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東京事務所

小笠原固有の生態系を保全・修復するための取組

小笠原諸島森林生態系保護地域は、国有林野の保全管理に当たり、小笠原諸島の特異な森林生態系を後世に残すために設定しました。この地域では、原則として人手を加えずに自然の推移に委ねることとしていますが、保全・修復に必要な行為は行うこととしています。

(1)希少野生動植物の保護

小笠原諸島森林生態系保護地域には、絶滅が危惧される希少な野生動植物が多く生息・生育しています。これらの希少野生動植物を保護するため、巡視、生息・生育地の環境整備等を行っています。

 

(ア)巡視等

父島及び母島の国有林において、父島2名、母島2名の自然保護管理員により、種の保存法で指定されたメグロ、オガサワラノスリ等の鳥類4種、ムニンツツジ、ムニンノボタン、アサヒエビネ等の植物12種等について、監視及び記録を行っています。

また、母島において、桑の木山等22カ所に設置した人工水場の定期的な水の補給等の管理を行っています。

 

メグロ

メグロ2(人工水場を利用するメグロ )

オガサワラノスリ

メグロ2 

メグロ2 

のすり2 

アサヒエビネ

ムニンツツジ

ムニンノボタン

アサヒエビネ 

 ムニンツツジ

ムニンノボタン 

      

(イ)調査

アカガシラカラスバトについては、現在、生息状況等がよくわかっていません。それらを解明するため、標識(足輪)の装着や繁殖期等において専門家による生息状況等の調査を行っています。
オガサワラカワラヒワについても、平成21年度に生息調査等を行います。

 

アカガシラカラスバト1

アカガシラカラスバト2

オガサワラカワラヒワ

 アカガシラカラスバト1

 アカガシラカラスバト2

 オガサワラカワラヒワ

 

(ウ)生息・生育地の環境整備

平成14年度に、アカガシラカラスバトの生息環境等を保全するとともに、生息域への立ち入りルールを確立するため、父島桑の木山国有林約28ヘクタールを「東平アカガシラカラスバトサンクチュアリー」に設定しました。このサンクチュアリーについては、「整備及び管理に係る協定」を締結している小笠原自然観察指導員連絡会等により、アカギ、モクマオウ等の駆除、看板の設置・補修、巡視等が行われています。

  

サンクチュアリー(MAP)

サンクチュアリー (入口)

サンクチュアリー (泥落とし等)

 サンクチュアリー3

 

 入口とカウンター

入林カウンター

サンクチュアリ泥等落とし 

新たな外来種の侵入防止対策

(2)固有生態系の修復(外来植物の駆除)

平成21年度においては、外来植物のアカギについて、母島の石門や桑の木山等で約11ヘクタール駆除しました。また、モクマオウ等について、兄島で約8ヘクタール駆除しました。

 

 

アカギ

モクマオウ

ギンネム

アカギ2

モクマオウ

ギンネム1

アカギ3

巻き枯らし

モクオウ2

伐倒

ギンネム2

抜き取り

 

 

 

 (3)空中写真による外来植物の分布状況の解析等

空中写真判読及び現地調査を行い、アカギ、モクマオウ、ギンネム等の分布状況を把握し、駆除に役立てます。

平成21年度は、父島列島及び母島本島について、平成20年度撮影の空中写真を基に侵略的外来植物の分布図等を作成しました。この分布図については、平成22年9月14日付けのIUCNからの書簡で、追加情報として要請され11月15日に提出しました。
平成22年度は、母島属島、聟島列島、火山列島等を対象に外来植物分布図等を作成しています。

 

●IUCNへ11月15日に提出した侵略的な外来植物分布図一覧
(提出したのは英語版ですが、ここでは日本語版で紹介します)

 

分布図の内容

父島・西島・東島

・南島

兄島・弟島・孫島

母島

分布が確認できた侵略的な外来植物

全種(PDF:5,629KB)

全種(PDF:3,329KB)

全種(PDF:4,413KB)

主な樹種毎

モクマオウ(PDF:5,399KB)

モクマオウ(PDF:3,232KB)

モクマオウ(PDF:2,732KB)

 

アカギ(PDF:4,101KB)

 -

アカギ(PDF:3,740KB)

 

ランタナ(PDF:2,218KB)

ランタナ(PDF:1,432KB)

 -

 

リュウキュウマツ(PDF:4,678KB)

リュウキュウマツ(PDF:2,675KB)

リュウキュウマツ(PDF:2,475KB)

 

ギンネム(PDF:3,949KB)

ギンネム(PDF:3,783KB)

 

  【外来植物分布図を作成するに当たっての考え方及び分布図の精度等】

    ●分布図は、小笠原諸島生態系保全アクションプラン(世界自然遺産の推薦書に添付)の侵略的な外来種を対象に空中写真の判読や現地踏査に基づき作成しました。(分析の対象としたものの、空中写真や現地踏査で確認できなかった外来種もあります。確認できた外来種は表の「全種」に表示しています。)
    ●外来植物の判読は、単木を対象とせず、ほぼ一様な外来植物がまとまっている「林分」を単位として区画しています。判読による最小区画面積は、概ね0.1ヘクタールを基準として区画しました。また、上層林冠しか写っていないため中層及び下層を構成する外来植物は区画していません。これら外来植物分布図を駆除対策等で利用するに当たって、前提条件を整理し、「留意点」として分布図の中に記載しています。
    ●木本の外来植物については、林地面積に対する樹冠被覆部分の面積率により「樹冠疎密度」を区画しています。
    ●写真判読により区画された侵略的外来植物の判読結果(分布基図)に対し、現地調査を行い精度の検証を行っています。その結果、総合精度は約77%でしたが、外来種により精度に高低があります(モクマオウ約85%やアカギ約84%は高いですが、ギンネムは約48%と低くなっています)。 

  なお、一覧の外来植物分布図については、この現地検証等を行った185点分の結果を反映(分布基図を修正)したものです。

 

 

 


 

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