界が開けました。 登山道500mほど登った所から写した写真です。 この時期特有の絶景です。
 
本日は、天生の山終いです。 規制ロープや案内看板などを撤収する為、登山道を歩きました。 こちら、途中で出会ったカタツムリです。 カタツムリも冬期間はどこかで冬を越すはずですが、どこへ行くつもりなのでしょう…。 体を目一杯伸ばして進もうとしていますが、気温が低いせいかなかなか前へと進みません。 雪が降る前に、目的の場所に辿り着けるといいですね。
 
作業を終えての帰り道、朝と同じ場所で撮影した写真です。 日中は気温も上がり、麓を覆い隠していた朝霧もすっかり消え、冬間近かの景色が広がっていました。
 
平成30年11月3日(土曜日)
比較的手軽に見て廻ることのできる天生湿原は皆さまにも人気ですが、 少し急登を登った先にある『木平湿原』にも魅力は沢山あります。 湿原そのものや、そこに生育する湿地性の植物の魅力は当然ですが、湿原周辺の「樹木の造形美」が一押しです。 ブナの大木が林立する中を、落ち葉にびっしり覆われた登山道が続きます。 写真の場所はゆったりとしたブナ林の中の散歩道といった風情ですが、急登部分もありますので、 下山のルートとして利用するのも良いかと思います。
 
ブナの大木(古木)に赤茶色のキノコ(ヒイロタケ?)やツルアジサイの蔓がびっしり繁茂しています。 樹勢が衰えた証拠でしょうか・・・力強さよりも、何か一抹の哀愁が漂います。
 
直径50~60cmの幹を7~8mもウネウネと這わせ、ほぼ水平に成長し続けているブナの大木です。 表面はコケ植物でびっしり埋め尽くされており、霧が発生しやすく湿度が常に高い環境であることが推察できます。 雲霧林のような場所なのでしょう。
 
ブナの古木に着生している『ヤシャビシャク』の果実です。 着生植物ですが寄生植物ではありません。 ブナなどの高木に着生しているため、なかなか間近で観察できない植物ですが、たまたま苔むした大木の目の高さ付近にあったのでカメラを向けました。 着生木の伐採などにより生育数を減らし、地域によっては絶滅危惧種に指定されていますが、天生の森では比較的多く見られます。
 
木平の典型的な情景です。 多雪地帯特有の地面を這う樹木と、普通に直立して育つ樹木、同じ種類なのに若木の時期に受けたダメージがそのまま尾を引いている個体と、 ダメージが比較的小さくスクスクと育った個体・・・人間模様の機微を描いたテレビドラマのようですね。
 
おなじみ木平湿原の初冬の風景です。 今年度は天生への道が8月中旬まで閉ざされていたので、春・夏をとばして、秋~初冬にワープしてしまった気がします。
 
平成30年11月1日(木曜日)
麓では秋真っ盛りのこの時期ですが、籾糠山の山頂付近はもう雪化粧。 今日の天生湿原は時折雪まじりの時雨。気温は2℃。冬の到来も間近です。
 
湿原の植物はほとんど冬枯れの状態です。 「湿原」と書きましたが、実は湿原の周辺部はかなり陸地化が進んでおり、 遠くない将来には湿原の消滅が危惧されています。 そのため毎年この時期に湿原内に入り込んだイヌツゲやノリウツギを短く刈り込んでいます。 「自然の変遷に任せるべきでは?」という意見もありますが、少なくとも湿原の陸地化を少しでも遅らせ、 訪れる人々に「湿原の自然」を楽しんでいただくという考え方も「有り」ではないかと思います。
 
天生の森の樹木もほとんど葉を落とし、草花も地上部が枯れ、登山道を歩いていても何となく寂しさを感じます。 でも少し注意して周囲を観察すると、まだまだ面白い植物が有るものです。 キノコの仲間です。 「可愛らしいもの」「不思議な形のもの」「不気味なもの」・・・本当に様々です。 申し訳ありませんが、名前がよくわからないもの、はっきりしないものばかりですので、写真で紹介するだけにしておきます・・・あしからず。きのこの世界をお楽しみください。 名前を知っている方はご連絡ください。(笑)
 
 
 
 
 
 
 
平成30年10月30日(火曜日)
こちら、カラ谷沿いのカツラの大木です。 「カラ谷」の名の通り、普段は水が流れておらずカラカラで、融雪期や台風・大雨の時にのみ、急激に水量が増えます。 水量が増えると、激流がカツラの根元の土砂を浸食してしまい、倒木の原因になったり、木の衰弱につながります。
 
カツラの木を守る為に、大きな石を根元に集め、浸食を防ぐ作業を行います。
 
「カラ谷」の様子を上流から追って紹介します。 「カラ谷」と名付けられていますが、カツラ門~木平分岐の上流付近までは、ほぼ通年水が流れています。
 
ところがカツラ門の上流100m付近で、下の写真、画面中央辺りを見て頂くとお分かりかと思いますが、 忽然と水流が消失してしまうのです。(写真手前が上流側、写真奥が下流側です。) とても不思議な現象です。 原因はこの地域にいくつかある、断層でないかと考えられています。 つまり地震活動などにより生じた断層面で地層が破砕され、その部分に水が浸透しやすくなっているということです。
 
カツラ門の下流では水は全く流れていません。(増水時のみ激流となります。)
 
カラ谷分岐(木橋のある辺り)では再び水が流れ、水量も多くイワナの姿もよく見られますが、 これはすぐ上にある湿原(ミズバショウ群生地)から流れてきたものです。 つまり、ここで見られる水流はカラ谷本流のものではありません。 このように、天生の「カラ谷」は、一般的な谷川とは様子が違いますね。
 
平成30年10月29日(月曜日)
湿原の周りには、イノシシやニホンジカによる食害から貴重な植物を守る為、電柵を設置しています。 本日は、雪が降る前に電柵の撤去作業を行いました。
 
電柵撤去作業中に出会った昆虫をご紹介します。 こちらは『スゲハムシ』です。 ご覧の通りの金属光沢。 紫色、青藍色、赤銅色 等々 個体によって色彩変異に富み、まさに「動く宝石」です。 大きさは、わずか7~8mmですが、拡大してよく観ると納得できますね。
 
こちらは『ツヤアオカメムシ』です。 艶のある緑色一色(ほとんど無地)で、あまり見かけないカメムシなのでカメラを向けました。 調べてみると、暖地に多いカメムシのようです。 なぜ天生のような寒冷地にいたのか不思議です。 カメムシは身を守る為に悪臭を放つものがほとんどです。 その為「ヘクサンボ」「ヘクサムシ」「ヘコキムシ」「ヘッピリムシ」・・・いかにも「クサい虫」らしさがにじみ出ていますね。 ちなみに、天生峠の麓、白川村では「ドンダ」と呼ばれていましたが意味不明です。 又、兵庫県や岡山県の山間部では「ガイダ」「ガイザ」と呼ばれているようです。
 
平成30年10月25日(木曜日)
ブナ探勝路は名前が表すようにブナの大木が林立し、四季を通して魅力的な景観が楽しめる登山道です。 今は紅葉も終わり、落ち葉が地面を覆いつくそうとしています。 写真はブナの落ち葉に埋め尽くされた登山道の一部です。 落ち葉が大量に積り、数年の間には、深さが数10cmになる所もあります。 この落ち葉の層に雨水が大量に貯められ、貴重な水源になったり、豪雨による災害などを防いだりします。
 
登山道沿いには、樹木の冬芽の面白さが目を引きます。 こちらは『トチ』の木の越冬芽です。 小さな昆虫が写っていますが、これはトチの冬芽の表面を覆っている粘液にくっつき、動けなくなったものです。 この粘液は大切な冬芽を食害する昆虫などから身を守る為に役立っているのでしょう。 冬芽の表面に赤茶色の部分がありますが、これは冬芽の内部を有害な紫外線から守るための色素です。 トチ以外の樹木の冬芽も、同じように赤茶色をしたものが多くみられますが、やはり同様の目的でしょう。
 
ヒメモチの赤い実です。 この果実は9月28日のブログでも紹介しましたが、枝の先端がちぎれていて、冬芽の部分が見えていなかったので再び掲載してみました。 ヒメモチは雌雄異株なので、実が付いているのはもちろん雌株だけです。
 
こちらはヒメモチの冬芽です。 花芽と葉芽が同時についており、来春に花が咲いて実をつけます。 実が出来た後に新芽が伸びた様子が前の写真から良くわかります。 ですから、ヒメモチは赤い実が先端ではなく、下の方についているのですね。
 
平成30年10月23日(火曜日)
天生湿原を下った所にある通称「小湿原(しょうしつげん)」は地形の関係もありますが、独特の景観を見せてくれます。 10月下旬となり、ほとんどの広葉樹は紅葉して色づくか、落葉しています。
 
落葉性の高木にもかかわらず、この時期にまだ緑色の葉をつけたままの木があります。 『オヒョウ』の木です。 オヒョウは、北方系の樹木ですから、寒さには強いはずです。 ですから、低い気温でも光合成をし易いのかもしれません。 低温でも光合成できる植物の代表にハンノキの仲間があります。 特に高山植物でもあるミヤマハンノキは気温5~6℃でも光合成ができます。 落葉するギリギリまで紅葉せず、緑のままで落葉するそうです。 もしかすると、オヒョウの木も同じように緑色のまま落葉するのかもしれません。 …そんな事を考えながら写真を撮っていると、ヒラヒラと緑色のオヒョウの葉が1枚落ちてきました…。
 
こちらは、緑色のまま冬を越す植物です。 『フユノハナワラビ』(シダ植物ハナワラビ科)です。 日光を受けて栄養を作る栄養葉(下部の濃い緑色の葉)と、 胞子をつける為の胞子葉(上部に向かって伸びている黄色の部分)にハッキリと分かれている、 面白い特徴を持つ植物です。スギナとツクシの関係と同じなのでしょう。 冬でも青々とした葉を付けていることや、花のようにも見える胞子葉を寒くなる頃に伸ばすことから、昔から縁起の良い植物として 栽培されることも多いようです。そのせいか、採集されることも多く、絶滅危惧種に指定されるなど、数を減らしている植物の一つです。 天生では、場所は限定されますが、あちこちで見ることができます。
 
こちらも緑色のままの『マンネンスギ』です。 シダ植物の仲間ですが、ヒカゲノカズラ科に属します。 マンネンスギという名前は、杉の葉に似ていて、一年中=マンネン、緑色(常緑)だから…ということですが、 よく考えるとスギはもともと常緑樹なのですから、ちょっと変な命名のようにも思われます。
 
平成30年10月20日(土曜日)
本日の天生は朝から雨模様でした。 雨模様にもかかわらず、駐車場には沢山の車が…。
 
気の合う仲間同士で天生を訪れてくださっています。 写っている皆さんには、ブログ掲載の承諾を得ています。
 
登山者の方はカッパを着て、雨の中の小湿原を楽しまれています。
 
ほとんどの木々は葉を落としてしまいましたが、しっとりと落ち着いた黄色のカエデが雨の小湿原を演出しています。
 
冬の装いをまとった本日のカツラ門です。 あの夏の陽に輝いていた緑の情景はどこへいってしまったのでしょう…(少し気取り過ぎましたネ)
 
コケの蒴柄(胞子のう)に付いた水滴です。 周りの風景が写り込んでいますが、コケも風景を楽しんでいるのかもしれませんね。
 
こちらも写り込んだ世界…あなたはどんな情景を想像しますか?
 
平成30年10月18日(木曜日)
本日の天生湿原の様子です。 紅葉真っ盛りです。
 
天生周辺にはアザミの仲間が3種類確認できます。 こちらは『フジアザミ』です。 日本ではアザミの種は100種ほどあるようですが、その中でもフジアザミは一番大きな花をつけます。 天生峠までの国道360号線沿いに、一際存在感を放っています。
 
フジアザミ…ボンボリのようなアザミ色のこの存在感!!
 
こちらは『シロバナフジアザミ』です。 アザミ色のものがほとんどの中、白色は大変珍しいです。
 
こちらは『ノリクラアザミ』です。 アザミの中でも、葉切れ込みがほとんど無く、触っても痛くないのが特徴です。
 
こちらは『ヒダキセルアザミ』です。 アザミの種は、進化の過程にあるものが多い為、各地域名を冠した品種名が多くなっています。 本日紹介している3種も、富士(富士山近辺で最初に名付けられた模様)、乗鞍、飛騨、と地域名が付けられています。
 
ヒダキセルアザミ…夏の花盛りを過ぎ、この時期には来年の葉をつけています。 ロゼッタ状の新葉を確認することができます。
 
平成30年10月10日(水曜日)
山道を歩いていると「不思議な生き物」や「不思議な現象」に出くわす事があります。 天生の森を訪れる目的は、登山・湿原の散策・植物観察など様々でしょうが、観る対象を少し変えてみるのも新発見があって面白いものです。 こちらは少し珍しい昆虫『ヒメツチハンミョウ』です。 おなかの部分(腹部)がボッテリしていて、中途半端な羽のようなものがあり、牛の角を思わせる触角が目立つ奇妙な昆虫です。 動きがモタモタしていて飛ぶ事もできないようです。 「こんなんで生きていけるのかな・・・」と心配になるくらいです。 ところが、この虫には必殺の特技があるのです。 身の危険を感じると、関節部分から猛毒のカンタリジンという化学物質を出し、死んだふりをしてビクともしなくなります。 もちろん、鳥やトカゲなども食べようとはしないようです。 見かけても絶対に触らないでくださいね。
 
こちらは恐らく『カゲロウ』などの仲間の幼生だと思います。 カワゲラの幼虫にも見えますが、水もない乾いた登山道上の落ち葉の中に潜んでいました。 川の中で見かける生き物のイメージが強いので、不思議に思いカメラを向けました。
 
こちらは『ヒメヘビイチゴ』の葉です。 特に珍しい植物でもないのですが、いつも不思議に思っている事があります。 写真を見て頂くと、葉の縁の部分に水滴が沢山くっついているのがわかります。 「昨日雨が降ったか、朝方に露でも降りたのだろう」と思っていましたが、どうも不自然なのです。 お気づきでしょうか?周囲の他の植物の葉には全く水滴がついていないのです。 気になり始めてから注意して見ているのですが、いつも同じようです・・・なぜでしょうね?
 
平成30年10月4日(木曜日)
こちらは『ホウキタケ』の仲間です。 サンゴのように、枝状に分岐する独特な形のキノコです。 色も形も様々で、分類的にもはっきりしないものも多いようです。 食用にされるものもあるようですが「よく似た形で有毒なものも多い…」と書いてある事もあり「ちょっと食べてみようかな…」という気にはなりませんね。
 
マメホコリと呼ばれる変形菌の仲間、もしくはホコリタケの仲間です。 この類のキノコは小型で、生育状態による差も大きく、種類を断定するのは難しいですね。 はっきり言ってお手上げ・・・でも、だからこそ面白くて奥が深いのかもしれません。
 
『ナヨタケ』かと思われます。 ヒョロヒョロと背が高いですが、なんともキノコらしい姿で、なぜかホッとします。 でも、食用になるかは不明です。
 
『ガンタケ』かと思われます。 テングタケの仲間らしく、傘の部分に多数のイボを付着させています。 童話の世界に登場しそうな典型的なキノコの姿です。 傘が開くと平らな円盤状になり、テングタケらしくなります。 図鑑では「食可」との記載がありますが、注意書きとして「生食は毒」とあります。 …やはり、やめておいた方が良さそうですね。
 
『アカゲカワラタケ』かと思われます。 サルノコシカケの仲間のようですが、1年生のキノコだそうです。 登山道の階段で横木と杭の隙間に律儀に形(角度)どおりに育っていました。
 
平成30年10月2日(火曜日)
本日は、台風24号による被害の様子を確認する目的で、木平(きだいら)登山道のパトロールを行いました。 幸い、台風の影響は大きくなく一安心でした。 パトロールをしながら、樹木の枝などに注目してみると、今更ながら面白い形の樹形に驚かされます。 自然の造形美です。 ここ木平湿原近辺では、特にそれが顕著です。 下の写真は、湿原の手前付近で撮影したものです。 誰かが盆栽を作る目的で意図的に樹形を作ったものでは…?と思ってしまいます。 こんな山奥で盆栽作りをする暇人はいないでしょうから、これは自然が偶然作り出したものでしょう。
 
ブナの大木のすぐ近くで、同じくブナの木が何本も絡み合うように横方向に伸びているものです。 同じブナなのに、直立して堂々と成長しているものと、いじけたようにグニャグニャに成長しているものが混在しているのはなぜでしょう…? 研究してみると面白いかもしれませんね。
 
現代彫刻のオブジェ「苦悩する巨人」とでも名付けたくなりますね。 「どうしてこんな形になったのか」と想像するのも難しいくらいですね。
 
登山道沿いに、ひたすら横へ横へと成長しているブナの古木です。 成長してから倒れたものではなく、成長するたびに雪に押しつぶされたものと考えられます。
 
木平湿原の木道南側付近のものですが、このような景観が木平湿原の平坦部には当たり前のように広がっています。 平坦部を過ぎて傾斜地になると、このような景観はほとんど見られなくなります、 おそらく、積雪量と雪解けまでの期間の長さなどが関係していると思われます。 木平湿原の湿原植物群も魅力的ですが、『木平』特有の自然が作り出した芸術品を鑑賞するのを目的に訪れるのも楽しいものでしょう。 ちなみに、木平湿原の『木平』は、この近辺の樹木の多くが積雪の圧力でねじ曲げられ、横方向に成長している=木が平になっている、事からきているのではないか とも考えられますが、いかがでしょうか?
 
平成30年9月28日(金曜日)
秋の深まりを一足早く告げてくれる『ナナカマド』の実です。 今年はとりわけ結実が良いようで、どの木もたわわに実を付けています。 実の房が上向きになっているものと、下向きになっているものがあるようです。 これは、単に結実の良いものが自重で下を向いているだけの事でしょうか? それとも、少し種類が違っているのでしょうか…?
 
登山道脇に、黒いツヤのある実に真っ赤な袴をつけたような可愛い実がありました。 『ツクバネソウ』の果実です。 ツクバネソウの名前は、羽子板でつく(打つ)羽からつけられたそうです。
 
『サワフタギ』の実です。 今年は例年より多く実をつけているようです。 どこにでもある木なのですが、今年は存在感がとても大きく感じます。 秋は赤い実が多いのですが、サワフタギの爽やか青さはひときわ印象的です。 赤い実は鳥の目に留まりやすいので鳥がよく食べると言われますが、青い実は誰が食べるのでしょうね。
 
『トチバニンジン』の実です。真ん中が黒色になったものを『相思子様人参』といいます。 いわくありげな名前ですが、「相思子」=唐小豆(薬草だそうです)に、似た=様、な人参です。 「ソウシシ・ヨウ・ニンジン」と読むのが正解のようですね。
 
『ヒメモチ』の実です。 よく、ミヤマシキミと混同されますが、 全体の背丈が違うこと(本種のほうが大きい) ヒメモチは葉先が尖ること(ミヤマシキミは丸い) ヒメモチの実は新葉の下に付くこと(ミヤマシキミは茎の先端に付く)で区別されます。 秋は花が少ない季節ですが、少し視点を変えて「実」を鑑賞するのも楽しいものです。
 
平成30年9月23日(日曜日)
本日は快晴で、北アルプスが一望できました。 天気が良いこんな日は、作業もはかどりますね。
 
登山道の補修も私たちの大切な仕事の一つです。
 
特に登山道の階段に使用する横木は、登山靴によって踏まれたり、朽ち木を食べ物としている菌類(この写真の場合はカワラタケ)によってボロボロになります。 その為、5~6年で補修が必要となります。
 
新しい横木を入れた後は、階段の段差を調整する為に、土などを入れる必要があります。 材料としては、周囲の腐葉土や、朽ちてしまった横木を細かく砕き再利用します。
 
横木には、台風で倒れたり、折れてしまった枝を活用します。 台風の被害木も、このように有効的に利用されます。
 
平成30年9月22日(土曜日)
天生の森の中でパトロールや作業をしていると、随所で様々なキノコを見かけます。 食用のキノコを探している訳ではないので、名前も知らないものがほとんどです。 本日は、食べられそうにはないけれど、形や色が美しいキノコをご紹介します。
まず、こちらは『イヌセンボンタケ』です。 生えている場所には「これでもか!」というほど生えています。 1cmにも満たない小さなキノコですが、拡大して見ると、純白で細かなヒダが緻密な陶器のようで、素敵なキノコです。
 
『サンゴハリタケ』です。これも純白のキノコです。 キノコらしくなく、無数の針(毛?)のようなものが下向きに伸び、5~10cm程度の塊になります。 なんだかフサフサ&モフモフでちょっとユーモラスですね。 (調べてみると、食べられるそうです。ただし、責任は持てませんので自己責任で…。)
 
『モエギビョウタケ』です。 湿った朽ち木の表面に1~5mmくらいの丸く平べったいキノコが無数にくっついています。 キノコらしくありませんが、短いながらも柄の部分もちゃんとあるようです。 やや高山性のキノコのようです。
 
黒真珠のようなキノコです。名前は調べてみましたがよくわかりません。 本物の黒真珠にそっくりで、艶々とした表面がとてもきれいです。 糸を通せばネックレスにでもなりそうですね。
 
『ツリガネタケ』です。 サルノコシカケなどの仲間です。多年生のキノコで、年々大きくなっていくそうです。 大きさはまちまちですが、数10cmになる大型の系統のものと、5cm前後の小型の系統のものがあります。 小型のものは群生することが多いようです。 写真のものは小型の系統のものです。いずれにしても形は釣り鐘状になり、かなり硬くなります。

平成30年9月20日(木曜日)
秋の初め頃、登山道でよく見かけるタマゴタケ(キノコ類)です。 真っ白な皮膜に覆われた下から、鮮やかな朱色の本体がのぞいています。 なんとも可愛らしい色合いです。
 
タマゴタケの上に、小さなカタツムリが乗っていました。 カメラを近づけて撮影するまで、その存在には気づかないほどの大きさ(5mm程度)です。 はじめはゴミが付いているのかと思いました。 「見ているようで見ていない世界」があるのですね。
 
こちらは、樹皮の破片や落ち葉をひっくり返した時に、発見した『マルトビムシ』です。 本日、パトロールの途中で偶然、土壌生物を研究してみえるY氏ご夫妻にお会いしました。 関東地方から、はるばるこの天生へ来て下さったとのこと。 ご夫婦で、土壌生物などの研究の為に、写真撮影をしてみえるそうです。 本日撮影された写真を少し見せて頂きました。 普段、何気なく踏み歩いている落ち葉や土の中にも、色々な生物たちが生活している事を改めて教えられました。 そんな訳で、少し触発されて撮影してみたのがこの写真です。 (機材、知識とも全くありませんので、Y氏に見せて頂いた写真とは比べるまでもありません…。)
 
マルトビムシよりも、もっと小さい(1mm以下)トビムシの仲間です。 トビムシの仲間以外にも、ダニの仲間、それらを捕食しているカニムシの仲間など、想像以上に土や落ち葉の中には多数の生物たちが生活しているようです。
 
土壌生物とは言えないかもしれませんが、湿気の多い朽ち木や樹木の空洞などによく見かける『ザトウムシ』の仲間です。 小さな昆虫や土壌生物を補食しているクモの仲間です。 接写して拡大したものを見ると、機械仕掛けのオモチャ・ロボットのようにも見えますね。
 
登山道の端にあった小さな石をひっくり返してみると1cm程度の昆虫がくっついていました。 よく見るとハネカクシの仲間かハサミムシの仲間のようです。 おそらく、トビムシやダニなどを補食している肉食昆虫でしょう。 この肉食昆虫もモグラやヒミズのような、地中を住み家とする小型のほ乳類などに捕食されています。 という事は、モグラは地中の食物連鎖の頂点にいる動物なんですね。 もちろん、モグラも地上へ出ればフクロウなどの猛禽類に捕食されるのですが…。
 
平成30年9月16日(日曜日)
天生湿原も秋色です。 今年はナナカマドの実も多く、赤色も鮮やかです。 今はまだ葉は緑色ですが、これから除々に色づきはじめ、木全体が赤に染まるのも間近かでしょう。
 
夏場は天生へ避暑に訪れていた蝶『アサギマダラ』です。 秋の深まりと共に、そろそろ暖かい地方へ移動していく頃です。
 
下の動画は『ホコリタケ』別名『ケムリタケ』の胞子が飛散する様子を撮ったものです。 茶色っぽく熟したものは、袋の中に胞子を沢山作っており、指などで潰すと大量の胞子を空気中にまき散らします。 その様子が「埃が飛び散っている」ように、又「煙がモクモクと立ちのぼっている」ように見えます。 それをお伝えしたく、動画にしてみました。 ホコリっぽい様子を見ると食べる気にはなりませんが、白色の未熟なホコリタケは食用になります。
 
平成30年9月14日(金曜日)
先週の台風21号は、天生の森にも大きな被害をもたらしました。 その惨状をお伝えします。 こちらは、ブナ探勝路にて、ブナの大木が根こそぎ倒れたものです。 写真で確認できる根張りの直径は5m近くになります。 歩道をふさぐ形で倒れた為、緊急に迂回路を作りました。
 
こちらは、籾糠分岐のオオシラビソの大木群が強風により、へし折られた様子です。 直径60cm前後の大木が、一瞬にしてこのようになったかと思うと、台風の凄まじさを思い知らされます。 左手にみえる木は、かかり木(折れて隣の木にもたれ掛かった状態)になっているものです。 かかり木状態になると、大変危険な為、立入禁止のテープありますので絶対に近寄らないようにしてください。
 
ちょっと一息。 こちらは、ブナ探勝路にあったブナの大木の幹の一部を写したものです。 写真の中に、ある生き物が写っていますが何か分かりますか? ヒントは、写真の中央部付近です。
 
答えは、こちらです。 ゲテモノが苦手な方に配慮して、ピントは少しぼかしてあります。
 
ゲテモノが苦手な方は、この下の写真は覚悟して見てください。 正解は…ガマガエルです。 ガマガエルは、ヒキガエルやヒキ、ガマとも呼ばれています。 あまりの台風の凄まじさに、ガマガエルも木のウロ(洞)に避難していたのでしょう。 まるで、置物のように鎮座していますね。
 
平成30年9月3日(月曜日)
天生の森にある、食べられる実をご紹介します。 まずこちらは『ツノハシバミ』の実です。 今年は例年に比べ非常に良く実をつけています。 この実の中には、おいしい種が入っています。 味はまさにヘーゼルナッツです。 ちなみに、近縁種のヨーロッパハシバミの実が正真正銘のヘーゼルナッツです。
 
こちらは『カヤ』の実です。 飛騨地方では食用として販売されています。 雌雄異株なので、雌木にしか実はつきません。
 
いわゆるドングリですね『ミヤマナラ』の実です。 現代では一般的に食用にはされませんが、古代においてが重要な食料の一つでした。
 
なんだか海の中に浮かぶ機雷のようにも見えますが、じつは『ヤマボウシ』の実です。 飛騨地方の70代くらいの方々は、子どもの頃おやつとして、この実を食べたそうです。 まったりとしたマンゴーのような感じで、自然の中にある木の実の中ではもっとも美味しかったそうです。 ちなみに、こちらはまだ緑色で熟れていません。食べ頃は赤く熟してからです。
 
こちらはアクが強く熊でも食べないと言われる『トチ』の実です。 今年は豊作で、登山道沿いのトチの大木からはボタボタと実が落下する音が聞こえます。
 
熊は食べませんが、飛騨地方ではトチ餅やトチの実煎餅として食用になります。 食べるには強いアクを取り除く必要がある為、写真のように干した後、広葉樹の灰と共に水にさらし、 口に入るまでには大変な手間がかかります。 「お餅の中ではトチ餅が一番好き」という方もいるくらい、飛騨地方では欠かせない物です。
 
平成30年9月1日(土曜日)
9月に入りました。 9月に見頃を迎える植物をご紹介します。 まずこちらは『アケボノシュスラン』です。 こちらは、まだ蕾の状態です。
 
アケボノシュスランは、開花するとこのようにアケボノ色になります。 植物についている名前の中でも、とても素敵な名前の一つだと思います。 (例えば、とても可憐な花にも関わらずヘクソカズラなどと命名している物もあります。その植物に少し失礼ですよね。) 蕾の頃の純白から、うっすらとピンクがかった色への変化を楽しんでください。
 
こちらは、赤い実が目をひく『タケシマラン』です。 これだけ分枝して、実がたわわになっているものは、天生ではあまり見かけません。 よく似た小型の『ヒメタケシマラン』は天生で良く見かけますが、あまり分枝をせず、実の数も1~3個くらいです。
 
タケシマランの実です。 この写真をみていると、サクランボから甘い果汁が滴っているような感じですが、舐めてみると勿論ただの水滴ですよ!
 
こちらは『エゾリンドウ』です。 リンドウというと紫色のイメージがありますが、天生で見るエゾリンドウはスカっと晴れた秋の青空のようです。 これから紅葉の時期にかけて、このエゾリンドウの爽やかな「青」がきわだって見えます。
 
本日はうす曇りだった為、花は閉じていますが、日差しがあると花弁が開きます。 ただ完全に開くことはありません。ハチなどの小さな昆虫が出入りできる程度に開きます。
 
平成30年8月30日(木曜日)
ここしばらく、天生の登山道に関わる紹介が続きましたので、今日は今が見頃の天生の植物を紹介します。 湿原の日当たりの良い場所に群生している『アカバナ』です。 花が赤いという意味だけではなく、葉も紅葉して赤くなるのでアカバナと名付けられました。 写真でも、根元に近い葉が紅葉しかけているのが分かりますね。
 
こちらも湿原周りに咲いている『ワレモコウ』です。 一見花らしくない外見ですが、レッキとしたバラ科の花です。 ワレモコウの名前の由来は「我も紅」からきたとも言われます。 詩的な名前のつけ方ですね。
 
こちらは、先日も紹介しました『ヤマトリカブト』です。 前回は花の正面から写したものを紹介しましたが、こちらは花の背中からのものです。 視点を変えると面白いものです。 谷川の涼しさに、冴えた青紫色が良く映えます。
 
カラ谷分岐を過ぎてからの木陰には『テンニンソウ』が姿を見せてくれます。 シソ科としては大型の植物で、派手さはありませんが群生すると見応えがあります。 漢字で「天人草」と書きますが、おそらく天女が舞っている姿を連想したのでしょう。
 
こちら、テンニンソウの群落です。 天女が大勢集まって踊っているように見えませんか?(笑)
 
この時期、小湿原やミズバショウ群生地、カラ谷登山道のいたる所にみられる『サラシナショウマ』です。 写真で見ると弱々しい印象ですが、実際に近くで見ると、大きい物では穂の長さが30cmほどにもなり、なかなか立派な花姿です。 若芽を水に晒して食した事から「晒し菜ショウマ」と名付けられたそうです。
 
平成30年8月28日(火曜日)
カツラ門を後にし、ひたすら登山道を登ります。 天生の登山道で唯一の水場があります。 伏流水の湧き水なので夏場でも非常に冷たく、ひとときの涼をお楽しみください。
 
こちらは、キク科の『クルマバハグマ』です。 登山道沿いでは、ここにしか生育していません。 一見地味に思われますが、開花すると雄しべのクルクル感が繊細で可愛らしいものです。 今はまだ蕾の状態ですが、もう1~2週間すると開花すると思われます。 是非、近くで見てください。
 
カラ谷登山道は、アップダウンの多い道です。
 
途中、このような小さな谷に板橋をかけてある箇所もあります。 バランス良く渡ってください。
 
こちらは、キク科の『オオカニコウモリ』です。 葉の形がカニの甲羅のような…、コウモリの翼のような…。 その2つが合わさったような…命名だそうです。
 
木平(きだいら)分岐に到着です。 ベンチもあり、アップダウンを登ってきた足の疲れを休めましょう。
 
分岐を右手の方へ50mほど進むと、トイレブースがあります。 有料のトイレです。携帯トイレはテント内に置いてありますのでそちらを使ってください。 使用後は必ず各自で登山道入口の回収ボックスまでお持ちください。 トイレブースの中はとてもキレイな状態になっています。 使用される際には、お互いに気を遣ってキレイに使用しましょう。
 
平成30年8月23日(木曜日)
小湿原へ下り小川を渡ります。カツラの巨木の右端を抜けるとそこは『カラ谷分岐』です。 この分岐で左手側へ向かうと木平(きだいら)方面への登山道で、右手へ50mほど進むと更に分岐点があります。 (受付にあるパンフレットの地図では、縮尺が小さく見分けがつきにくい為ご注意ください。)
 
こちらが、前記の分岐点です。 右手側へ進むとブナ探勝路、左手側へ進むとカラ谷登山道です。 ブナ探勝路方面にはミズバショウ群生地への道もあります。 カラ谷登山道方面にはカツラ門があります。
 
カラ谷登山道を進みます。 このように整備が行き届いた登山道です。
 
途中、ブナの大木の間をすり抜けます。 是非、ブナの樹皮に直接手を触れて、深山の雰囲気を体感してください。
 
登山道沿いには、普段は水が流れていない谷川があります。 この谷を『カラ谷』と呼んでいます。 雨量が多い時には、急流になることもありますのでご注意ください。
 
カツラ門に到着しました。 カツラの巨木が横一列に並び、いつも通りの荘厳な姿です。 ここ数年、枝が折れるなどして、衰えも目立ちます。 周囲には、規制ロープが張ってありますので、踏み込みなどをしないように大切に保護していきたいものです。
 
平成30年8月21日(火曜日)
湿原を見ながら木道を周回すると、ベンチが設置してある休憩所に到着します。 写真は休憩所から天生湿原を見渡したものです。 今年は近年になく、コバイケイソウの花が多く咲きました。 現在は、花も終わり果実を沢山つけているところです。 果実に焦点を当ててみるのも又面白いものですね。
 
休憩所を後にし、カラ谷分岐へ向かいます。 こちらにも、獣除けのゲートが設置されています。 湿原入口と同じように、再び鎖をかけておいてください。
 
カラ谷分岐へ向い、下り勾配の登山道が続きます。 下りきった所が『小湿原』と呼ばれる場所です。 こちらの小湿原には、ミズバショウも多数生育していましたが、近年イノシシ等の食害により全滅に近い状態になっています。 こういった状況から、湿原2箇所の周辺に、電柵が設置されていますがご理解をお願いします。


ミズバショウの数は少なくなりましたが、この時期『シラヒゲソウ』が見事に咲き誇っています。
 
『ヤマトリカブト』も開花し始めました。 ヤマトリカブトの背景には、サワグルミやカツラの大木があります。 小湿原を象徴する景色をお楽しみくだい。
 
小湿原を抜け『ヤブデマリ』の赤い実を楽しみながら小川を渡ります。
 
橋の上から小川を覗いてみると、イワナが顔を見せてくれます。
 
カラ谷分岐の看板がみえてきました。
 
平成30年8月15日(水曜日)
本日、天生の山開き及び安全祈願祭が開催されました。 飛騨森林管理署を代表して署長が玉串奉奠を行いました。 例年は5月下旬に行われる式典ですが、今年度は、国道360号の工事の影響で本日の開催となりました。 天生の山開きを心待ちにしてみえた方も多かったかと思います。 皆さまのお越しをお待ちしております。
 
天生の森へようこそ。 入口から順番にコースを紹介します。 まず、受付へ行く前に、靴裏をきれいに洗って外来植物の種子などを除去してもらいます。 500円の協力金をお願いしています。
 
さあ、天生の森へ足を踏み入れてみましょう。 天生湿原までの登山道は、ジブリのトトロが姿を見せそうな樹木のトンネルが続きます。 今の時期は、リョウブの木の花が真っ盛りで、独特の香りを楽しむ事もできます。
 
天生の森のプロローグ。 この森の主人公でもある、ブナの大木も姿を見せ始めます。
 
天生の森で唯一人工林であるカラマツが見られる場所です。 秋になると黄金色の紅葉が楽しめます。
 
コースの途中には、熊対策として一斗缶が釣り下げてあります。 これを、棒で叩いて進んでください。(山の中で思いっきり叩くとストレス解消になる?かも?しれませんね。)
 
登山道には、湿原までの距離標示の札がついています。 又、足元には、100mごとに番号を書いた杭が設置されています。 今、自分がどの辺りにいるかの目安になります。 ちなみに、天生湿原入り口付近が10番の杭です。 ちょうど、1km歩いた事になりますね。
 
天生湿原の入口手前には、獣除けのゲートが設置されています。 こちらには鎖がかかっていますので、ご自身で開けて中へ入り、再び鎖をかけておいてください。
 
こちらは湿原の入口です。 湿原周辺の木道は大変狭くなっており、すれ違いがしにくい為、順路が決められています。 ここでは左の道を進んで、時計回りに湿原を周回します。
 
天生湿原に到着しました。 天生湿原の中心部には『匠屋敷』と呼ばれる場所があります。 湿原の周回コースから木道が右手に分岐します。 匠屋敷には、飛騨の匠に関する祠がまつられ、興味深い伝承も紹介されています。 ぜひ、こちらにも立ち寄ってみてください。
 
|