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東北森林管理局

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    【ヒバに携わる人】ヒバ林の管理:柴田円治さん

    柴田   円治   さん

    ヒバとともに歩んだ人生

    青森県むつ市大畑町に在住。昭和28年から平成30年までの約65年間、大畑の国有林施業に関わる。現在は、かご職人としてヒバの端材を利用してかご作りを行う。
    令和6年2月、逝去されました。

       大畑町は、太平洋からの湿潤な風が吹く、ヒバの生育に適した風土です。その広大なヒバ林の中に、ヒバ施業方法やその理論を検証するために、昭和6年に大畑ヒバ施業実験林が設置されました。柴田さんは戦後の混乱期を経て実験林の施業方針が再設定された直後の昭和28年に大畑営林署に採用されました。採用後は実験林の管理を任され、以来退職までヒバ林の整備に尽力されました。退職後も、平成30年まで実際に山に足を運び、実験林管理の助言を行っていました。こうして柴田さんは終戦から現在まで世間が目まぐるしく変化する中、半世紀以上にわたり実験林の管理に携わってこられました。

     
      
    大畑ヒバ施業実験林。現在は遊歩道も整備され一般にも解放されている。


       ヒバは、その細やかで美しい年輪が材の魅力のひとつとされますが、そのような木が育つには200年、300年もの時間がかかると言われています。そのため、無計画に伐採すると資源が枯渇し、将来ヒバを利用することができなくなってしまいます。ヒバを将来にわたり持続的に利用するためには、大きく育った木を伐るかたわらで、次の世代、その次の世代が育つような林にすることが理想的です。しかし、柴田さんが着任した当時に実験林に生えていたのは非常に太い木や形の悪い木ばかりで、理想の林とは言い難い状態でした。営林局(現在の東北森林管理局)で確立したヒバ天然林施業方法に則り、柴田さんは伐採の強度などを見極めながら施業を続けました。その結果、現在の実験林では芽生えたばかりのものから利用可能な太いものまで様々な状態の木が入り混じる、理想の状態に近づきました。

       「これまで途方もない時間をかけてやってきたがまだまだ終わらない、これから次の代が担い手になる。これからも大事に守り続けてほしい」と柴田さんは言います。美しいヒバ林ができるまでには、途方もない時間と携わる人の想いが込められているのです

      令和6年2月に、柴田さんが逝去されました。柴田さんのこれまでの御尽力に感謝申し上げるとともに、御冥福をお祈りいたします。



    現在の実験林。稚樹から壮齢木までの幅広い樹齢のヒバが入り交じる。

    お問合せ先

    下北森林管理署

    ダイヤルイン:0175-22-1131