白神山地の世界自然遺産登録理由
1.世界遺産登録基準
・世界遺産とは「顕著で普遍的な価値(人類全体にとって特に重要な価値)」を有し、将来にわたって保全すべき遺産として世界遺産委員会が認め、「世界遺産一覧表」に記載されたものが世界遺産となります。世界遺産は、「文化遺産」、「自然遺産」、「複合遺産」(自然、文化両方の価値を兼ね備える)の3種に分類されています。
自然遺産として登録されるには、次の3つの条件を満たしていると世界遺産委員会で認められることが必要です。
<世界自然遺産の登録基準>
1.次の4つの評価基準(クライテリア)のうち1つ以上に適合すること。
(1)自然美
最上級の自然現象、又は、類まれな自然美・美的価値を有する地域を包含する。
(2)地形・地質
生命進化の記録や、地形形成における重要な進行中の地質学的過程、あるいは重要な地形学的又は自然地理学的特徴といった、地球の歴史の主要な段階を代表する顕著な見本である。
(3)生態系
陸上・淡水域・沿岸・海洋の生態系や動植物群集の進化、発展において、重要な進行中の生態学的過程又は生物学的過程を代表する顕著な見本である。
(4)生物多様性
学術上又は保全上顕著な普遍的価値を有する絶滅のおそれのある種の生息地など、生物多様性の生息域内保全にとって最も重要な自然の生息地を包含する。
2.「完全性の条件(顕著な普遍的価値を示すための要素がそろい、適切な面積を有し、開発等の影響を受けず、自然の本来の姿が維持されていること)」を満たすこと。
3.顕著な普遍的価値(outstanding universal value :OUV)を長期的に維持できるように、十分な「保護管理」が行われていること。
・世界遺産条約
正式名:「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」
目的:文化遺産及び自然遺産を人類全体のための世界の遺産として損傷、破壊等の脅威から保護し、保存するための国際的な協力及び援助の体制を確立することを目的とする。
2.白神山地の世界自然遺産登録理由
平成5年(1993)12月に、世界遺産委員会による審査で、白神山地のブナ林は純度の高さやすぐれた原生状態の保存、動植物相の多様性で世界的に特異な森林であり、氷河期以降の新しいブナ林の東アジアにおける代表的なものである等の理由から、本地域の自然環境は、「生態系」のクライテリアである「陸上・淡水域・沿岸・海洋の生態系や生物群集の進化発展において重要な進行中の生態学的生物学的過程を代表する顕著な見本である」に該当すると判断され、世界遺産条約に基づく世界遺産一覧表に登録されました。3.国内の他の世界自然遺産との比較
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