管内の概要
管内の概況
愛知森林管理事務所は愛知県内の国有林野11千ヘクタールを管轄しています。これらの森林は愛知県内の森林面積の5%にあたり標高50m~1,152mに位置し、東三河流域では豊川及びその支流の宇連川流域の段戸国有林を始め9箇所に、また尾張西三河流域では、矢作川、庄内川、木曽川の愛知県内上流部、犬山市八曽国有林を始め9箇所に点在しています。東部では茶臼山や本宮山などの山岳地帯と、豊川や鳳来峡をはじめとする美しい渓谷、整備された人工林が織りなす森林美等の優れた景観に恵まれており、また西部では都市部の近郊林として住民の身近な森林レクリエーションの場となっていて、国有林内にも国定公園や県立自然公園が指定されているなど、自然環境の保全形成及び国民の保健休養の場の提供等公益的機能の発揮の上で重要な役割を果たしています。また三河北部地域は古くから人工造林が盛んに行われており、「三河材」の主要産地となっています。 |
森林の概況
愛知森林管理事務所全流域
尾張西三河流域
尾張西三河流域の国有林は、スギ・ヒノキを主体とした人工林率が80%と高く、天然林ではアカマツ、クロマツ等の針葉樹林が6割、シイ、カシ類の広葉樹が4割を占めています。 |
東三河流域
東三河流域の国有林は、明治以来植栽されたヒノキを主体とする価値の高い人工造林地であり、人工造林率も92%と極めて高く、各所にヒノキの優良造林地が多く見られ、天然林では、ナラ、力工デ、シイ、カシ類等の広葉樹林がその6割を占めています。 |

公益的機能の推進
愛知森林管理事務所管内の国有林では、地域住民からのニーズを踏まえ、ひとつひとつの森林について重点的に発揮させる機能を、「水源涵養タイプ」、「自然維持タイプ」、「森林空間利用タイプ」、「山地災害防止タイプ」の4タイプに区分し、民有林と調整を図りながらきめ細かな管理経営を行うこととしており、次の事項について重点的に取り組むこととしています。 |
森林整備の方向
公益的機能の発揮を重視する公益林
水源涵養タイプ (5,610ヘクタール51%)
水源涵養タイプは、洪水緩和、渇水緩和、水質浄化に係る機能を重点的に発揮すべき国有林野です。下流域の住民に対して豊かで良質な水を安定的に供給する必要性から水源涵養機能の発揮のための森林整備を図りつつ、併せて周辺の森林資源の状況等から将来にわたって人為的な施業を適切に加えていきます。 |

写真の説明:東三河の水瓶宇蓮ダムと川合国有林遠望と林業機械による木材搬出間伐作業
森林空間利用タイプは、スポーツ又はレクリエーション、教育文化、教養等の活動の場や優れた景観の提供及び都市又はその周辺の風致の維持に係る機能を重点的に発揮させる国有林野です。 森林の整備については、個々の国有林の利用形態、森林の状況等に応じて必要な施業を行っていきます。 管内には、犬山市、瀬戸市、豊橋市等の都市の近郊に国有林があり市民の身近な森林として森林浴、ハイキング等のレクリエーションが楽しめる場所を提供しています。 |
写真の説明:漁民の森林づくり活動と小学生への森林教室の様子
山地災害防止タイプ (2,048ヘクタール19%)
山地災害防止タイプは、土砂の流出・崩壊、雪崩、落石等の山地災害による人命・施設の被害の防止機能及び渇水緩和・水質保全機能が重複している場合はそれらも併せてた機能を重点的に発揮させる国有林野です。 施業方法については、地質や局所地形、林地傾斜等による山地崩壊の危険性に留意して根系が深く広く発達し、常に落葉層を保持し、適度に陽光が入ることによって下層植生の発達が良好な森林にするため適切な森林整備を行っていきます。必要に応じて土砂の流出、崩壊を防止する治山施設等を整備していきます。 |
写真の説明:治山工事による校倉式土留工(瀬戸国有林)と川合国有林白岩(馬の背岩)〈土砂流出防備保安林 〉
自然維持タイプ(1,287ヘクタール12%)
自然維持タイプは、原生的な森林生態系からなる自然環境の維持、動植物の保護、遺伝資源の保存等の保全に係る機能を重点的に発揮させる国有林野です。 良好な自然環境を保持する森林、学術的に貴重な動植物の生息に適している森林等を目標として、保護を図るべき森林生態系、動植物の特性等に応じ、保全すべき環境の維・形成を図るため管理経営(人為を排除した取扱いを含む。)をおこなっていきます。 |
写真の説明:段戸湖の紅葉と段戸モミ・ツガ希少個体群保護林
お問合せ先
愛知森林管理事務所
ダイヤルイン:0536-22-1101