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津軽森林管理署

岩手県横田樹苗でのコンテナ苗播種作業勉強会について

  津軽森林管理署では、津軽地方におけるコンテナ苗の本格的な生産を目指し、昨年度より、当署管内に所在する種沢種苗園と共に、岩手県のコンテナ苗の生産事業体での見学会や勉強会を開催してきたところですが、この度、岩手県花巻市の横田樹苗において播種作業の勉強会を開催していただけることになり、3月8日に岩手県の横田樹苗様を訪問し、コンテナへの直接播種と育苗箱への播種作業について勉強させていただきましたので、その様子をお知らせします。

   

 コンテナ苗生産方法の違い

  これまで、さまざな場所でコンテナ苗の生産についてお話を伺ってきた中で、コンテナ苗の生産方法が大きく二つの方法で行われているようです。

  ひとつはコンテナに直接播種する方法、もう一つは苗畑や育苗箱に播種し、幼苗をコンテナに移植する方法です。この方法の違いはそれぞれメリットとデメリットがあり、生産事業体で様々な条件を考慮しながら選んでいるようです。

  1. コンテナに直接播種する方法

     メリット: 移植の手間がかからない、発芽から順調に生長する、根鉢の形成が良い。

     デメリット: 発芽後に間引く必要がある、発芽しないセルがあり移植が必要となる。

  2. コンテナに移植する方法

     メリット: コンテナの各セルに1本の苗で育苗できる、コンテナでの育苗期間が短い。

     デメリット: 移植の手間がかかる、移植後一定期間生長が遅くなる、コンテナでの育苗期間が短いため根鉢の形成がよくない場合もある。

  コンテナに移植する幼苗についても、普通苗と同様に苗畑に播種し、冬越し後に選苗して幼苗(1年生)を移植する方法と育苗箱に播種し発芽後数ヶ月の幼苗を移植する方法があるようで、これについては、作業性や移植後の生長の違いについては、今後、調べてみたいと思っております。

 

移植作業勉強会 

 今回の勉強会は、コンテナ苗に直接播種する方法と育苗箱に播種する方法について勉強させていただくことにしました。

 

 コンテナへの播種について

  始めにコンテナへ直接播種する方法をお知らせします。

 

コンテナ土詰め

まずはコンテナへ土を詰める作業ですが、コンテナへの土詰めについては、以前コンテナ苗の移植作業の勉強会でお知らせしておりますのでこちらをご覧ください。

培土の配合については横田さん独自の配合で、ココピートオールドにミネラルと鹿沼土と肥料は少なめで配合しているそうです。

今回は土詰め後に棒で圧縮する方法を行いました。

コンテナセルへ播種

土詰め後に各セルに種を播種していきます。

今回播種したのはスギで、目印と消毒、発根促進をかねて薬剤をまぶし、発芽率が30パーセントから40パーセントということで、各セルに3粒づつ播種していきます。

                                               薬剤をまぶす  薬剤をまぶしている状況

鹿沼の細粒をのせる

横田さんは覆土に肥料成分と水分管理を容易にするために鹿沼土の細粒を使用しています。

播種後の各セルに鹿沼土を被せていきます。

これで、コンテナへの直接播種する作業は終了です。

   

育苗箱への播種 について

  次に育苗箱への播種です。

  先に記述したとおり、現在、コンテナ苗の生産方法には、コンテナへ直接播種する方法と、移植する方法がとられており、移植する方法では移植する幼苗を生産する必要があります。

  よく行われている幼苗の生産は、苗畑に播種し露地で生産する方法ですが、横田さんは育苗箱で生産する方法も試しています。

  育苗箱で生産することによって、コンテナへ移植する時期を見ながら幼苗を生産することができ、管理も容易にできるとのことでした。

 

育苗箱へ土詰め

まずは育苗箱への土詰めです。

今回使用した育苗箱はホームセンターなどでも販売されているもので、深さ60ミリメートルのものでした。

培土を8割ほど入れていきます。

板でならす 次に適当な板でならしていきます、なるべく平らに、むらがないようにします。
土を圧縮する

土を平らにならしたら、少し板で圧縮します。

圧縮後の深さは約40ミリメートルになりました。

育苗箱へ播種

圧縮した培土の上にスギを播種していきます。

播種した量は後で計測したところ、約10グラムでした。

 

鹿沼土で覆土

最後に鹿沼土の細粒で覆土します。

覆土の厚さは、厚からず、薄からずだそうで、なるべく均一に全体を覆います。

鹿沼土の変化

少し時間が経つと鹿沼土の色が変化します。

水分が少ないとことが白っぽく見えるかと思いますが、横田さんからこの色を参考に水分の管理すると良いと教えていただきました。

また、横田さんから聞いたところ、この育苗箱1枚から200本程度の幼苗が生産できるとのことでした。

育苗箱で幼苗し、温度と水の管理をすると、冬でも育苗できることになり、コンテナ苗の効率的な生産に役立つのではないかと思われます。

 

まとめ

  今回も、横田樹苗さんにはお忙しいところ丁寧な説明やアドバイスをいただきありがとうございました。

  横田さんはコンテナ苗の生産に携わって、6年が過ぎようとしていますが、未だにこの方法が一番良いと感じたことはない、失敗の繰り返しだと言っております。

  これまでも数回にわたり横田さんから教えていただいておりますが、その都度少しずつ変化があるということは、まだまだ研究が続いているということを感じました。

  青森県でも春から本格的に生産する事業体が増えてくるとのことで、今後のコンテナ苗の普及が楽しみになる一方で、コンテナ苗を生産する技術が確立し、安定した生産となるように、当署も協力していくこととしております。

 

お問い合わせ先

津軽森林管理署 
ダイヤルイン:0172-27-2800
FAX:0172-27-0733

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