ありがとう400年ブナ
「400年ブナ」倒れる
令和4年3月21日に白神山地世界遺産地域巡視員より、岳岱自然観察教育林内の400年ブナが倒伏したとの連絡がありました。積雪等のため通行止めになっていた県道二ツ井西目屋線の解放を待って東北森林管理局・米代西部森林管理署・藤里町の合同による現地調査が行われました。令和3年の県道が通行止めになる11月4日には立木として確認されており、それ以降の強風、降雪により倒伏したものと思われます。根倒れではなく、根元から折れていること、根際の土が掘り上がっていることから強風、または樹冠に積もった雪の重さに耐えきれず根元から、まさに倒壊したものと推測されます。
倒れた400年ブナは関係機関と協議の結果、現地にそのまま保存し森のサイクルを間近に観察できる場所としし、天然更新の様子についても観察していくことしました。白神山地のシンボルとして名をはせた400年ブナは倒伏してもなお白神のシンボルとして、また、森林環境教育の教材としてその存在感をしめすことでしょう。
令和4年3月21日撮影(発見当時)
令和4年4月22日
令和4年5月12日
令和4年5月25日
上空写真左 令和3年10月 右 令和4年5月12日
400年ブナの歴史
岳岱自然観察教育林
400年ブナのある岳岱自然観察教育林は、昭和48年にレクリエーションの森(風景林)として指定され、その後、平成4年4月に自然観察教育林に変更されました。世界自然遺産白神山地の周辺地域として、森林環境教育ができる場所として、また身近で白神山地に触れ、森林浴が可能な場所として親しまれています。
400年ブナの名前の由来
400年ブナは太さ1.54m、幹周り4.85m、樹高26mの巨木です。名前の由来は、昭和50年代に現在の多目的展示施設周辺にあったブナ巨木の枝が次々と落下し、遊歩道側にブナが大きく傾いたことから、危険木として倒伏した事がありました。倒伏したブナ巨木の年輪を数えたところ樹齢400年と推定され、巨木として親しまれていた当時の「400年ブナ」の姿形(径級等)が同等であったため、以降「400年ブナ」とよばれるようになりました。また、平成12年4月には林野庁が選定する「森の巨人たち100選」に選ばれ秋田県側における白神山地のシンボル的存在となっています。
400年ブナ、これまでの姿
左から 平成7年10月 平成8年5月 平成10年6月撮影
台風により枝が落ちる
平成11年9月27日の台風18号により400年ブナの北側の大枝が裂け落ち、樹形の3分の2ほどになってしまいました。裂け落ちた大枝は長さ22m、枝周り2.66mでした。この大枝も、現地にそのまま保存することとしたので、現在もその姿が見られます。
令和4年6月に撮影した大枝。現在でも裂け落ちた大枝の姿と倒木更新の様子が確認できます。
左から 平成14年10月 平成18年8月 平成22年4月撮影
令和2年5月撮影と藤里幼稚園との倒伏前最後の記念撮影(令和3年10月)
400年ブナの春夏秋冬
お問合せ先
藤里森林生態系保全センター
ダイヤルイン:0185-79-1003
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