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東北森林管理局

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    白神山地世界遺産地域の保護・保全措置の概要

    1.遺産地域の管理区分

    白神山地世界遺産地域管理計画に基づき、次の地帯区分がなされています。

    白神山地世界遺産地域 管理区分図(PDF : 1,893KB)

    核心地域(A地域)

    特にすぐれた植生を有し、また、人為の影響をほとんど受けていない核心的な地域。
    人手を加えずに自然の推移に委ねることを基本とし、工作物の新築や土石の採取など、自然環境の保全上支障を及ぼすおそれのある行為は、学術研究等特別の事由がある場合を除き、各種保全制度に基づき厳正に規制しています。当該地域は、その全域が森林生態系保護地域の保存地区、大部分が自然環境保全地域の特別地区及び野生動植物保護地区、一部が国定公園の特別保護地区として保護されています。

    緩衝地域(B地域)

    核心地域の周辺部の緩衝帯としての役割を果たす地域。
    現状の保全を図ることを基本とし、必要に応じ、一定の行為を規制しています。特に、核心地域(A地域)の自然環境に影響を及ぼす行為については、厳正に規制しています。当該地域は、その全域が森林生態系保護地域の保全利用地区、大部分が自然環境保全地域の普通地区、一部が国定公園の特別保護地区又は特別地域、県立自然公園となっています。

    管理区分の面積

    ・核心地域(A地域) 10,139 ha
    ・緩衝地域(B地域) 6,832 ha
    計 16,971 ha

    2.保護・保全のための担保措置

    白神山地世界遺産地域 地域指定区分図(PDF : 1,724KB)

    (1)自然環境保全地域

    「自然環境保全地域」は、すぐれた天然林など一定の要件を満たす区域のうち、その区域における自然環境を保全することが特に必要なものについて、自然環境保全法第22条の規定に基づき環境大臣が指定する地域です。
    白神山地の自然環境保全地域には、同法第25条の規定に基づき、特に保全を図るべき区域である「特別地区」が9,844ha指定されており、工作物の新設、土地の形質の変更、土石の採取、木竹の伐採などの行為は、大臣の許可が必要とされています。
    さらに、これと同一の地域が同法第26条の規定に基づき「野生動植物保護地区」に指定されており、保護対象となっている108種類の植物の採取、損傷が禁止されています。これらの区域は、全て遺産地域の核心地域に含まれています。
    特別地区以外の地域は「普通地区」であり、一定規模をこえる工作物の新築、土地の形質の変更等の行為について大臣への届出が必要とされています。普通地区は、すべて遺産地域の緩衝地域に含まれています。

    (2)自然公園(国定公園、県立自然公園)

    「自然公園」は、優れた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図り、もって国民の保健、休養及び教化に資することを目的としています。公園の種類は、自然公園法第5条の規定に基づき大臣が指定する「国立公園」及び「国定公園」、さらに、同法第59条の規定に基づき知事が指定する「都道府県立自然公園」の3種類があります。
    白神山地及びその周辺においては、「津軽国定公園」、「赤石渓流暗門の滝県立自然公園」及び「秋田白神県立自然公園」が指定されています。
    津軽国定公園の「特別地域」については、工作物の新築や木竹の伐採等の行為は自然公園法第17条第3項に県知事の許可が必要と規定されています。また、「特別保護地区」については、工作物の新築や木竹の伐採等に加え、動植物の採捕、落葉落枝の採取やたき火なども同法第18条第3項に県知事の許可が必要と規定され、それぞれの地種区分に応じて規制されています。
    また、青森、秋田両県立自然公園においても「特別地域」に指定され、青森県立自然公園条例第10条第3項及び秋田県立自然公園条例第15条第1項の規定により、国定公園「特別地域」と同様の規制が行われています。

    (3)森林生態系保護地域

    「森林生態系保護地域」は、我が国の森林帯を代表する原生的な天然林が相当程度まとまって存在する地域を保存することによって、森林生態系からなる自然環境の維持、動植物の保護、遺伝資源の保存、森林施業・管理技術の発展、学術研究等に資することを目的として、国有林野管理経営規程に基づき、森林管理局長が設定及び管理する地域です。
    白神山地の核心部のブナ林を中心とした地域は、最も原生的状況を呈する林分であり、森林生態系の厳正な維持を図る地区である「保存地区」として、学術研究や非常災害時の応急措置のための行為を除き、原則として、人手を加えずに自然の推移に委ねることとしています。保存地区に隣接する森林は、外部の環境変化の影響が保存地区に直接及ばないよう緩衝の役割を果たす地区である「保全利用地区」として、木材生産を目的とする森林整備は行わず、自然条件等に応じて、森林の教育的利用、大規模な開発行為を伴わない森林レクリエーションの場として活用を行うものとしています。
    白神山地森林生態系保護地域は、全域がそのまま遺産地域として登録されており、森林生態系保護地域の「保存地区」が遺産地域の「核心地域」と、「保全利用地区」が「緩衝地域」と一致しています。

    (4)天然記念物

    「天然記念物」は、動植物、地質鉱物で我が国にとって学術上価値の高いもののうち重要なものを保護するため、文化財保護法第69条の規定に基づき大臣が指定するもので、天然記念物と、特に重要な「特別天然記念物」の2種類があります。
    遺産地域に生息・生育する動植物のうち、ニホンカモシカが特別天然記念物に、また、クマゲラ、イヌワシ、ヤマネの3種類が天然記念物に指定されており、これらの採集等が禁止されています。

    (5)鳥獣保護区

    「国指定鳥獣保護区」は、国際的又は全国的な鳥獣の保護の見地から、鳥獣の保護のため重要と認める区域について、環境大臣が「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」に基づいて指定する区域です。
    同法に基づき、平成16 年(2004 年)3月、遺産地域と重複する地域が「国指定白神山地鳥獣保護区」に指定され、狩猟が禁止されています。

    (6)国内希少野生動植物種

    「国内希少野生動植物種」は、本邦に生息又は生育する絶滅のおそれのある野生動植物の種であって、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に基づき指定するものです。
    遺産地域に生息する動物のうち、オオタカ、イヌワシ、クマタカが「国内希少野生動植物種」に指定されており、捕獲、殺傷、譲渡し等が禁止されています。

    (7)保安林

    「保安林」は、水源のかん養、土砂の流出の防備、生活環境の保全・形成等、特定の公共目的を達成するため、「森林法」に基づき農林水産大臣又は都道府県知事が指定する森林です。
    遺産地域の全域が農林水産大臣が指定する水源かん養保安林となっています。
    当該保安林における立木の伐採や土地の形質の変更等の行為については、都道府県知事の許可が必要です。

    (8)禁止区域(水産動植物の採補)

    「禁止区域」は、水産動植物の繁殖保護を図るため、漁業法に基づき遺産地域に関係する各内水面漁業協同組合が、「第5種共同漁業権遊漁規則」及び「第5種共同漁業権行使規則」により指定する区域です。
    現在、遺産区域は全域が禁漁区に設定されており、魚釣りが禁止されています。

    お問合せ先

    計画保全部
    担当者:自然遺産保全調整官
    ダイヤルイン:018-836-2489

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