このページの本文へ移動

九州森林管理局

    文字サイズ
    標準
    大きく
    メニュー

    お知らせ(令和3年度)

    西表森林生態系保全センター





    日付

    令和4年3月28日

    タイトル

    令和3年度ヒナイ川の利用状況調査(令和4年3月分)報告

    コメント

    3月28日(月曜日)今年度最後のヒナイ川の利用状況調査を実施しました。

    当日の天候は、天気予報では“くもり”でしたが、調査地のヒナイ川カヤック係留地は時折、雨が強く降っていました。

    車の外気温表示は午前10時時点で20℃と少し肌寒く感じましたが、先日、地元紙で初夏の到来を告げるゲットウの花が咲き始めたという記事を見ました。3月下旬ではありますが、八重山諸島には既に夏がやってきているようです。

    さて、調査の結果は、カヌーツアー23組の136名(ガイド含む)、カヌー持参での個人利用1組2名で殆どが県外からの観光客でした。

    3月下旬となると世間一般に学生の春休みとういうこともあり、1月、2月の閑散期と比較して例年、利用者数が一気に増え、3月期の利用者数は、昨年度同月と比較しても大幅に増える結果となりました(昨年は3月上旬調査で今回は3月下旬調査だったので、3月は上旬と下旬で利用者数が大きく変化するのかもしれません)。

    令和3年12月1日のトピックスで記載しておりますが、今年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から6月から9月までヒナイ川における利用状況調査の実施を控えておりました。

    令和4年度は、令和3年度のように緊急事態宣言期間が長期間にわたることがなく、ヒナイ川(ピナイサーラの滝)、西田川(サンガラの滝)に沢山の利用者の歓声がこだますることを祈りつつ、令和3年度における最後のヒナイ川利用状況報告とします。


    係留中のカヤック(上流の係留地点)

    帰りの途につく観光客とガイド

    係留中のカヤック(下流の係留地点)

    係留中のカヤック(下流の係留地点)

    日付

    令和4年3月24日

    タイトル

    観光利用を如何にコントロールするか
    ~令和3年度第2回奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域科学委員会開催~

    コメント

    3月24日(木曜日)に、オンラインによる「令和3年度 第2回 奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域科学委員会」が14名の委員をはじめ林野庁、環境省、沖縄、鹿児島両県及び関係自治体等が参加し開催されました。

    議題は、「世界遺産委員会決議(要請事項)への対応状況について」「モニタリング計画に基づくモニタリング結果等について」の2課題でした。

    各委員からは、世界遺産委員会からの要請事項である観光管理、ロードキル対策、河川再生、森林管理の4項目について、「世界遺産の観光管理のモデルとなる発信の重要性」「観光管理における安全確保」「入込制限の具体策など」「ロードキル対策におけるハード面とソフト面のあり方」「森林管理における具体性」など多数の意見、要望等が出されました。

    今後は、12月の世界遺産委員会への回答期限も踏まえ、本会議での委員から述べられた科学的助言を基に、全体で取り組むことを確認し会議を終了しました。


    各委員からの発言内容に聞き入る当センター職員

    日付

    令和4年3月16日

    タイトル

    緑豊かな西表島の自然を守り・使い・伝えるために
    ~第6回 西表島フィールドトイレ活用に関する連絡会議に出席~

    コメント

    3月16日(水曜日)に、「第6回 西表島フィールドトイレ活用に関する連絡会」が西表エコツーリズム協会を主会場にオンラインで開催され、当センター、沖縄森林管理署(Web参加)、環境省、沖縄県、竹富町などの行政機関、西表島カヌー組合、仲良川観光など関係団体から21名が参加しました。

    会議では、「ヒナイエリアでのフィールドトイレにかかる協力金制度の導入について」の議題について、事務局より「フィールドトイレ事業はピナイサーラの滝周辺での利用者集中に伴う「し尿」による環境悪化を防ぐために早急に取り組む事項」「島内の公衆トイレ必要箇所の将来的設置も見据えた取り組み」など前提となる考え方や制度の名称、協力金の収受方法、本制度への参加を依頼するガイド事業者の対象範囲、利用者への周知方法など提案説明が行われた後、議論が行われました。

    参加者からは「オンライン決済によるやり方の工夫」「ガイドへの周知が大切」「フィールドトイレの活用は、世界自然遺産に登録された西表島の自然を保全する取り組みとして全国に発信でき、ガイドの意識が高まりスキルアップにもつながる」「早いスタートに向けて、出来ることから進めて欲しい」など多くの意見・要望が出されました。

    最後に今回の議論内容を踏まえ、実行あるフィールドトイレ事業の早期実現に向けて進むことを全体で確認し会議を終了しました。


    現場を知るガイドの皆さんから様々な意見が出された

    日付

    令和4年3月15日

    タイトル

    忍び寄る外来種の影 対策に向け各機関で情報を共有
    ~令和3年度沖縄外来種対策連絡会議に出席~ 

    コメント

    3月15日(火曜日)、「令和3年度沖縄外来種対策連絡会議」がオンラインで開催されました。

    当日の会議では、各機関の令和3年度外来種対策実施状況及び結果の報告後、令和4年度外来種対策実施計画について説明が行われ、質疑応答がありました。

    また、報告内容には、ヒアリやツルヒヨドリといった特定外来生物だけでなく、ニホンイタチ(哺乳類)、インドクジャク(鳥類)、グリーンアノール(爬虫類)やオオヒキガエル(両生類)など、様々な外来種に関するものがありました。

    当センターは、アメリカハマグルマの駆除試験や海岸林自然再生試験のモニタリング調査の結果などを報告ました(詳しくは令和3年12月16日令和4年1月24日2月17日のトピックスをご覧ください)。

    沖縄県内で生息が確認されている外来種の多さに驚くとともに、定着してしまった外来種への対策の難しさを改めて実感しました。


    外来種対策について議論

    日付

    令和4年3月15日

    タイトル

    西表島における自然環境教育について活発な意見交換
    ~令和3年度自然環境教育推進のための連絡会議を開催~

    コメント

    3月15日(火曜日)、西表島の船浦地域活性化施設(ときめきホール)において、「自然環境教育推進のための連絡会議」を、関係行政機関、各種団体等及び西表島内の各小中学校の先生方の出席のもと開催しました。

    今回の会議では、西表島島内の小中学校が実施した今年度の自然環境教育の活動、各行政機関・各団体等が実施した支援内容の報告が行われ、また、当連絡会で作成された「自然環境教育カリキュラム」の活用について、事務局である西表森林生態系保全センターが西表島島内の各小中学校に出向きカリキュラムの説明会を実施したことを報告しました。

    昨年度に引き続きカリキュラムの周知方法、カリキュラムが活用される仕組み作り、相談窓口やカリキュラム自体の改訂にかかる記載内容の是非、連絡会議の開催時期など出席者から様々な意見・要望が出されるなど、活発な意見交換の場となりました。

    これらの意見・要望等を踏まえ、支援機関等と調整を図りながら、「自然環境教育カリキュラム」の改訂を含む今後のあり方等の検討を進めるとともに、西表島における自然環境教育の一層の推進に取り組んでいきたいと思います。

    活発な意見交換・議論が行われた自然環境教育推進連絡会議

    日付

    令和4年3月13日

    タイトル

    西表島の美しい海を後世に
    ~南風見田海岸ビーチクリーンアップ活動に参加~

    コメント

    3月13日(日曜日)14時から八重山地区の海洋環境保全推進活動を行う団体「八重山環境ネットワーク西表エコプロジェクト」の主催で南風見田海岸のビーチクリーン活動が開催され、当センター職員3名、沖縄森林管理署大原森林事務所森林官1名及び租納森林事務所森林官1名が参加しました。

    南風見田海岸は西表島東部に位置し、近隣にキャンプ場などもあることから、観光客をはじめ地元の方も利用する、訪れる人が多い海岸で(活動中にも観光客や地元が数名訪れていました)、一帯は南風見国有林172林班となっており、当センターの漂流・漂着ゴミの定点観測地点でもあります。

    当日は、地元スポーツ少年団の子供達とその保護者等、総勢30名以上でビーチクリーン活動を実施。

    現地に到着すると一見漂着ゴミがあまりないように見えましたが、なんのなんの沢山の漂着ゴミが、砂に埋もれたり、林内に入り込んだりしていました。 

    参加者は約2時間、精一杯クリーン活動を実施し、ペットボトルと発泡スチロールはそれぞれトン袋が一杯になり、その他の漂着ゴミもゴミ袋(45㍑)約30袋分を回収することができました(子供達が黙々と一生懸命頑張っていました)。

    今回、スポーツ少年団の活動の一環ということで、沢山の子供達が参加しておりましたが、学習等の観点からすればいい機会だと思ったと同時に“大人の責任“を感じました。 

    参加した子供達が大人になる頃には、南風見田海岸から漂着ゴミがなくなっていることを願うばかりです。

     


    暑い中、みんな頑張りました。



    日付

    令和4年3月13日

    タイトル

    アメリカハマグルマ駆除試験地の経過観察を実施 その4

    コメント

    令和3年12月16日(木曜日)のトピックスでお伝えしておりますが、当センターではアメリカハマグルマの駆除試験を実施しています(詳しくは令和3年12月16日のトピックスをご覧ください)。

    3月13日(試験後約3ヶ月)の経過観察時の天気は快晴。前回(2月24日)の肌寒さとはうって変わって、夏のような日差しが照りつけてとても暑かったです。

    試験区の状況については、食酢散布区ではアメリカハマグルマがあまり繁茂しておらず、駆除効果を確認できましたが、重曹散布区ではアメリカハマグルマが前回の経過観察時よりさらに繁茂しており、やはり駆除効果を確認できませんでした。

    今年度のアメリカハマグルマ駆除試験地の経過観察については今回が最後ですが、来年度も引き続き経過観察を実施していきます。


    3月13日の重曹散布区
    アメリカハマグルマが以前より繁茂し、地際がより見えにくくなっている


    3月13日の食酢散布区
    アメリカハマグルマが繁茂あまり
    進まず、地際が見えている


    重曹散布区の地際部
    駆除効果が見られず、
    アメリカハマグルマの繁茂が旺盛


    食酢散布区の地
    際部駆除効果により地肌がみえ、アメリカハマグルマがあまり生えていない



    日付

    令和4年3月11日

    タイトル

    今後のイリオモテヤマネコの保護増殖に向けて
    ~令和3年度イリオモテヤマネコ保護増殖事業検討会に出席~

    コメント

    3月11日(金曜日)、「イリオモテヤマネコ保護増殖事業検討会」が石垣市の国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターを主会場にオンラインも併用し開催されました。

    当日の議題は【令和3年度イリオモテヤマネコ保護増殖事業の実施状況について】【イリオモテヤマネコ10ヶ年保全計画(案)について】【西表野生生物保護センターの改修工事について】の3点について議論が行われました。

    事業の実施報告では、沖縄県が本年2月中旬から行っているブルートゥースを活用した交通実態調査やJTEF西表島支部やまねこパトロールの高山事務局長から通行車両の速度データなどが報告されました。

    また、イリオモテヤマネコ10ヶ年保全計画(案)については、イリオモテヤマネコの現状や保全目標と対策などが議論され4月15日のイリオモテヤマネコの日、計画公表に向けて取組むことを全体で確認しました。

    なお、改修工事中の西表野生生物保護センターについては、6月頃にリニューアルオープンを予定していることなどが説明され、本検討会を終了しました。


    島内に100頭程度しか生息していないと
    言われているイリオモテヤマネコ



    日付

    令和4年3月9日

    タイトル

    イリオモテヤマネコの交通事故防止に向け議論
    ~令和3年度イリオモテヤマネコ交通事故防止対策検討委員会開催~

    コメント

    3月9日(水曜日)に、沖縄県が実施するイリオモテヤマネコの交通事故防止対策に対し、技術的・学術的見地から助言を行うことを目的とする「令和3年度イリオモテヤマネコ交通事故防止対策検討委員会」が那覇市・ホテルサンパレス球陽館で開催され、有識者および環境省、沖縄県関係課など行政機関からの各委員が出席しました。

    また、当センター、沖縄森林管理署はオブザーバーとして出席しました。

    当日の会議では、ヤマネコの路上侵入抑制対策(抑制柵)の実施について、普及啓発について、フカンタ地域における対策案の検討状況について、車両走行速度に関するモニタリングについて、次年度以降の事業についての5議題について、事務局より議題毎に提案説明が行われた後、議論が行われました。

    各委員からは「路上に出て遊ぶナレネコ(慣れ猫)を作らないためにも路上侵入抑制柵の点検と草刈り継続の必要性」「ヤマネコ以外の小動物への抑制柵の影響」「普及啓発における情報発信の範囲や量の扱い」「フカンタ地区における対策の効果的方法の検討」など様々な意見・質問が出されました。

    最後に事務局である沖縄県より「本会議で出された貴重な意見を基に、メリハリのある効果的な事業の執行に努めて参りたい」と総括があり本会議を終了しました。


    各委員から様々な意見が出された

    日付

    令和4年3月8日

    タイトル

    小島局長が西表島を2回目の視察

    コメント

    3月7日(月曜日)から8日(火曜日)にかけて小島九州森林管理局長が年度末のお忙しい合間をぬって、昨年7月に世界自然遺産となった西表島を視察されました。

    1回目の視察は、世界自然遺産登録前の令和3年10月23日~24日だったため、今回の視察は世界自然遺産に登録されて初の視察となりました。

    3月7日は、西表島の西部を中心に視察され、翌8日は、特定観光資源の指定を控える古見岳周辺の現地調査を実施、希少な植物等を観察しながらノヤギの被害などを含め、古見岳周辺における西表島森林生態系保護地域の現状と保全利用等について把握されました。

    下山後、小島局長は「大変、有意義な現地調査であった」とおっしゃっていました。

    古見岳山頂にて(右端が小島局長)

    日付

    令和4年3月7日

    タイトル

    「森林・林業全般について教えて下さい!!」
    ~古見小学校5年生から森林についての質問メールがきました~

    コメント

    3月1日(火曜日)に、古見小学校5年生2人から質問メールが届きました。

    「1. 西表島の面積に占める国有林の割合は約85%と調べましたが、国有林とはなんですか」

    「2. 現在、西表森林生態系保全センターでは、森林の手入れをしていますか」

    「3. 西表島に林業を営む人はいますか」

    「4. 林業を営む人を増やす取り組みはやっていますか。あれば具体的に教えて下さい」

    「5. 外来種の対策をしていると聞きましたが、外来種は森林にどんな影響があるのですか」

    「6. 僕達が森林を守るためにできることややってほしいことを教えて下さい」

    「7. 保全活動で工夫していることは、なんですか」

    しっかりと下調べ(勉強)をしてメールをしていることが分かりました。
    メールの文面も小学生らしからず、非常に丁寧でビックリしました。そしてなかなか鋭い質問に、これはこちらも真剣に答えねばと、当センター職員全員で意見を出し合い、回答案を考え3月7日(月曜日)回答メールを送信しました。

    担当の先生に後日伺ったところ、5年生の社会科の授業で森林について勉強しているが、教科書では他府県の森林の様子やそれらを保全するための活動が詳しく掲載されており、子どもたちは、普段から環境について考え、それを守る活動に取り組んでいますが、社会科の学習を通して西表島の森林について、更に詳しく知りたいとのことで、西表島における自然環境教育カリキュラムの説明会での説明資料を思い出し、当センターに連絡したとのことでした。

    私達の回答で少しでも西表島の国有林をはじめ森林・林業全体についてさらに理解を深めてもらえれば幸いです。

    古見小学校は、竹富町教育委員会が策定した竹富町海洋教育基本計画に基づき、今年度から“結ぬ海科(ゆいぬうみか)”として総合学習等の時間ではなく、教科として海洋漂着ゴミの回収をはじめ様々なことに地域と連携し積極的に取り組んでおり、地元紙に度々、活動の様子が掲載されています。そんな中で森林に目を向けてくれたことに感動と感謝。

    そう!海と山は繋がっているんだよ。
    海の勉強をするときは、山(森林)の勉強もするといいかもしれません。

    今回この質問メールを受けて、どういう風に伝えたら伝わるのか、意外と理解しているつもりで理解していなかったこと、改めて考えされたことなど、気づかされることが沢山あり、そういった機会をいただいたことに感謝の念に堪えません。

     


    海と山と川(前良川と後良川)と畑に囲まれた古見集落
    この自然をいつまでも守る気持ちを持ち続けてほしい




    日付

    令和4年3月7日

    タイトル

    関係機関が連携して八重山の希少な野生動植物を密猟・密輸から守ろう
    ~八重山地域における希少な野生動植物の密猟・密輸対策連絡会議に出席~

    コメント

    令和4年3月7日(月曜日)に「八重山地域における希少な野生動植物の密猟・密輸対策連絡会議」が石垣市の国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターを主会場にオンラインも併用し開催されました。

    昨年度まで「沖縄地域における希少な動植物の密猟・密輸対策連絡会議八重山担当者会議」だったものが、今回の会議で「八重山地域における希少な野生動植物の密猟・密輸対策連絡会議設置要領(案)」が提議され、満場一致で設置要領(案)が可決されたことから令和4年3月7日付けをもって設立の運びとなりました。

    その他の主な議題については、【八重山地域における環境省の取り組みについて】【関係機関における今年度の取組状況と次年度の取組予定等について】【希少動植物の密猟・密輸事件の発生状況について】でした。

    当センターは、環境省西表自然保護官事務所が主催する西表島における希少野生動植物の密猟・盗掘当を防止するための普及啓発活動に積極的に参加したことや、その活動自体を当センターのホームページで発信していることを報告しました(詳しくは令和3年7月8日8月9日12月7日のトピックスをご覧下さい)。

    環境省からの報告では、希少な昆虫の雄雌ペアがネットオークションなどで、数十万円で出品されている現状や、夜間パトロールの時間帯を避けた採取者がいることなど報告されました。

    また、陸域だけにとどまらず、海域でもサンゴの密漁などが発生しており、一般通報でサンゴ密猟者の検挙に至ったことなどが関係機関から報告されましたが、そのきっかけとなったのは環境省が設置した看板だったのとのことで、看板(内容)が広く地元住民に知られていることや、看板があることで「知らなかった」などの言い逃れをさせないことが出来たとのことでした。

    サンゴについては、その生死に関係なく、空港への持ち込みも非常に多発しているとのことでした。

    最後に今回議論した内容を踏まえ、次年度以降も関係機関がさらに協力、連携して八重山地域の希少な動植物を密猟・密輸から守ることを全体で確認し会議を終了しました。


    八重山地域の希少な動植物を守るため活発な議論

     

    日付

    令和4年3月6日

    タイトル

    世界自然遺産地域をフィールドにした持続可能な観光の実現に向け議論
    ~奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域連絡会議令和3年度第2回西表島部会開催~

    コメント

    3月6日(日曜日)に、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域連絡会議 令和3年度 第2回西表島部会」が竹富町上原・中野わいわいホールを主会場にオンラインで開催され、当センター、沖縄森林管理署、環境省、沖縄県、竹富町などの行政機関、地元住民代表、エコツーリズムや観光関係団体ら44名、傍聴者5名が参加しました。

    当日の会議では、「西表島部会の設置要綱の改訂について」「世界遺産委員会の要請事項等への対応について(1河川再生、2森林管理、3ロードキル対策、4観光管理」などの議題について、事務局より提案説明が行われた後、各課題毎に議論が行われました。

    特に「世界遺産委員会の要請事項等への対応について」では、ロードキル対策、観光管理に関し、「沿道の草刈り直後のヤマネコのロードキルの発生事例を踏まえた新たな対策の必要性」「1日あたりの入域観光客数の設定についてそれぞれ分離して設定の可能性」「ガイド事業者の行動管理について、ルールの遵守に対するモニタリング体制の確保」など様々な意見・要望が出されました。

    最後に今回の議論内容を踏まえ、世界遺産委員会への対応や各種課題の整理解決に向け今後も取り組むことを全体で確認し会議を終了しました。


    様々意見が出された主会場

    日付

    令和4年3月5、7日

    タイトル

    マラリアの特効薬キニーネの原料「キナノキ」の生態を学ぶ
    ~「日本の薬用植物勉強会」が開催・西表小中学校にクソニンジンの苗を贈呈~

    コメント

    3月5日(土曜日)に、総合地球環境学研究所LINKAGEプロジェクト主催による「日本の薬用植物勉強会」が石垣市の竹富町役場仮庁舎ホールで開催され、当センターをはじめ、石垣市、竹富町、八重山戦争マラリア遺族会等が参加しました。

    勉強会では、昭和30年代半ばまで八重山地方で猛威を振るったマラリアの実態を背景に、主催メンバーの神戸女子大学非常勤講師・李春子氏から「マラリアから島民の命を守ったキナノキを象徴に、八重山地方の薬草を見直し、植物の力を未知なる潜在的な様々な可能性や未来に向けての希望のメッセージとして発信したい」と挨拶がありました。

    続いて、西表熱帯林育種技術園々長・千吉良治氏と武田薬品工業京都薬用植物園課長代理・坪田勝次氏を講師に、キナノキ栽培には厳しい八重山地方における温度管理や通気性等育成のポイントや、国内におけるキナノキの歴史や栽培の状況、苗木の繁殖方法や含有成分などの講演がありました。

    質疑応答では、参加者から挿し木苗による繁殖の活着率や母樹の扱い、また「戦争マラリアなど過去の歴史を伝えるためにも是非育ててみたい」など様々な意見質問が出されました。

    また、3月7日(月曜日)には、主催者メンバー(当センターも同行)は西表小中学校(仲地みゆき校長)を訪問し、八重山地方における薬用植物の重要性を説明し、キナノキ同様にマラリアの特効薬の成分を含むクソニンジンの苗を贈り、児童生徒にマラリアの脅威を語る「緑の伝道師」としての活用をお願いしました。

     

    クソニンジン:キク科、一年草、別名・ホソバニンジン、バカニンジン、独特の悪臭あり、用途・発熱,日射病,熱射病,寝汗やマラリアなどの清熱薬。特に含有成分のアルテミシニンはマラリアに効果を発揮し,2015年のノーベル生理学・医学賞につながった(出典:熊本大学薬学部 薬草データベースより)。


    八重山の薬用植物について学習

    キナノキについて説明する坪田講師

    西表小中学校を訪問し対応して頂いた仲地校長(右端)、池原教頭(右から2番目)と訪問した皆さん


    西表小中学校に贈られたクソニンジンの苗

    日付

    令和4年3月4日

    タイトル

    漂流・漂着ゴミの状況調査を実施(3月期)

    コメント

    3月4日(金曜日)、西表島の南風(はえ)見田(みた)・野原・ユチン・船浦湾内、船浦湾外・美田良の6調査地点において定点観測による3月期の漂流・漂着ゴミの状況調査を行いました。

    今回の調査の結果で、特に多く観測されているものは、ペットボトル、漁具などとなっています。ペットボトルについては、海外からのものがほとんどであり、ユチン・船浦湾外の観測地点にゴミが多く漂着していました。

    なお、ユチンの調査区外については、3月1日~3日まで海岸ビーチクリーン(3月1日のトピックス「ユツン海岸ビーチクリーン」を参照)が行われており、前回調査時に確認した時よりも遥かにゴミの量が減っていました。

    今年度は昨年度と比べゴミの量が増える結果となりましたが、漂流・漂着ゴミの多さに驚かされる1年でした。

    来年度も、各調査地点において漂流・漂着ゴミの定点観測による状況調査を継続することとしています。

     


    ユチン地点(漂着ゴミ)


    船浦湾外(漂着ゴミ)

    日付

    令和4年3月3日

    タイトル

    ポスターができました!!
    ~ルールとマナーを守って楽しもう世界自然遺産の森林~

    コメント

    昨年7月26日に奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島が世界自然遺産に登録されましたが、その大部分が国有林ということもあり、九州森林管理局計画課で各島毎の世界自然遺産登録を記念したポスター作成が進められており、先日、完成したポスターが届きました。

    西表島のポスターに使用されている写真については、3月1日(火曜日)のトピックス「写真撮影のすすめ」で記載しておりますが、全て職員が撮影したものです。

    また、「体感!西表島」「感動探索!西表島」の表現も在籍中のセンター職員の案が採用されたものです。

    今後、行政機関、観光関連機関、宿泊施設等にポスターを配布し、掲示を依頼することとしています。

    ルールとマナーを守って楽しもう世界自然遺産の森林

     

    「世界の宝を次世代に」 奄美大島
    「世界の宝を次世代に」 徳之島
    「やんばるの森」を守り伝えて次の世代へ 沖縄島北部

    体感!西表島

    感動探索!西表島

    日付

    令和4年3月2日

    タイトル

    西表島におけるノヤギ問題を関係機関で議論
    ~令和3年度第2回西表島ノヤギ対策連絡会議に出席~

    コメント

    令和3年7月27日(火曜日)のトピックスでお伝えしておりますが、3月2日(水曜日)に「令和3年度第2回西表島ノヤギ対策連絡会議」が石垣市の国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターを主会場にオンラインも併用し開催されました。

    今回の会議では、【令和3年度活動報告と令和4年度方針について】【適正飼育に向けた意見交換】が主な議題でしたが、林野庁は林野巡視による目撃・被害情報の把握(・巡視記録、各種調査データ集約・環境省との連携)で協力していくこととしているため、1月27日(木曜日)に実施した古見岳登山でのノヤギによるリュウビンタイやアワダンの食害について情報提供し、当センターのホームページで活動自体を発信していることを報告しました。

    環境省西表自然保護官事務所が実施したノヤギの緊急捕獲を兼ねた捕獲手法検討業務で、捕獲したノヤギは、令和3年12月13日から令和4年3月2日までで53頭に至り、捕獲に従事した地元猟友会曰く「氷山の一角にすぎない」との発言もあったとのことでした。

    また、捕獲した雌のノヤギが捕獲後に出産したとの報告もあり、自然下での繁殖が進行していることをうかがわせるものでした。

    最後に今後3年間の対策方針を出席した関係機関全体で確認し、西表自然保護官事務所の竹中上席自然保護官の「適正飼育と捕獲の両輪展開には、関係機関の連携・協力が必須」との閉会挨拶で会議を終了しました。

    決して、ノヤギに非はありません。


    活発な議論中


    捕獲された雄ノヤギ
    (写真提供:環境省西表自然保護官事務所)


    リュウビンタイの食害


    アワダンの食害

    日付

    令和4年3月1日

    タイトル

    ユツン海岸ビーチクリーン
    ~国立公園×国有林の連携事業の取組~

    コメント

    令和3年度から国立公園(環境省)と国有林(林野庁)の連携事業が開始され、西表島は重点地域に選定されており、各種連携した取組を実施しております。

    その取組の一つとして、【海岸漂着ゴミ等の対策】があります。今回は環境省事業であるユツン海岸ビーチクリーンが3月1日(火曜日)から3日(木曜日)まで実施されたことから、3月1日のクリーン活動に参加しました。

    ユツン海岸は、国有林(高那国有林202林班)でもあり、当センターの漂流・漂着ゴミの定点観測地点でもあります。

    今回、私は主にペットボトルの回収を行いましたが、あまりの漂着ゴミの多さに驚きをかくせませんでした。

    ペットボトルを回収し、蓋を開け、中身を出し、潰すという行為を一日中繰り返し、最初は様々な感情が生まれてきましたが、最後はもう無心でした。

    西表島は、地理的条件からとりわけ海外の漂着ゴミが多い傾向にありますが、日本全体でみた場合、多くの日本製のゴミが日本の各地の海岸に漂着していようです(以下URL参照)。

    【環境省による令和元年度海洋ごみ調査の結果について】

        https://www.env.go.jp/press/108800.html

    また、日本から出たゴミが海を漂流し、海外に漂着していることもあり得るのだなと感じ、決して日本人が海にゴミを捨てる行為において、意識が高いわけではないことを感じました。

    ペットボトルを回収する中で、海外のおそらくイケメン俳優、人気スポーツ選手がラベルを飾るものがありましたが、イケメン俳優も人気スポーツ選手も自分達がラベルになっているペットボトルがまさか漂着ゴミになるとは決して思っていなかっただろうなと思いました。

    人間の社会活動等で発生したゴミは、人間自らで片付けなりませんし、動植物を含めた自然界全体に迷惑をかけてはいけないことは誰もが当たり前に分かっていることだと思います。

    ペットボトルを灰皿代わりにし、吸い殻をペットボトルの中にいれているものもありました。

    ゴミは海に捨てるのではなく、ゴミ箱に。


    おびただし数の漂着ゴミ


    林内に入り込んだ漂着ゴミ
    (こうなると回収も大変)


    徐々にゴミがなくなってきた


    ペットボトルと発泡スチロールだけで
    1日でトン袋11個に

    日付

    令和4年3月1日

    タイトル

    標識(看板)は見えてこそ
    ~沖縄森林管理署と合同で標識(看板)の点検を実施~

    コメント

    西表島の国有林には保全管理と適正利用の側面から案内標識、注意標識など、沢山の標識(看板)が設置されています。

    1月27日のトピックス「古見岳登山」及び22日のトピックス「テドウ山登山」でも少しふれましたが、今年度は、その設置した標識(看板)の状況等を把握することを目的に沖縄森林管理署租納・大原森林事務所森林官と合同で標識(看板)の点検を実施しました。

    当初は設置数もそんな多くないだろう、簡単に点検も終わるだろうと思っていましたが、実際に点検を開始すると標識の大小にかかわらず、設置範囲は西表島全域にわたり、設置数も膨大であり、当初の予想に反し点検作業に沢山の時間を費やしました(今もあと数個(数カ所)点検が残っています)。

    普段は、“そこに以前からあるもの”として風景の一部として何気なく見ている標識(看板)ですが、しっかり点検することで、沢山の課題などが見えてきました。

    今後は、この点検結果を沖縄森林管理署と共有し、課題の解消も含め様々なことに活用出来ればと考えています。


    大原港の入り口に設置してある標識(看板)

    標識(看板)点検中

    日付

    令和4年3月1日

    タイトル

    写真撮影のすすめ
    ~初めからかっこいい写真なんて無理、“まずは撮影するクセ”をつけることから~

    コメント

    写真を撮影することが癖付いている職員は当センターの職員を含めても組織的に極わずか、私も数年前まで写真を撮影することが癖付いてない一人だった(その業務の担当が撮影すればいいことと思っていた)。

    例えば、会議が参集方式なら会議風景を、オンラインならその画面を撮影することは当たり前のように感じるが、これが出来ていそうでなかなか出来ていない。

    ここ西表島は、昨年7月に世界自然遺産に登録されたが、その前後で写真を求められる機会が増えてきたことから、今年度は、写真を沢山撮影することを年度当初からセンター職員全員の共通認識とした。

    撮影に慣れてきたら次は沢山撮影し、沢山撮影することに慣れてきたら次は画角等を気にかける。

    写真撮影のメリットは(わかりきったことを記載しますが)

    デジカメなので、フィルムと違い現像代や手ぶれを気にせず電池が続く限り何枚でも撮影が可能。

    職員全員で沢山撮影することで選択肢の幅が広がる。

    時系列の作成等が容易になり、記憶の呼び起こしのきっかけにもなり得る。

    撮影回数を重ねる毎に少しずつ美しい写真、かっこいい写真が撮れるようになる。

    言葉では伝わりづらい状況の説明が容易になる。

    色々な場面で撮影しておけば、写真を求められてから迅速な対応が可能。

    学校行事などに参加し、撮影した写真の提供が可能になり、かつ喜ばれることもある。etc.

    同じ景色、同じモノ、同じ方向からでも撮影者で全く違うものになり、撮影の出来不出来関係なく他者の感性や観点にハッとさせられることが多々あった。

    職員が転勤し、人が交代しても様々な場面で写真を沢山撮影するということは、当センターの“文化”として継続していくことを願うと同時に、転勤先でも写真撮影を励行することを継続し他者にも広めてほしい。

    現在、全職員で昨年度約1万2千点の写真だったものが、今年度は2月28日時点で既に3万点を超え、昨年度の約2.5倍となっている。

    共通認識が年度を通して浸透し継続された賜だと感じている。





    同じ日に同じタシロマメの木に咲いていた花を撮影しても四者四様

    日付

    令和4年2月24日

    タイトル

    アメリカハマグルマ駆除試験地の経過観察を実施 その3

    コメント

    令和3年12月16日(木曜日)のトピックスでお伝えしておりますが、当センターではアメリカハマグルマの駆除試験を実施しています(詳しくは令和3年12月16日のトピックスをご覧ください)。

    2月24日(試験後約2ヶ月)の経過観察時の天気は曇り時々雨で風が強かったです。帰所後、気象庁のホームページで気温を確認すると、当日の最高気温は17℃でした。本土からすると暖かく思われますが、2月の平均最高気温が20℃を超える西表島では、強風もあいまって上着が必要なほど肌寒かったです。

    試験区の状況については、重曹散布区ではアメリカハマグルマの新葉が繁茂しており、駆除効果は確認できませんでしたが、食酢散布区ではアメリカハマグルマの新葉があまり繁茂しておらず、駆除効果が確認できました。


    2月24日の重曹散布区
    アメリカハマグルマが繁茂し、
    地際が見えにくくなっている

    2月24日の食酢散布区
    アメリカハマグルマがあまり繁茂せず、
    地際が見えている

    日付

    令和4年2月22日

    タイトル

    特定観光資源の今後の姿描きつつ議論
    ~令和3年度 第1回 竹富町西表島エコツーリズム推進協議会開催~

    コメント

    2月22日(火曜日)に、「令和3年度 第1回 竹富町西表島エコツーリズム推進協議会」が竹富町離島振興総合センターを主会場にオンラインで開催され、当センター、沖縄森林管理署、環境省、沖縄県、竹富町などの行政機関、地元住民代表、エコツーリズムや観光関係団体、琉球大学等の有識者・専門家ら53名、傍聴者5名が参加しました。

    当日の会議では、「規約の改定と会員の追加について」「西表島エコツーリズム推進全体構想の協議状況及び修正点について」「令和4年度事業計画について」の議題について、事務局より提案説明が行われた後、各課題毎に議論が行われました。

    特に「西表島エコツーリズム推進全体構想の協議状況及び修正点について」「令和4年度事業計画について」の2点については、特定観光資源の維持管理を実績ある地元の団体での運営、登録引率ガイドの基準の適正なあり方、ツアー予約制度の抜け穴防止の進め方、ガイドの育成、ナイトツアーのルールなど多くの意見・要望がありました。

    最後に今回の議論内容を踏まえ、実行ある管理計画の改定に向け進むことを全体で確認し会議を終了しました。


    発言内容に聞き入る当センター職員

    画面をとおし各参加者が意見を述べる

    日付

    令和4年2月17日

    タイトル

    生長の早さに驚愕
    ~2年ぶりに海岸林自然再生試験モニタリング調査を実施~

    コメント

    当センターでは平成20年度に外来種であるギンネムが侵入した南風見田海岸沿いの国有林にて、防風・防潮の持続的な機能が発揮できる海岸林の再生を目的として4つの試験地を設定し、ギンネムを伐採したうえで、テリハボクやフクギなどの在来樹種を植栽し、植栽木の生長量などを毎年調査しています。

    令和2年度は諸般の事情により調査が実施できず、今回は2年ぶりの調査となりました。

    2月17日(木曜日)に今年度の調査を実施しましたが、当日は風がとても強く、最初は晴れていた天気も次第に曇り、最後には雨に降られながらの調査となりました。日差しがあると2月でも暖かい西表島ですが、この日は風と雨のせいで肌寒く感じました。

    下り坂の天気でしたが調査は順調に進行し、無事に樹高の測定や定点撮影等によるデータを収集することができました。

    2年間で樹高が2m以上伸びている植栽木もあり、生長の早さに驚くばかりでした。


    樹高を測定中

    植栽した樹木が大きく生長

    日付

    令和4年2月10日

    タイトル

    防火に対する日頃の心がけを大切に
    ~令和3年度石垣地方合同庁舎消防訓練に参加~

    コメント

    当センターの仕事のフィールドは西表島ですが、計画等を練ったり、現場で得たデータの集計や分析を行う事務所は石垣市にある石垣地方合同庁舎の1階にあります。

    石垣地方合同庁舎では、消防法に基づき防火管理業務について必要な事項が定められており、その一環として各入居官庁職員に対して年1回の防火教育及び訓練が実施されています。 

    コロナ禍以前は、入居官庁の職員が可能な限り参加して訓練が行われておりましたが、ここ数年は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から各入居官庁から1名の代表者が参加し、訓練の内容等を自分の官庁に持ち帰り伝達する形で行われております。 

    今年度も2月10日(木曜日)に防火教育及び訓練が実施され代表者全員で、防火シャッターや防火戸の作動確認、消火栓(ホース)の位置と使用方法及び避難経路等の確認を行いました。 

    最後に管理庁である那覇地方法務局石垣支局の担当者から「入居官庁の職員一人一人が自分の職場から、合庁から火事を出さないとの日頃の心がけを大切してほしい」との挨拶をもって今年度の消防訓練を終了しました。

    消防訓練終了後、事務所のコンセント差し込み口を掃除しましたが結構汚れており、定期的に掃除をしなければいけないと思ったと同時に日頃からの防火に対する意識付けが大切であることを改めて感じました。

    作動中の防火シャッターを全員で確認中


    日付

    令和4年2月10日

    タイトル

    観光利用を如何にコントロールするか
    ~第2回西表島の観光管理計画改定のための作業部会開催~

    コメント

    2月10日(木曜日)に、オンラインによる「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産 令和3年度 第2回 西表島の観光管理計画のための作業部会」が開催され、当センター及び沖縄森林管理署、環境省、沖縄県、竹富町などの行政機関、エコツーリズムや観光関係団体、琉球大学等の有識者・専門家ら34名、傍聴者9名が参加しました。

    当日の会議の主立った議題は、「持続可能な西表島のための来訪者管理基本計画」改定方針でした。

    議題の背景に、西表島は昨年7月に世界自然遺産に登録されましたが、ユネスコの諮問機関・国際自然保護連合(IUCN) から令和2年2月に策定された現行基本計画の入域者数の目標数値が指摘されており、今年12月1日までに改定を含めた世界自然遺産委員会への報告書の提出が求められています。

    会議の中では、西表島の自然環境と地域の伝統文化や暮らしを損なわない範囲内に観光利用のコントロールなどを柱に、参加者からは1日あたりの乗船者数を決めた入島制限の可能性、島内宿泊者優先の船便予約導入、船賃をシーズン毎に変えるピークカットの検討など来訪者数のコントーロールについて多数の意見が出されました。

    今後は、作業部会として3月に行われる西表島部会など各種会議での報告など行いつつ、豊かな自然と島の伝統的な文化や営みを守り、地域の持続的発展に寄与する管理計画改定に向け、更に検討を重ねていきます。


    発信内容に聞き入る当センター職員


    画面をとおし各参加者が意見を述べる


    日付

    令和4年2月9日

    タイトル

    西表島での自然環境教育カリキュラムって何?
    ~西表島島内の各小中学校でカリキュラム説明会を実施~

    コメント

    当センターでは、平成16年度に西表島島内の小中学校に自然環境教育にかかるアンケートを実施し、その結果を基に【西表島での自然環境教育カリキュラム(冊子)】を作成し、平成19年度に初版を配布し、平成23年度に改訂版を配布しています。

    令和3年3月に3年ぶりに開催した西表島における【自然環境教育推進のための連絡会議】において、出席した教職員などから「このカリキュラムの存在自体を知らなかった」、「カリキュラムがあることは知っていたが、内容が今も生きている情報なのかわからなかった」などの意見が出されました。

    これらの意見を踏まえ、今年度はコロナ禍ではありましたが、細心の注意をはらい西表島島内の各小中学校に直接出向き、教職員を対象に国有林を認識してもらうこと及びカリキュラム自体を再認識してもらうために当センターの概要説明を含めたカリキュラムの説明会を実施しました。

    説明会とあわせ、カリキュラムの活用を含む自然環境教育にかかるアンケートを実施し、カリキュラム内容の枠にとらわれない沢山の積極的な意見を頂きました。

    説明会の開催にあたり、学校側と連絡調整する中で、教育現場の目まぐるしい現状なども感じとることが出来ましたし、そういった現状も踏まえ頂いた意見を基に今後の西表島における自然環境教育の推進に努めて参ります。

    また、連絡調整いただいた各小中学校の校長先生、教頭先生、担当教諭の皆様にこの場を借りて感謝申しあげます


    令和3年5月12日西表小中学校

    令和3年8月26日船浦中学校

    令和3年8月26日白浜小学校

    令和3年8月27日船浮小中学校

    令和3年11月12日大原中学校

    令和4年1月13日古見小学校

    令和4年1月26日大原小学校

    令和4年2月9日上原小学校


    日付

    令和4年2月9日

    タイトル

    令和3年度西田川の利用状況調査(令和4年2月分)報告

    コメント

    2月9日(水曜日)今年度最後の西田川の利用状況調査を実施しました。

    当日の天候は天気予報では曇り、降水確率10%でしたので、雨は降らないだろうと思っていましたが、調査地点のサンガラの滝は、昼過ぎまで小雨が降り続いていました。

    さて、調査の結果ですが、カヌーツアー1組の5名(ガイド含む)で県外からの観光客でした。

    小雨でしたが、最近、雨の日が続いており、サンガラの滝の水量もとても多く、水の流れ落ちる音がともて大きかったです。

    なお、2月期の利用者数は、昨年度同月と比較して若干減少する結果となりました。

     


    サンガラの滝と観光客

    サンガラの滝





    日付

    令和4年2月8日

    タイトル

    アメリカハマグルマ駆除試験地の経過観察を実施その2

    コメント

    令和3年12月16日(木曜日)のトピックスでお伝えしましたが、当センターではアメリカハマグルマの駆除試験を実施しています。令和3年度は3つの処理区(無処理区、食酢散布区、重曹散布区)を設けてアメリカハマグルマの駆除効果を調査しています。

    2月8日(火曜日)の経過観察では、前回確認した1月24日の経過観察と比べて、重曹散布区ではアメリカハマグルマの再生が進んでいた一方で、食酢散布区ではアメリカハマグルマの再生はあまりみられませんでした。


    令和4年1月24日の食酢散布区


    令和4年2月8日の食酢散布区


    令和4年1月24日の重曹散布区


    令和4年2月8日の重曹散布区


    日付

    令和4年2月7日

    タイトル

    令和3年度ヒナイ川の利用状況調査(令和4年2月分)報告

    コメント

    2月7日(月曜日)ヒナイ川の利用状況調査を実施しました。

    当日の天候は曇り、車の外気温表示は午前10時時点で20℃、こちらの気候に慣れてしまうと内地では考えられませんが、20℃でもとても肌寒いです。

    さて、調査の結果は、カヌーツアー2組の5名(ガイド含む)で県外からの観光客でした。

    この時期は、例年利用者数が少ない閑散期ですが、コロナ禍でなお一層利用者数が少ないように感じます。

    なお、2月期の利用者数は、昨年度同月と比較して減少する結果となりました。

    今回も1月期と同様にピナイサーラの滝上まで林野巡視も行い、滝上から空撮による周辺環境調査を実施しました。

    無人航空機による撮影については、滝上及び滝壺の利用者がいないことを十分に確認し、細心の注意を払い無人航空機を飛行させています。

    また、国有林で無人航空機を飛行させる際は、事前に入林届が必要となりますのでご注意願います。
    国有林での無人航空機の飛行について、詳しくは以下のURLを参考にして下さい。
    https://www.rinya.maff.go.jp/kyusyu/okinawa/yousiki.html


    ピナイサーラの滝(上空から)



    日付

    令和4年2月2日

    タイトル

    画面を通し西表島の森林の魅力伝える その2

    コメント

    11月8日~9日のトピックスでお伝えしましたが、独立行政法人国際協力機構(JICA)沖縄国際センター主催のオンラインによる遠隔研修が2月2日(水曜日)に行われました。

    研修には、フィジー、ミクロネシア、フィリピン、ヨルダンの4カ国から5名(男性2名、女性3名)の研修生が参加しました。

    研修は、講師・研修生の自己紹介に続き、昨年11月8日~9日にかけて島内で撮影した講義ビデオの内容を基に、西表島におけるマングローブ林の台風の被害状況や現状の課題などを説明し、講義内容に対する質疑応答を行いました。

    質疑応答では、「どうやってマングローブの樹種を見分けるのか」と言う質問に対し、「マングローブは種類によって根の形等が違うことから見ただけでも種類が判別できること」を回答しました。

    また、他の研修生からは、台風によるマングローブ林の被害状況やマングローブの皮を染料としてドレスを染めていること等、自国の説明がありました。

    それぞれの国や地域によって文化の違いが感じられるとても有意義な研修となりました。

    独特な緊張感の中でのオンライン研修となりましたが、一日も早く新型コロナウィルス感染症が収束し、自然豊かな西表島での研修が再開されることを祈ります。


    画面を通じても文化の違いを感じることが出来た

    日付

    令和4年2月2日

    タイトル

    テドウ山登山
    ~テドウ山にもノヤギはいるのか??~

    コメント

    2月 2日(水曜日)当センター職員1名、沖縄森林管理署租納森林事務所森林官1名、環境省石垣自然保護官事務所職員1名、同省西表自然保護官事務所職員3名及び地元ガイド1名の7名でテドウ山登山を実施しました。

    テドウ山は標高441.2mあり、標高は一般的な本州の山地と比べ、低く登りやすいと思われるかもしれませんが、西表島で最高峰の古見岳(標高469.5m)と同様に道のりは結構険しいです。

    今回の登山の目的は、1.テドウ山登山道の標識(看板)の調査。2.最近、古見岳周辺で問題になっているノヤギの被害がテドウ山周辺まで及んでいるのか否か。3.来年度の船浦中学校三大行事「テドウ山登山」の自主的な事前踏査でした。 

    当日の天候は、登山開始直前まで小雨が降っていましたが、登山開始とほぼ同時に小雨も止み、その後は曇り時々晴れでした。

    ノヤギについては、登山開始地点付近のマーレのカヤック置き場で、雄のノヤギ2頭が目撃されおり、被害を心配しましたが、古見岳登山道周辺のような目立った植物の食害やフンは見当たりませんでした。

    ノヤギの食害等は見当たりませんでしたが、同行したガイドから「この辺りに希少な○○が群生していたが、今は数株ほどしかない」という情報があり、ノヤギ以外の様々な環境変化に結びつく要因が潜在していることに気づかされました。

    いつまでも希少な植物が沢山ある西表島であってほしいと思うと同時に、こういった希少な植物等を守っていくことも森林生態系保全の一環であると改めて感じました。

    なお、1月27日の古見岳登山のトピックスでも記載しておりますが、テドウ山も同様で西表島の森林に入る時は、目印があっても迷いやすい箇所があったり、西表島特有の気候もあり小川であっても降雨により急な増水が考えられるため、ガイドなどの経験者の同行をお勧めします。今回の登山も数名は、テドウ山登山の経験者です。

    また、国有林に入林する際は、事前に入林届や保護林調査届出の許可申請等が必要となりますのでご注意願います。
    国有林への入林について、詳しくは、以下のURLを参考にして下さい。
    https://www.rinya.maff.go.jp/kyusyu/okinawa/yousiki.html

    テドウ山山頂付近からの眺め


    山頂にある看板

    日付

    令和4年1月27日

    タイトル

    古見岳登山
    ~ノヤギを目撃??~

    コメント

    1月27日(木曜日)某人気マンガの○○兵団による壁外調査ではありませんが、当センター職員による古見岳登山を実施しました。

    この古見岳は標高469.5mあり沖縄県内でも最上位の標高で、西表島の最高峰です。

    登山などが趣味の方からすれば、標高は一般的な本州の山地と比べ低く登りやすいと思われるかもしれませんが、巷の口コミ情報等では“最強の低山”と書いてあったこともあり、道のりは結構険しいです。

    さて、今回の登山の目的は、1.最近、問題になっているノヤギの痕跡等調査。2.希少植物等の植生調査。3.来年度の大原中学校三大行事「古見岳登山」の自主的な事前踏査。4.林野庁で設置した標識(看板)の調査。5.写真撮影訓練。と様々でした。

    当日の天候は、快晴でこの時期では珍しく登山日和となりユツンから登り、相良に抜けるルートで登山を実施。ノヤギの痕跡等調査では、ノヤギ自体は目撃しませんでしたが、リュウビンタイやアワダンの食害やフンを数カ所で発見しました。

    険しい道のりではあったものの、苔むした石が並び屋久島を彷彿とさせる沢あり、名所の滝あり、ジャングルあり、絶景あり、希少な美しい植物やカラフルなカエル等にも出会え、かつ登山の達成感も味わえ、目的も達成できとても充実した1日となりました。

    なお、古見岳に限ったことではありませんが、西表島の森林に入る時は、目印があっても迷いやすい箇所があったり、西表島特有の気候もあり小川であっても降雨により急な増水が考えられるため、ガイドなどの経験者の同行をお勧めします。今回の登山も1名は、古見岳登山の経験者です。

    また、国有林に入林する際は、事前に入林届や保護林調査届出の許可申請等が必要となりますのでご注意願います。
    国有林への入林について、詳しくは、以下のURLを参考にして下さい。
    https://www.rinya.maff.go.jp/kyusyu/okinawa/yousiki.html

    出発前に入念な準備運動をする職員

    ノヤギによるリュウビンタイの食害

    ノヤギの痕跡(フン)?

    通称:ユツンの三段の滝

    三段の滝(上空から)

    古見岳山頂のヤマネコの石像

    古見岳山頂からの眺め

    コガタハナサキガエル

    キノボリトカゲ

    標識(看板)調査中

    日付

    令和4年1月24日

    タイトル

    アメリカハマグルマ駆除試験地の経過観察を実施

    コメント

    令和3年12月16日のトピックスでもお伝えしておりますが、令和3年度は3つの処理区(無処理区、食酢散布区、重曹散布区)を設けてアメリカハマグルマの駆除効果を調査しています(詳しくは令和3年12月16日のトピックスをご覧ください)。

    1月24日(試験後1ヶ月後)の経過観察では、試験開始時と比べて、重曹散布区ではアメリカハマグルマの再生がみられた一方で、食酢散布区ではアメリカハマグルマの再生はみられませんでした。


    試験地全体(手前右:食酢散布区、手前左:重曹散布区、奥:無処理区)

    1月24日撮影

    日付

    令和4年1月24日

    タイトル

    浦内川モクマオウ巻き枯らし試験地のモニタリング調査を実施

    コメント

    モクマオウは、高さ7~10m、ときには20mに達する常緑高木であり、日当たりの良い砂地を好み、海岸沿いに多く見られ、岩地・砂丘・河口のマングローブ林や草原、湿地、森林などに生育します。また、耐塩性に強く耐乾性ですが、耐寒性、耐陰性でないことから撹乱地に侵入しやすいとも言われています。

    西表島では、海岸沿いに防風林として植栽されたものが多く、その分布域を拡げています。しかし、強風に弱いため台風による幹折れ等で、白骨化したモクマオウがあちらこちらで見られます。

    最近では、西表島の浦内川河口において、マングローブ林内に侵入し、生態系への影響が懸念されています。

    当センターでは、平成29年度に周辺環境に影響を与えず、自然景観に配慮した駆除方法である巻き枯らし処理(樹皮を1周剥ぎ取る(今回の駆除では幅30cm)ことで枯死させる方法)を実施し、その経過をモニタリングしています。

    今回の調査では、巻き枯らし処理をした部分が再生しているモクマオウがあり、再び巻き枯らし処理を実施しました。

    巻き枯らし処理をしたモクマオウ試験木

    巻き枯らしをした部分が再生している

    日付

    令和4年1月17日

    タイトル

    仲良川のマングローブ林台風被害箇所を空撮によるモニタリング調査実施

    コメント

    仲良川のマングローブ林台風被害地のモニタリング調査については、最大風速65~70mの気象観測史上1,2位を記録した平成18(2006)年9月の台風13号及び平成19(2007)年9月の台風12号により、仲良川(西表国有林155い林小班・0.70ha)マングローブ林内にオヒルギなどの風倒木が大量に発生するなどの被害を及ぼし、約15年が経過しています。

    当センターは、被害地がどのように再生していくのか、毎年度定期的に地形や植生等の変化など目視観察と定点撮影等の調査を行っています。

    今年度は、昨年10月13日に被害地の現地調査を行い、中央部周辺の土泥化の進行やオヒルギ等の稚樹の発生の未確認等のデータを収集しました。

    今回は、ドローンによる空撮により被害地と周辺状況の変化等画像データを収集しました。

    空撮された画像からは、中央部分に水流が確認されるなどの情報が得られました。

    仲良川右手に発生している
    台風被害地箇所


    中央部分で水流が確認される


    日付

    令和4年1月14日

    タイトル

    「尖閣諸島開拓の日」記念式典に出席

    コメント

    1月14日(金曜日)、石垣市の市民会館中ホールにおいて、県内外から約50人が参加し「尖閣諸島開拓の日」記念式典が開催され、当センターからは下田所長が出席しました。

    式典は、石垣市長の式辞に続き沖縄県知事、石垣市議会議長、八重山市町会副会長がそれぞれ祝辞を述べた後、各政党等の出席者からあいさつがあり式典開催を祝いました。

    石垣市は「尖閣諸島開拓の日を定める条例」に基づき、尖閣諸島が歴史的にも日本固有の領土で市の行政区域である旨を発信しました。

    式典は今回で12回目。新型コロナウィルス感染症対策として、規模を縮小するとともに時間も短縮して行われました。


    式辞を述べる中山石垣市長


    日付

    令和4年1月12日

    タイトル

    令和3年度ヒナイ川の利用状況調査(令和4年1月分)報告

    コメント

    1月12日(水曜日)ヒナイ川の利用状況調査を実施しました。

    当日の天候は、時折晴れたり、霧雨がパラついたりしましたが、ほぼ曇り、車の外気温表示は午前9時30分時点で16℃、風はさほど吹きませんでしたが、沖縄地方の方言でムーチービーサー(鬼餅寒)の季節(厳しい寒さが到来する季節)とはよく言ったもので、「常夏」のイメージがある西表島ですが、とても肌寒かったです。

    さて、調査の結果は、カヌーツアー5組の17名(ガイド含む)で殆どが県外からの観光客でした。

    年間を通してピナイサーラの滝壺へのツアーが一番多いのですが、今回は、ピナイサーラの滝上及び滝壺ツアーが殆どでした(冬の時期になるとピナイサーラの滝上及び滝壺ツアーが増えるように感じます)。

    なお、1月期の利用者数は、昨年度同月と比較して増える結果となりました。

    今回は、ピナイサーラの滝上まで林野巡視も行いました。

    また、車での帰りの道中にカンムリワシに何度も遭遇しました。


    係留中のカヤック(下流の係留地点)

    帰り支度中(上流の係留地点)

    ピナイサーラの滝(滝上)

    ピナイサーラの滝(滝上からの景観)

    カンムリワシ

    カンムリワシ

    日付

    令和3年12月22日

    タイトル

    第5回西表島フィールドトイレ活用に関する連絡会議に出席

    コメント

    7月8日及び12月1日のトピックスでもお伝えしておりますが、西表島の自然環境の保全と適正な利用促進のため、ピナイサーラの滝などの西表島の自然体験フィールドでの携帯トイレやバイオトイレの活用などを目的に、12月22日(水曜日)19時から、西表島エコツーリズムセンターにおいてWebも併用し、「第5回西表島フィールドトイレ活用に関する連絡会議」が開催されました。

    今回の議題は、12月1日の意見交換会でのガイド事業者等の意見を基にした「ヒナイエリアでのフィールドトイレ協力金制度の導入について」でした。

    意見交換会と同様に今回も出席したガイド事業者等からは様々な意見が出され活発な意見交換の場となりました。

    「協力金」と言えど、ツアー料金とは別にお客様から”お金をいただく”ことについては、様々な意見があるのだなといつも実感させられます。


    フィールドトイレ協力金制度について議論

    日付

    令和3年12月22日

    タイトル

    治山のプロによる現地確認
    ~九州森林管理局治山課が西表島の治山施設を視察~

    コメント

    12月22日(水曜日)九州森林管理局治山課が西表島の治山施設を視察しました。

    治山事業自体は、沖縄森林管理署の業務ですが、森林生態系保護地域内にも治山施設があることから当センター職員1名も視察に同行しました。

    普段の森林生態系保全センターの業務では、あまり触れることない治山事業ですが、治山の専門家による現地視察での治山施設のあるべき姿や必要性、地元意見の把握、保全対象の方針や考え方の見解等を聞きとても新鮮かつ刺激になり、違った目線で見る大切さを感じた一日となりました。


    沖縄署治山担当者による本日の行程説明


    本年度施行箇所を確認中

    日付

    令和3年12月21日

    タイトル

    「西表財団」設立・始動へ
    ~西表島の豊かな自然と島の伝統的な文化と営みを守るための活動~

    コメント

    12月21日(火曜日)に、西表島の上原公民館においてWebも併用し、「西表財団設立準備会解散式」と「財団設立」を兼ねた会合が開催され、当センター職員2名がWebにて参加しました。

    2016(平成28年)「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産候補地地域連絡会議」の下に「西表島部会」が設置され、西表島が抱える様々な課題に継続的に対応していくためには、西表島に特化して課題解決に取り組む専任の組織が必要であるとの議論を踏まえ、2020年2月に「西表財団設立準備会」が立ち上がりました。

    準備会には行政機関、地元有志、関係団体、有識者等、約50名が参加し、7回の準備会、2回の役員選考委員会、設立時役員会、設立時理事会の合計11回に及ぶ会合を重ねて「西表財団」設立に向けた準備が進められてきました。

    当日は冒頭、「西表財団設立準備会」解散式が行われ、その中で「一般財団法人西表財団」設立の報告があり、設立準備会会長から西表財団理事長への引継ぎのあと、解散宣言が読み上げられ式は終了しました。

    その後、「一般財団法人西表財団」初の会合となる第1回理事会が開かれ、事業計画、収支予算等に関する審議が行われ全会一致で承認されました。

    「西表財団」設立に当たっては、財団の主旨に賛同する個人、企業、団体等からのクラウドファンディング等あたたかい資金提供を受け本年11月1日に「一般財団法人西表財団」として設立され、本日(12月21日)から本格的に始動となりました。

    今後は、西表島の抱える様々な課題解決に取組みながら、豊かな自然と島の伝統的な文化や営みを守り、地域の持続的発展に寄与する活動を実施していくことになります。


    「西表財団設立準備会」解散式



    西表財団設立準備会会長から
    西表財団理事長への引継ぎ


    「西表財団」第1回理事会


    議論に聞き入る職員

    日付

    令和3年12月16日

    タイトル

    アメリカハマグルマの駆除試験の処理区を設定

    コメント

    アメリカハマグルマは1970年代に沖縄の各地に、緑化用植物として持ち込まれ野生化しており、マングローブや海岸植生といった希少な自然環境に侵入し、在来種や生態系を脅かしています。

    当センターでは、アメリカハマグルマの繁茂が著しい稲葉地区の国有林において、低コストで自然に優しい駆除手法を平成30年から試みています。

    今回の試験は2m×2mのコドラートを3つ設置し、何も手を加えない無処理区、地際が見える程度に刈り払った後、水で薄めた食酢を散布する食酢散布区、同じく刈り払い後、水に溶いた重曹を散布する重曹散布区の3処理区を設定しました。また、刈り払ったアメリカハマグルマの量は8平方メートルのわずかな範囲にもかかわらず、70Lのポリ袋6つがいっぱいになりました。

    当センターでは今後、定期的に経過観察を行い、食酢と重曹によるアメリカハマグルマの駆除効果を調査していきます。


    アメリカハマグルマが繁茂する試験地


    刈り払うのも一筋縄ではいかない!


    食酢を散布中


    たった8平方メートルでポリ袋6個分の草量になった


    日付

    令和3年12月15日

    タイトル

    令和3年度ヒナイ川の利用状況調査(12月分)報告

    コメント

    12月15日(水曜日)ヒナイ川の利用状況調査を実施しました。

    当日の天候は晴れで、12月ですが晴れるととても暖かい西表島です。ヒナイ川を吹き抜ける風は冬の心地よい涼しさがあります。

    さて、調査の結果は、カヌーツアー9組の28名(ガイド含む)で殆どが県外からの観光客でした。

    ピナイサーラの滝壺や滝上へのツアーに参加した観光客からは、「とても楽しかった」「癒やされた」「感動した」等の声があがっていました。

    なお、12月期の利用者数は、昨年度同月と比較して若干増える結果となりました。


    帰りの途につく観光客とガイド


    ヒナイ川上流から


    係留中のカヤック(下流の係留地点)


    12月でも青々とした西表島の森林


    日付

    令和3年12月8日

    タイトル

    令和3年度西田川の利用状況調査(12月分)報告

    コメント

    12月8日(水曜日)西田川の利用状況調査を実施しました。

    通常、本調査は当センター職員2名で実施しておりますが、今回は沖縄森林管理署租納森林事務所の小崎森林官と調査を実施しました。

    昨年度は、12月4日に調査を実施し、雨と風も相まって20℃をきり肌寒かったですと記事を書きましたが、今回の調査時間中は晴天だったため、とても暖かかったです(調査終了後、駐車地点に戻った途端に雨が降り始めました)。

    さて、調査の結果ですが、カヌーツアー1組の19名(ガイド含む)で県外からの修学旅行生でした。皆それぞれにサンガラの滝を楽しく満喫しているよう見えました。

    人の歓声がするサンガラの滝と自然の音だけがこだまするサンガラの滝、同じ場所でもどちらも違った魅力があります。

    なお、12月期の利用者数は、昨年度同月と比較して増える結果となりました。


    サンガラの滝と修学旅行生


    流れ落ちる水しぶき(滝裏から)


    ガイドに聞き取り中のセンター職員


    サンガラの滝


    日付

        令和3年12月7日

    タイトル

        秋の希少野生動植物の密猟・盗掘等防止啓発活動を実施   
        ~「とる」のは写真だけ~

    コメント

    本当は、活動に参加した都度記事を投稿したかったのですが、筆下手な記事投稿者の私の性格等から、このようなまとめのお知らせ投稿となり、本当に申し訳ありません。って何のことかと申しますと、本年7月26日に世界自然遺産登録された西表島は、関係者の間ではマルバネクワガタ採集の「聖地」と呼ばれ人気を集めていると新聞記事の一節でみましたが、この時期、マルバネクワガタ等の特定の昆虫を求め沢山の昆虫採集者が来島し主に夜間に入林しています。この時期は夜間、森の中からヘッドライトなどの光が差したり、登山道の入り口などに沢山の車輌が停まっている光景は、その目的を知らない人が見たら異様な光景かも知れません。

    8月9日の記事でもお伝えしておりますが、昆虫採集者の大半は、所定の手続きを経た良識のある方達なのですが、目的の昆虫が高額で売買されるケースもあり、一部の者による良識外の過剰な採取や昆虫以外の西表島の希少な動植物を島外へと持ち出す傾向もあり、過去には昆虫採集のために立木等を損傷する行為も発見されていることから、昨年度から環境省、竹富町、八重山警察署、沖縄森林管理署、西表森林生態系保全センターが連携し、この時期は一定期間の夜間パトロールを実施しています。

    まず9月29日(火曜日)にWEBも併用した活動前の事前打ち合わせが実施され、10月15日(金曜日)から11月2日(火曜日)までの約3週間、ほぼ毎日、主要な地点での合同及び各機関の日替わりによる夜間パトロールを実施し、普及啓発活動として入林者に対して所定の手続きの説明、安全に対する注意喚起及びイリオモテヤマネコのロードキル防止等の注意喚起も合わせて行いました(合同パトロールや輪番パトロールに参加した度に記事を作成するのが目標でしたが前述したとおりです)。

    昨年度の夜間パトロールを経て抑止力向上を目的とし工夫した点は、8月と同様に各主要な駐車地点等にのぼり旗を設置、さらに数地点に監視カメラも設置し、パトロール実施直前に主催である環境省西表自然保護官事務所が地元紙へのプレスリリースを実施しました(プレスリリースした結果10月15日(金曜日)の合同パトロールの様子が地元紙に掲載されました)。

    また、12月7日(火曜日)に環境省西表自然保護官事務所でWEBを併用した活動の総括会議が実施され、「昨年度から合同で夜間パトロールを集中的に実施している成果が少しずつ現れてきているのではないか」、「夜間パトロールに参加した延べ人員や労力を算出してみてもいいのでは」等の意見が出されました。

    今後も密猟・盗掘の防止と普及啓発のために定期的に関係機関合同のパトロール等が実施される予定で、当センターも引き続き積極的に協力していく予定です。

    なお、国有林に入林する際は、事前に入林届や保護林調査届出の許可申請等が必要となります。当然のことながら届出や許可証があるからといって何をやってもいいということにはなりませんのでご注意願います。

    また、夜間の入林は、ヘッドライト等があったとしても昼間と比較して危険度が増すのは当然のことで、悪天候時などは、西表島特有の気候もあり小川であっても急な増水が考えられるため、入林を控えるようにお願いします。


    9月29日事前打ち合わせ(WEBにて参加)

    10月15日環境省職員と合同で入林者に普及啓発中

    10月19日この光景が西表島のあちこちで

    10月21日駐車車輌を確認する職員

    10月23日駐車車輌を確認する職員

    10月26日猛者だらけの聞き取り隊?待機中

    10月28日入林者に普及啓発中の職員

    10月29日昆虫採集者の活動時間が迫る中、
    煌々と光る赤色灯

    11月2日パトロール最終日に締めのあいさつを
    する環境省職員

    12月7日 WEBも併用し活動の総括会議中

    日付

    令和3年12月1日

    タイトル

    コロナ禍の入り込み調査
    ~令和3年度が8ヶ月経過して~

    コメント

    西表森林生態系保全センターでは、平成17年8月からヒナイ川及び西田川を利用するカヤックツアー等の利用実態について調査(通称:入り込み調査)を実施しています。

    調査回数については調査開始当初から変遷を経て、現在、ヒナイ川は毎月、ピナイサーラの滝へ通じるカヤック係留地において、西田川は2ヶ月に1回の割合で、サンガラの滝において、利用するガイド等への聞き取り調査を行っています。

    しかしながら、一昨年度から世界的に猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、令和2年度も数回、入り込み調査の実施を控えました。今年度は、5月のヒナイ川の入り込み調査を最後に調査の実施を控えておりました。

    今年度、沖縄県下においては緊急事態宣言期間が長期間にわたり緊急事態が日常化してしまいましたが、緊急事態宣言が解除された10月から入り込み調査を再開しております。

    なお、4月、5月、10月、11月のヒナイ川、西田川の利用者数等については、以下のとおりです。

    【ヒナイ川】※毎月調査
       【4月】4月14日(水曜日)調査実施:カヌーツアー11組44人(ガイド含む)
       【5月】5月20日(木曜日)調査実施:カヌーツアー8組32人(ガイド含む)
                                                         トレッキング1組2名(ガイドなし)
       【10月】10月15日(木曜日)調査実施:カヌーツアー15組82人(ガイド含む)
                                                            トレッキング1組1名(ガイドなし)
       【11月】11月30日(火曜日)調査実施:カヌーツアー2組9人(ガイド含む)
      ※6月~9月は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から調査実施なし

    【西田川】※2ヶ月おき調査(4月、6月、8月、10月、12月、2月に実施)
       【4月】4月15日(木曜日)調査実施:カヌーツアー1組5人(ガイド含む)
       【10月】10月6日(水曜日)調査実施:カヌーツアー1組5人(ガイド含む)
      ※6月、8月は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から調査実施なし


    4月14日帰りの途につく観光客とガイド(ヒナイ川係留地)

    4月15日サンガラの滝と観光客とガイド

    5月20日係留中のカヤック(ヒナイ川:下流の係留地点)

    10月6日時折、強い雨が降るサンガラの滝

    10月15日係留中のカヤック(ヒナイ川:上流の係留地点)

    11月30日ヒナイ川カヤック係留地点のミナミトビハゼ

    日付

         令和3年12月1日

    タイトル

    ヒナイ川での「フィールドトイレ協力金制度」導入に関する意見交換会に出席

    コメント

    7月8日の記事でもお伝えしておりますが、西表島の自然環境の保全と適正な利用促進のため、ピナイサーラの滝などの西表島の自然体験フィールドでの携帯トイレやバイオトイレの活用などを目的に、12月1日(水曜日)19時から、中野わいわいホールにおいて西表島フィールドトイレ活用に関する連絡会議主催による【ヒナイ川での「フィールドトイレ協力金制度」導入に関する意見交換会】が開催されました。

    今回の意見交換会は、竹富町観光案内人条例でヒナイ川地区での事業を希望している事業者約65社が対象のガイド事業者等との意見交換会です。

    議題については、「ヒナイ地区でのフィールドトイレの実施状況」及び「ヒナイ地区でのフィールドトイレ協力金制度の導入について」で、出席したガイド事業者からは様々な意見が出され活発な意見交換の場となりました。

    最後に今回出された意見を踏まえ、今後整理していくことを全体で確認し意見交換会を終了しました。



    フィールドトイレ協力金制度について意見交換


    日付

    令和3年11月25日~26日

    タイトル

    令和3年度森林・林業の技術交流発表大会にて発表
    ~西表島における自然環境教育の推進に向けた取り組みについて~

    コメント

    11月25日(木曜日)から26日(金曜日)にかけて、熊本県熊本市のくまもと県民交流会館パレアにおいて九州林政連絡協議会の主催による「令和3年度森林・林業の技術交流発表大会」が開催され、九州各県の森林、林業関係者や森林・林業を学ぶ高校生、九州森林管理局・署の職員など約300人が参加しました。

    この大会は、熊本営林局(現:九州森林管理局)の業務研究発表大会だったものを規模拡大し、九州各県の産学官の森林・林業関係者が日頃から取り組んでいる活動の成果を発表し、技術の交流や情報交換を行うことにより、森林・林業の活性化を図ることを目的に今年で27回目の開催となる歴史ある大会です。

    昨年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から事前にパワーポイントに台詞を録音し、WEBでの開催となりましたが、今年度は例年通りの参集方式での開催となりました。

    今年度も当センターは昨年度につづき森林ふれあい部門にエントリーし、「西表島における自然環境教育の推進に向けた取り組みについて」と題し、後藤専門官と春田主事が発表しました。

    発表の内容については、令和3年3月に3年ぶりに開催した西表島における自然環境教育推進のための連絡会議において、当センターが作成した「西表島での自然環境教育カリキュラム」(冊子)が時代の経過とともに認知度の低下や活用されていない現状が浮き彫りになったこと等から、西表島島内の小中学校やカリキュラムの支援機関に直接出向き、当センターの概要説明を含むカリキュラムの説明会を実施し、説明会から見えてきたカリキュラムの認知度の向上及び活用される為に何が必要で、かつ当センターの認知度が向上するには西表森林生態系保全センターとして主導する新たな取り組みが必要であることを発表しました。

    発表の感想として、昨年度は、パワーポイントに台詞の録音だったため、録音のやり直しが何回でも出来ましたが、今回は他者の前での発表です、言い間違いや言葉に詰まっても録音と違ってやり直しがきかない事は当然のことで、発表の際はとても緊張しました。

    賞は受賞出来ませんでしたが、講評で「待つのではなく、攻める姿勢が大変よかった」とのお言葉を頂き、目的としていたこちらから仕掛ける姿勢が伝わり、一定の評価をいただいたことを実感しました。

    今後も積極的に西表島島内の自然環境教育に関わり、国有林の使命や役割を地元から理解してもらえ「国有林があってよかった」と地域から言ってもらえるように努めると同時に、各発表者の様々な取り組みの成果を拝聴し、とても刺激になった2日間でした。




       ピナイサーラ滝上の景観を背景にした
    スライド表紙



    緊張しながら発表中

    日付

    令和3年11月24日

    タイトル

    漂流・漂着ゴミの状況調査を実施(11月期)

    コメント

    11月24日、西表島の南風(はえ)見田(みた)・野原・ユチン・船浦湾内、船浦湾外・美田良の6調査地点において定点観測による漂流・漂着ゴミの状況調査を行いました。

    西表島の海岸線に広がる海岸林は、防風・潮害防備保安林に指定され、住宅や田畑などを強風や潮風から守り、津波や高潮を弱める役割を担っていますが、漂流・漂着ゴミの影響で海岸林の生物多様性が低下しているのではないかと考え、平成21年4月から調査を実施しています。

    今回の調査の結果で、特に多く観測されているものは、ペットボトル、ビニール、プラボトル、発泡スチロールなどとなっています。ペットボトルについては、中国、台湾など海外からのものであり、ユチン・船浦湾外・南風見田の観測地点にゴミが多く漂着していました。

    今後も、各調査地点において漂流・漂着ゴミの定点観測を継続することとしています。



    ユチン地点(漂着ゴミ)


    漂着ゴミ(ペットボトル)

    日付

    令和3年11月18日

    タイトル

    令和3年度国有林野事業業務研究発表会で「西表樹木かるた」を用いた森林環境教育の普及啓発を発表

    コメント

    林野庁主催による「令和3年度国有林野事業業務研究発表会」が、新型コロナウィルス感染症の影響によりオンライン方式で、11月18日(木曜日)に開催されました。

    本大会では、全国7森林管理局から森林技術、森林保全、森林ふれあいの3部門に、ドローンを用いた層積検知の簡素化やシカ捕獲におけるICT通知システムの導入、VR技術を活用した森林ふれあい体験等の取り組みなど、多岐にわたる内容の21課題が発表されました。
    九州局からは、森林技術部門に森林技術・支援センター:「スギ無下刈り試験地におけるフォローアップ調査について」、森林保全部門に沖縄森林管理署:「低コスト芝生の作成と活用」、当センターから「西表樹木かるたを用いた森林環境教育の普及啓発」の3課題が発表されました。
    当センターの発表内容は、西表島の小学校における森林環境教育の現状把握と、新たな森林環境教育に係わる教材として開発した「西表樹木かるた」の試行とデータ収集、改良の経過と今後の方向性をまとめた取り組みについて発表しました。

    審査の結果は、林野庁長官賞最優秀賞他成績が発表され、当センターは全国森林レクリエーション協会会長賞を受賞しました。また、沖縄森林管理署も日本森林林業振興会会長賞を受賞しました。

    講評については、「現状把握、作成方針の決定、使用後の意見把握、意見を踏まえた改良版の作成という流れで、地域と関わり合いながらPDCAサイクルを実践しているのが特徴であり、学校の先生方も工夫しながら活用している状況がよく分かった。今後に向けては、今回作成したかるたが地域に定着するよう、フィールドでの活動とセットで使用できるようなプログラム全体の充実を図るなど、学校と連携しながら取り組まれることに期待する」とありました。

    最後に、当センターの発表に関しては、昨年来コロナ禍における厳しいスケジュールの中、アンケートや試作品の実演など取り組んでいただいた西表島の大原、古見、上原、白浜の4小学校と西表、船浮の2小中学校の教職員、児童生徒の皆さんのご理解とご協力に深く感謝いたします。


    リモートで発表会に参加する
    発表者の皆さん

    西表植物かるた(改良版)



    日付

    令和3年11月16日~18日

    タイトル

    波照間島でのGNSS測量に参加(OJT研修)

    コメント

    九州森林管理局では国有林の有する多面的機能を持続的に発揮させることができる管理経営、林業の技術革新の先導役や地域の振興等に応えられる職員の育成を図るとともに、個々の状況に応じた適切な判断・危機管理等にも対応できる「若手職員の人材育成」を推進することを目的に、局での研修や職場による日常的な研修(OJT研修)を実施しています。

    今回は、11月16日~18日にかけて沖縄森林管理署が実施した波照間島でのGNSS測量にOJT研修の一環として、当センターの春田主事が参加させていただきました。

    GNSS(Global Navigation Satellite System/全球測位衛星システム)測量とは4個以上の衛星から観測点までの距離を調べることで観測点の位置を決定するものです。従来の測量で行われる地点間の視準は行わず、受信機が衛星を受信することで位置を決定します。今回の測量では3台の受信機を用いて、通常のGNSS測量時に発生する誤差を消去し、より正確な位置情報を取得しました。

    波照間島到着後、まず測量時に使う三角点を捜索しました。三角点は地籍調査や各種測量などに使われるもので、緯度、経度に加えて高さの情報を持っています。三角点捜索後、波照間島の電子基準点を確認し、沖縄森林管理署西総括森林整備官から電子基準点や現在日本で使用している測地系について説明を受け、その後、各観測点に受信機を設置しました。視準のために伐開する必要がなく、設置した後は自動でデータを取得してくれるためとても扱いやすく感じました。観測後、次の観測点に受信機を設置し、観測を行うという今までとは全く違う測量のやり方に驚きながらの測量となりました。
    これまで経験してきた測量ではポケットコンパスを使う業務が多かったため、他の測量に触れる貴重な機会となりました。
    OJT研修の機会を与えてくださった沖縄森林管理署の皆様には深く感謝いたします。

    今後もOJT研修等を通して様々なことを学び、経験を積んでいきたいと思います。


    三角点捜索中


    ようやく三角点を発見


    波照間島の電子基準点


    衛星を受信中


    日付

        令和3年11月13日

    タイトル

        大原中学校三大行事「西表島横断」を支援

    コメント

    当センターでは船浦中学校と同様に大原中学校の伝統の三大行事(西表島横断、古見岳登山、仲間川筏下り)を毎年支援しています。
    今年の三大行事はこちらも「西表島横断」です。

    大原中学校の「西表島横断」も、1.郷土理解を図り、たくましく生きる知・徳・体を身につける。2.地域の人材と連携し、学校と地域で行事を創り上げる。3.生徒、教師、地域の方がお互いに協力し合い、協調性をやしなう。4.西表島の自然の素晴らしさを直接肌で感じさせることにより、自然への畏敬の念や保護する心を育てることを目的として3年に1度実施されています(生徒達は3年間の中で必ず1回「西表島横断」を体験することになります)。

    まず、1016日(土曜日)に教職員及び地元ガイド、保護者等の関係者有志による本番前の事前踏査が実施され、沖縄森林管理署大原森林官と当センター職員2名の計3名で参加しました。

    また、1112日(金曜日)は、横断本番前日の事前講話があり、当センターの後藤専門官、春田主事が講師となり、横断時の注意点や横断と海洋学習の繋がりなどについて講話しました。生徒達は、既に地元ガイド等から西表島の歴史を含めた横断道の歴史や横断道でみられる希少な動植物などの講話を受けていたため、当センター担当の講話は講話自体に身近さと面白みを含ませることをコンセプトにし、事前に大原中学校のホームページを確認し、学校の校訓、生徒会スローガン、各学年の目標(合い言葉)などや生徒達が好きそうなマンガの名言をちりばめ講話を実施しました。

    講話終了後、先生方から「講話すごく良かったです。熱意は生徒達に伝わっていますよ」とのお言葉をいただき少し泣きそうになりました。
    そして、いよいよ1113日(土曜日)の本番を迎え、大原森林官、沖縄森林管理署長、林野庁職員OB及び当センター職員全員4名の計7名で参加し、生徒、教職員、保護者、地元ガイド、支援機関総勢77名での西表島横断となりました。

    大原中学校は、西表島の東部に位置しているため、遊覧船出発地点の浦内川河口まで車で約1時間かかることから、中学校への集合時間は530分、545分に学校を出発、645分に浦内川河口の駐車場に集合し、集合写真撮影と出発集会を実施後、7時から遊覧船で30分かけて出発地点の軍艦岩に移動し、730分からゴールの大富口までの約12.2kmの険しい道のりの西表島横断の開始です。途中、マリュドゥの滝、カンピレーの滝を眺めながら順調に進み、イタチキ川合流地点でそれぞれに楽しい昼食を取り、昼食後は難所が連続しますが、事前講話で話した名言「トランキーロ!!あっせんなよ!!」を発する生徒もおり、急傾斜地や岩場など足場の悪いところではお互いに声を掛け合うなどし、滑ったり、転んだり悪戦苦闘しながらも参加者全員が無事ゴール。

    ゴール後、大富公民館で大盛りの八重山そば、おでん、沖縄ぜんざいなどがふるまわれた後、解団式が行われ、生徒のしゃがんだ時の「足、いてぇ~」は耳に残りました。気のせいではない足の痛さも含めて、生徒達の一生の思い出となる「西表島横断」となったようです。

    横断自体はとても過酷なものですが、目的にあるように学校、地域が連携、協力し創り上げる行事。これからもずっと続けて欲しいと思う「西表島横断」と同時に今後も当センターは三大行事を積極的に支援していきます。


    大原中学校校門前黒板「目指せ全員踏破!!」

    体力向上週間の標語が横断の過酷さを物語る

    センター職員による事前講話

    焦った時は「トランキーロ!!あっせんなよ!!」

    本番当日の出発前の記念撮影

    イタチキ川合流地点で楽しい昼食タイム

    頑張って歩きました

    大盛りの八重山そばやおでんに舌鼓を打つ職員

    日付

        令和3年11月10日

    タイトル

    西表小中学校「秋みつけ」で、わたしの秋!ぼくの秋!島の秋!色んな秋みつけました!

    コメント

    西表小中学校(仲地みゆき校長)は、祖納岳(西表国有林138は林小班)で1年生から6年までの小学部児童19名、教諭5名が参加し、学校行事「秋みつけ」が行なわれました。

    本行事は、西表島の様々な自然を児童自ら探索し、自然に親しみながら季節の変化に気づくことを目的に行われており、林野庁として沖縄森林管理署祖納森林事務所小崎森林官、国有林職員OB加島幹男さん、当センターから下田所長、永山森林生態系指導官の4名が講師として参加しました。

    現地到着後、小崎森林官から林内での行動の注意やオキナワウラジロガシなど代表的な樹木の説明を受けた後、いよいよ児童達は林内へ。

    児童達が元気に林内を散策する中、目的のひとつであったオキナワウラジロガシの大きなどんぐりは、イノシシに食べられてしまい見つけることにとても苦労しましたが、シイの実やキノボリトカゲを見つけたり、ゴムカズラの樹液を指で擦ってゴム状になることに驚いていました。

    また、センター職員らによる葉っぱの特徴や名前の由来などの説明に続き、質問コーナーでは見つけてきたキノコやカタツムリの名前、西表島のドングリの種類や樹木の雄花、雌花の違いなど沢山の質問が飛びだし賑やかな時間となりました。

    今回の行事をとおし、西表島の森の感動を沢山発見し体感した児童にとって、自然愛と地元愛を育む有意義なものとなりました。


    沢山の感動を発見した西表小中学校
    小学部1~6年生の皆さん

    元気いっぱいに林内を散策

    日付

    令和3年11月8日~9日

    タイトル

    画面を通し西表島の森林の魅力伝える

    コメント

    当センターは、独立行政法人国際協力機構(JICA)沖縄国際センターが行う研修の中の、「保護地域協働管理を通じた脆弱な沿岸・海洋生態系保全」コースの講義を受け持っています。これまでの研修では、通訳付きで海外からの研修生に対して、対面での講義とマングローブ林の視察を行っていましたが、新型コロナウィルス感染症の影響により昨年度は中止となりました。

    今年度は2022年1月~2月にオンラインによる遠隔研修となり、実施のためのビデオ撮影を11月8日~9日にかけて行いました。

    初日は石垣市にある国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターで、「マングローブ林及び森林の管理と利用」と題し、日本の森林や森林管理、西表島の森林と森林利用、西表島のマングローブ林及び当センターの役割を4つのコンテンツに分けて主に「西表島」に関連する説明を行いました。

    二日目は西表島の仲間川で、マングローブ林の主要な構成種であるオヒルギ、ヒルギダマシ、マヤプシキ並びにヤエヤマヒルギの説明、国有林の「森の巨人たち百選」に選定されているマングローブ林の副次的な構成種であるサキシマスオウノキを撮影後、仲間川展望台に移動し、西表島では海と陸が離れておらず、一体的な生態系を形成している特徴を説明しました。

    研修生ではなく、カメラを向けられる普段の講義では経験しない独特な緊張感の中での講義となりましたが、今回の研修を通じ今後の国際協力機構(JICA)活動に寄与することを期待します。



    オヒルギの撮影


    仲間川展望台から説明する下田所長


    日付

    令和3年11月2日

    タイトル

    船浦のニッパヤシ希少個体群保護林モニタリング調査を実施

    コメント

    船浦のニッパヤシ希少個体群保護林(上原国有林208は林小班)は自生地の北限として植物地理学上重要なものであり、国指定天然記念物となっています。当センターでは、ニッパヤシを取り巻く環境の変化や生育状況を把握することを目的に、船浦ニッパヤシ希少個体群保護林のモニタリング調査を実施し、平成28年3月に「船浦ニッパヤシ植物群落保護林最終報告書」が作成されました。その後は、毎年2回(6月期と11月期)周辺環境の変化等の定期的な調査を実施しています。

    令和3年11月期の調査は曇り空の中での調査となりました。6月期の調査と比べると幾分涼しく感じましたが、それでも西表島は暑く、着ていた胴長には汗が溜まる有様でした。

    調査内容は各株の葉の状態、幼葉の数を調査しました。6月期の調査と比べると枯れている葉は少ないように感じました。


    船浦ニッパヤシ群落

    ニッパヤシの種子

    日付

        令和3年11月1日

    タイトル

    仲間川のマングローブ林台風被害地モニタリング調査を実施

    コメント

    仲間川のマングローブ林台風被害地については、最大風速65~70mの気象観測史上1,2位を記録した平成18(2006)年9月の台風13号及び平成19(2007)年9月の台風12号により、支流域5.38ha(国有林外3.53ha、国有林内(南風見国有林173い林小班)1.85haの2箇所)で、マングローブ林内にオヒルギなどの風倒木が大量に発生するなどの被害を及ぼし、約15年が経過しています。

    当センターは、当該する国有林被害地がどのように再生していくのか、毎年度定期的に地形や植生等の変化など目視観察と定点撮影等の調査を行っています。

    今年度の調査結果については、被害地中央部周辺は蛇行する水流と土泥化が進行し、オヒルギ等の稚樹の発生は確認されませんでした。

    また、被害地林縁部では下流部を中心にオヒルギの稚樹の発生と成長が確認されました。


    林縁部にはオヒルギの稚樹の発生、
    しかし中央部は全く確認されない。

    満潮時の台風被害地
    (奥が仲間川本流)


    日付

        令和3年10月30日

    タイトル

        船浦中学校三大行事「西表島横断」を支援

    コメント

    当センターでは船浦中学校の伝統の三大行事(西表島横断、テドウ山登山、浦内川筏下り)を毎年支援しています。

    今年の三大行事は三大行事の中でおそらくもっとも過酷であろう「西表島横断」です(体験者によっては、テドウ山登山が西表島横断よりきついという方もおられます)。

    この「西表島横断」は、1.西表島の自然について理解を深め、守っていこうとする態度を養う。2.助け合う心、励まし合う心を育てることにより友情の輪を広げる。同時に目標達成に向かう忍耐力を養う。3.協力してくれた方々を通して感謝の心を育む。を目的として3年に1度実施されています(生徒達は3年間の中で必ず1回「西表島横断」を体験することになります)。

    まず、10月9日(土曜日)に教職員及び地元ガイド、保護者等の関係者有志による本番前の事前踏査が実施され、沖縄森林管理署租納森林官と当センター職員2名の計3名で参加しました。この事前踏査で危険箇所の把握やロープの設置、倒木等の除去を実施し生徒達が安全に横断できるようにします。記事投稿者の私は、地元ガイドの体力、歩行速度に感嘆しました。参加した林野庁職員は、入念な林野巡視及び参加した皆様の安全を確認していたということにして最後尾の1~3位を独占し堂々とゴール。タイムトライアルではありませんが、もっと体力を付けなければと痛感。

    生徒達は、事前踏査には当然、参加しませんが、事前学習として地元ガイド等から西表島の歴史を含めた横断道の歴史や横断道でみられる希少な動植物の講話を聞き横断に臨みます。

    そして、いよいよ10月30日(土曜日)の本番を迎え、天候は概ね曇り。時折晴れ間がさしたかと思えば、小雨、霧雨もまじり西表島らしい天候で、暑すぎず絶好の横断日和(晴天になると10月下旬とはいえ、ものすごく暑くなるので曇りが本当にベスト)となりました。本番当日は、租納森林官、沖縄森林管理署本署職員1名と当センター職員2名の計4名で参加し、生徒、教職員、保護者、地元ガイド、支援機関総勢91名での西表島横断となりましたが、林野庁職員である私たちは、事前踏査での皆様を見守る姿勢が目を引いたのか最後尾の5,6班とイタジキ川地点折り返し班の担当となりました。

    夜も明けきらない6時30分に浦内川河口の駐車場に集合、6時35分頃から出発集会及び全体写真を撮影、7時から遊覧船で30分かけて出発地点の軍艦岩に移動、7時30分からゴールの大富口までの約12.2kmの険しい道のりの西表島横断の開始です。子供達の体力を心配していたもののさすがに島っ子です。幼少の頃から西表島の大自然の中で育ち、日頃から通学や部活で鍛えた体力があるため難所もスイスイと身軽にクリア、終盤手前の中間広場で水遊びする生徒もおり、終始談笑しながらも、「頭上注意―!!」「足下注意―!!」「崖注意―!!」といった具合に互いに声を掛け合い歩ききり、参加者全員が無事ゴール。生徒達よりも、むしろ参加した保護者や教職員の方が疲労困憊の色が見え隠れしているように見受けました。

    19時過ぎから中学校近隣にある「ときめきホール」にて解散集会が行われ、生徒の代表が横断の感想や保護者や関係者への感謝を述べる姿は全員で行事を成し遂げたという達成感とともに感慨深いものがありました。

    中学3年生は、進学などの理由から卒業と同時に島を離れます(通称:島立ち)。中には、この三大行事が最初で最後の「西表島横断」になる生徒もいるかもしれませんが、子供達の一生の思い出になったと思います。

    西表森林生態系保全センターでは、西表島の自然環境教育にかかる地元小中学校の行事を積極的に支援しますので、是非お声がけ下さい。 


    事前踏査が初めての横断で疲労困憊の職員

    事前踏査を終えた教職員、関係者の皆さん

    本番当日の記念撮影

    いよいよ横断開始(軍艦岩付近)

    カンピレーの滝を横目に数珠つなぎに歩く

    途中の沢で一休み

    イタチキ川合流地点で楽しい昼食タイム

    解散集会(日も暮れて本当に一日がかりの行事)

    日付

        令和3年10月13日

    タイトル

    仲良川のマングローブ林立ち枯れおよび台風被害モニタリング調査を実施

    コメント

    仲良川のマングローブ林立ち枯れ(西表国有林146い林小班内)については、オヒルギがまとまって立ち枯れしている状況が平成21(2009)年に確認され、平成22(2010)年度から平成25(2013)年度まで原因究明のため調査を行い、土砂の流入が原因とする一定の見解を示し、平成26(2014)年度に最終取りまとめ、地元説明会を行っています。

    また、台風被害地については、最大風速65~70mの気象観測史上1,2位を記録した平成18(2006)年9月の台風13号及び平成19(2007)年9月の台風12号により、仲良川(西表国有林155い林小班・0.70ha)マングローブ林内にオヒルギなどの風倒木が大量に発生するなどの被害を及ぼし、約15年が経過しています。

    当センターは、両被害地がどのように再生していくのか、毎年度定期的に地形や植生等の変化など目視観察と定点撮影等の調査を行っています。

    今年度の調査結果については、マングローブ林立ち枯れ箇所周辺でオキナワアナジャコのシャコ塚による土砂の堆積や複数本の新たなオヒルギ枯損木を確認しました。

    台風被害地箇所では、中央部周辺は土泥化が進行し、オヒルギ等の稚樹の発生は確認されませんでした。また、被害地下流域周辺の林縁部ではオヒルギやヤエヤマヒルギの稚樹の発生が確認されました。


    15年が経過した台風被害箇所の状況

    足場の悪さに悪戦苦闘しながら調査する職員


    日付

        令和3年10月4日

    タイトル

    浦内川のマングローブ林立ち枯れモニタリング調査を実施

    コメント

    西表島の浦内川及び仲良川流域の一部のマングローブ林(国有林内)において、オヒルギがまとまって立ち枯れしている状況を平成20(2008)年に浦内川で、平成21(2009)年に仲良川で確認しました。

    当センターは、平成22(2010)年度から平成25(2013)年度まで両河川の立ち枯れ被害箇所で原因究明のため調査を行い、土砂の流入が原因とする一定の見解を示し、平成26(2014)年度に最終取りまとめと地元説明会を実施した経過があります。

    平成26(2014)年度以降は、この被害地がどのように再生していくのか林内および周囲の状況の経過観察を毎年行っています。

    今回(令和3(2021)年度)は浦内川沿いのマングローブ林立ち枯れ4箇所の植生等の変化を観察し、定点撮影箇所の画像データ等を収集しました。

    一部の立ち枯れ箇所では、これまで土砂の堆積が進んでいましたが、気象や河川の変化等原因は確定できていませんが、土砂の流出が確認されました。


    オヒルギ立ち枯れ木の状況

    定点撮影箇所の補修


    日付

       令和3年8月30日

    タイトル

    観光管理、森林管理など4課題への対応を確認
    ~第1回「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域連絡会議」開催~

    コメント

    8月30日、令和3年度第1回奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域連絡会議がオンラインにより開催され、沖縄、鹿児島両県、竹富町長をはじめとする関係12市町村首長、環境省、林野庁等関係行政機関が出席しました。

    会議では、7月の世界自然遺産登録正式決定に伴い、登録された区域の保護管理に向けて、ユネスコの諮問機関・国際自然保護連合(IUCN)から指摘のあった観光管理、ロードキル対策、河川再生、森林管理の四つの要請事項について、沖縄県等担当行政機関で分担し、現況や対策の進展などをまとめ来年12月までに世界自然遺産委員会に報告することを確認しました。

    また、7月に世界自然遺産に登録されたことに伴い、これまで活動してきた世界自然遺産候補地地域連絡会議の名称を世界自然遺産地域連絡会議に変更しました。

    最後に、関係する12市町村の全首長から、今回の世界自然遺産登録に対する各自治体の期待と力強い意気込みが述べられ終了しました。


    全12関係市町村首長が出席



    日付

    令和3年8月25日

    タイトル

    今年も船浦中学校職場体験を受け入れ

    コメント

    西表森林生態系保全センターでは、昨年度から沖縄森林管理署租納森林事務所と共同で竹富町立船浦中学校1年生の職場体験を受け入れています。

    今年度も8月25日(水曜日)に大谷寧々さんと下山心夏さんの2名の職場体験を受け入れました。

    この職場体験学習は、船浦中学校で毎年実施されており、1,実際に職業を体験することや、働く人々からそれぞれの職業について話を聴くことにより、望ましい職業観や勤労観を身につける。2,主体的に課題を見つけ、解決する能力を身につける。3,社会的に必要な常識やマナーなど「他との関わり方」を学ぶという3つのことをねらいとし、西表島にある会社等に数名ずつに分かれて職場体験が実施されています。

    生徒たちは、職場体験当日までに、働くとはどういうことかや職業について事前に調べ、職場体験をするにあたってのマナー講習を受講して臨んでいます。

    職場体験当日は、沖縄森林管理署や当センターの業務概要を簡単に説明した後に、標識(看板)の点検を兼ねた林野巡視及びコンパス測量、図面作成の実習を実施しました。生徒達は、8月の暑い中の業務でしたが、暑さにも負けず、真剣に業務に取り組んでいました。

    昨年度同様、当日の生徒の真剣に学ぶ姿勢もそうでしたが、事前にあった当日の業務内容等の電話確認や聞き取りの際の言葉づかいもとても丁寧でした。暑い中での職場体験、本当にお疲れ様でした。

    西表森林生態系保全センターでは、地元の小中学生の職場体験を受け入れておりますので、是非お声がけ下さい。


    自分たちがいる場所を図面で確認


    看板の内容等を丁寧に野帳に書き込み中


    ドローンでの記念撮影


    コンパス測量中


    気泡を目印に合わせて水平に


    測量データを入力中



    日付

    令和3年8月9日

    タイトル

    西表島における希少野生動植物の密猟・盗掘等を防止するための普及啓発活動を実施

    コメント

    7月8日(木曜日)の記事でお伝えしておりましたが、今年も西表島の希少な動植物を守るために、環境省、竹富町、八重山警察署、沖縄森林管理署、当センターが連携し、7月の四連休をかわきりに合同パトロールを予定しておりましたが、台風6号が襲来したため、やむなく中止としました。

    仕切り直しとばかりに8月7日(土曜日)、9日(月曜日)に今年度最初の各関係機関合同のパトロールを実施しました。当日は、昆虫採集と思わしき車輌等はあまりありませんでしたが、パトロールをしながら観光客に普及啓発のチラシを配布し、あわせて各主要なポイントに【とらないで西表島の希少な動植物】【密猟・盗掘監視強化中】といった工夫を凝らしたのぼり旗を設置し、今回の合同パトロールを終了しました。

    なお、今後も定期的に各関係機関合同のパトロールを実施することにしています。


    のぼり旗を設置(西表島東部)

    観光客に普及啓発のチラシを配布し説明中


    パトロール中(西表島西部)

    パトロール中(西表島西部)


    日付

    令和3年7月27日

    タイトル

    「さぁ、世界へ」~奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島 世界自然遺産登録決定~

    コメント

    オンラインで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第44回世界遺産委員会は、令和3年7月26日、日本時間18時40分過ぎに日本政府が推薦した「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」を世界自然遺産に登録することを正式に決定しました。

    国内の自然遺産では、屋久島(鹿児島県)、白神山地(青森、秋田県)、知床(北海道)、小笠原諸島(東京都)に次ぐ5件目の登録となります。

    日本の国土の0.05%に満たない面積に絶滅危惧種95種を含む多くの動植物が生息・生育しており、国際的に生物多様性の保全上重要な地域であることが高く評価されましたが、ひとえに自然との共存を大事にし、地元の方が脈々と守り継いできた自然環境の賜だと感じました。

    また、現在、日本で世界自然遺産に推薦されている他の地域はなく、沖縄・奄美が国内で最後の世界自然遺産になるとみられています。

    7月27日の地元紙では、紙面の多くが世界自然遺産登録関連の記事であり、関心の高さは言うまでもありませんが、必ずしも世界自然遺産登録に賛成の意見だけではなく、様々な意見があることも事実でありこのことをしっかりと受け止めなければなりませんし、「世界自然遺産登録は“ゴール”ではなく“スタート”」と多くの方が言っていますが、本当にそうだと感じます。

    私たちには、過去から受け継いだ世界に誇れる自然を未来に繋ぐ責任がります。

    今後も関係行政機関等と連携し、西表島森林生態系保護地域における貴重な森林生態系の適切な保全管理と利用に努めたいと思います。

    世界が感動する、琉球の自然。さぁ、世界へ


    さぁ、世界へ(ポスター)

    日付

    令和3年7月27日

    タイトル

    令和3年度第1回西表島におけるノヤギ対策連絡会議開催!

    コメント

    西表島における飼いヤギの適正飼育に関する条例制定とノヤギの防除手法・体制の確立などを目標とする「第1回西表島におけるノヤギ対策連絡会議」が7月27日(火曜日)9時半より、石垣市・環境省国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターにおいて開催され、当センターをはじめ、大原森林事務所、環境省、沖縄県、竹富町、猟友会等関係団体などの関係者と沖縄森林管理署等Web参加を含む25名が出席しました。

    会議は、ノヤギに関する情報共有(目撃、被害状況、令和2年度捕獲結果、奄美大島や小笠原における対策事例等)や対策を進める上での課題等について説明があり、各機関からのノヤギの行動範囲や島内の推定頭数など質問や意見交換等が行われました。

    最後に、今後取り組みを進めていく上で、更に連携を深めていくことを全体で確認し終了しました。

    ノヤギ対策等について意見交換
      

    日付

    令和3年7月8日

    タイトル

    西表島における希少野生動植物の密猟・盗掘等を防止するための普及啓発活動の事前会議を開催

    コメント

    西表島は、亜熱帯性気候やその成り立ちから特有な野生動植物が分布しており、それらの動植物がこれまで島外へ持ち出されてきました。

    昨今は、島内のほぼ全域が国立公園へ指定、林野庁の定める森林生態系保護地域の範囲も拡張され、また、竹富町自然環境保護条例の改訂により指定動植物が選定されたほか、国内希少野生動植物種も新たに数種が指定されるなど保護体制にあります。

    このような中、特に春、夏、秋の特定の昆虫が発生する時期に採集者が多くなっています。

    昆虫採集が主たる目的ではあるものの、一部の採集者は希少な植物、甲殻類や両生爬虫類などほかの生き物も採集して持ち帰る傾向がみられています。

    また、主要な昆虫採集のポイントは、ほとんどが国有林の西表島森林生態系保護地域内となっているため、入林や調査には許可申請が必要となっています。

    このことから、今年度も関係行政機関による希少野生動植物の密猟・盗掘等を防止するための普及啓発活動を実施するべく7月8日(木曜日)環境省西表野生生物保護センターにおいて活動前の事前会議が開催されました。

    会議では、昨年度の活動結果等を踏まえた今年度の実施内容の提案や確認など、関係行政機関による白熱した議論が展開されました。

    今後は、この会議結果に基づき、希少な動植物を守るために港での啓発活動や主要地点の合同巡回パトロールを強化し行っていくこととしています。


    啓発活動の実施内容等を確認中



    日付

    令和3年7月8日

    タイトル

    西表島の自然環境の保全を守るために!フィールドトイレの活用を!

    コメント

    西表島の自然環境の保全と適正な利用促進のため、ピナイサーラの滝などの西表島の自然体験フィールドでの携帯トイレやバイオトイレの活用などを目的に、7月8日(木曜日)18時より、西表島エコツーリズムセンターにおいて「第3回西表島フィールドトイレ活用に関する連絡会議」が開催され、当センターをはじめ、環境省、竹富町、西表島エコツーリズム協会、西表島カヌー組合などの関係者と沖縄森林管理署および租納森林事務所、沖縄県等Web参加を含む18名が出席しました。

    会議は、目的にバイオトイレを加えた連絡会規約の改正、ヒナイエリアでのフィールドトイレの実施状況および検討課題等について議論されました。

    議論の中では、バイオトイレについて、新型コロナウィルスの対応やメンテナンス、試験期間の検討等について様々な意見が出されました。

    最後に、今後のフィールドトイレの活用促進等普及啓発を、更に進めることを全体で確認し終了しました。

    フィールドトイレの活用等について意見交換

    日付

    令和3年6月30日、7月5日

    タイトル

    森の巨人たち百選、巨樹・巨木モニタリング調査を実施

    コメント

    林野庁では平成12年(2000年)に、全国の国有林内に生存する巨樹・巨木を、国民共有の財産として将来にわたって保全していくため、代表的な巨樹・巨木を「森の巨人たち百選」に選定しました。

    九州森林管理局管内では、当初20本の巨樹・巨木が選定されていましたが枯死等により、現在縄文杉など18本が選定されています。

    その中で、西表島の国有林内に生育する「仲間川のサシマスオウノキ【樹高:23.9m、幹周:374cm、樹齢:400歳 (推定)】」「ウタラ川のオヒルギ【樹高:8.4m、幹周:312cm、樹齢:400歳(推定)】」の2本が選定されています。

    当センターは、平成17年(2005年)から毎年、両巨木のモニタリング調査を実施しています。

    今年度も6月30日に仲間川のサキシマスオウノキ、7月5日にウタラ川のオヒルギを調査し、樹高、胸高直径などの生育具合や周りの植物の発生状況、林内への光の入り具合などを計測しました。

    また、仲間川のサキシマスオウノキについては、幹に着生したアコウの成長や以前からタカサゴシロアリの営巣などが確認され、ウタラ川のオヒルギについては、樹幹内の腐朽が著しく進んでいることも確認されました。2本の巨木とも老齢であり、今後樹木の樹勢はじめ生育環境等を注視していく必要があります。

    仲間川のサキシマスオノキ【樹高計測】
    仲間川のサキシマスオノキ【樹高計測】

    ウタラ川のオヒルギ【植生調査】


    日付

    令和3623日、77

    タイトル

    船浦のニッパヤシ希少個体群保護林モニタリング調査を実施

    コメント

    船浦のニッパヤシ希少個体群保護林は自生地の北限として植物地理学上重要なものであり、国指定天然記念物になっています。当センターでは平成17年以降継続的にモニタリング調査を行っており、平成28年以降は毎年、年2回調査(6月期と11月期)を実施しています。

    令和3年6月期の調査は天候の影響もあり、2回に分けて調査を実施しました。

    調査内容についてはニッパヤシの葉の状態、幼葉の数、光環境(開空度調査)、地盤高の変化を実施しました。今回の調査では幼葉の枚数が66枚だった一方、枯死した葉の枚数が200枚以上と特に多くなりました。


    調査風景(葉の状態調査)

    ニッパヤシの花


    日付

    令和3年6月21日~22日

    タイトル

    前良川および後良川のマングローブ林モニタリング調査を実施

    コメント

    当センターは、西表島に生育するマングローブ林の保全・保護活動に資することを目的に、島内7箇所に調査箇所を設定し、マングローブ林の生育状況や生育環境がどのように変化するのかなど、これからの隆替を知るモニタリング調査を継続的に行っています。

    今年度のモニタリング調査は、5調査区域が該当し、今回前良川流域の古見国有林193い林小班および後良川流域の古見国有林196ろ林小班の2区域を調査しました。

    今回の2調査区域と5月に調査を行った与那田川流域の調査区域については、平成27年(2015年)に10m✕10mの調査区を設定し3年おきに調査を行っています。

    調査内容については、調査区内のオヒルギ、ヤエヤマヒルギの樹高、胸高直径などの生育状況、稚樹の発生状況、光環境(開空度調査による)の変化、地盤高の変化などについて実施しました。


    前良川調査区内の状況

    後良川調査区の状況

    日付

    令和3年4月19日~20日、26日~27日、5月10日~12日

    タイトル

    浦内川および与那田川のマングローブ林モニタリング調査を実施

    コメント

    当センターは、西表島に生育するマングローブ林の保全・保護活動に資することを目的に、島内7箇所に調査箇所を設定し、マングローブ林の生育状況や生育環境がどのように変化するのかなど、これからの隆替を知るモニタリング調査を継続的に行っています。

    今年度のモニタリング調査は、5調査区域が該当し、今回浦内川流域の上原国有林103ろ(1区)、102ろ(2区)林小班および与那田川流域の西表国有林138ろ林小班の3区域を調査しました。

    調査内容については、オヒルギ、ヤエヤマヒルギの樹高、胸高直径などの生育状況、稚樹の発生状況、光環境(開空度調査による)の変化、地盤高の変化などについて実施しました。


    浦内川1調査区内の状況

    浦内川2調査区の満潮時の状況

    お問合せ先

    西表森林生態系保全センター

    ダイヤルイン:0980-88-0747