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東北森林管理局

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    米代東部森林管理署(平成29年1月)

    米代東部森林管理署

    森林官紹介!(平成29年1月)「満喫!八幡平」

    森林官補(八幡平担当区)

    牧田 朋子

     私が勤務する米代東部森林管理署八幡平森林事務所は秋田県北部、岩手県との県境に位置する鹿角市にあり、花輪・柴内担当区との合同事務所です。八幡平担当区は、事務所のある市街地からは少し離れた鹿角市南部の約1万㏊の林野を管理しています。管内には、十和田八幡平国立公園の特別保護地区を含むアオモリトドマツやブナの天然林のほか、秋田スギやカラマツを中心とした人工林が広がっています。
     「八幡平」の名を冠していながら、八幡平山頂(1,613m)は実はお隣の岩手北部署管内と知った時は少し残念でしたが、当所管内にもたくさんの見所があります。秋田署管内と接する活火山の秋田焼山(1,366m)、レンゲツツジとコバイケイソウが美しい大沼、ニッコウキスゲの大群落が見られる大場谷地のほか、秋田・岩手を跨ぐアスピーテラインは、八幡平を一望できる絶好のドライブルートとして全国的にも有名です。また、雪質と営業期間の長さ(11月下旬~5月) では東北屈指の秋田八幡平スキー場、数々の秘湯を有する八幡平温泉郷も当所管内にあります

     

    毛せん峠から望む焼山

    毛せん峠から望む焼山

      ちょうど今年、八幡平地区は国立公園指定60周年を迎えました。また、「山の日」が国民の祝日として施行されたこともあり、今後はより多くの方に八幡平の魅力を知っていただき、山に親しんでいただければと思います。同時に、山を管理する林野庁職員として、しっかりと役割を果たしていかなければと思います。
     担当区を任されるのは初めての新米のため、合同事務所の地域統括森林官や4名の現場作業員の方々に日々ご指導いただきながら、業務にあたっています。
     森林空間利用・自然維持タイプが管内の約3割を占めますが、その他の地域では造林や素材生産事業もあり、保全やレクリエーションと森林施業のどちらも経験できることは非常に有意義だと感じます。
     特に今年度、当署を含む米代川流域は予備編成の年にあたり
    、次期計画の伐採箇所検討のための山見をしました。目の前の林だけでなく、山全体の将来の姿を頭に描きながら、自分の管内を見ることができたのはとても良い経験でした。また、観光地・火山地帯ということもあり、温泉施設や地熱発電所、火山活動の監視カメラの設置など管理関係の業務も多くありました。

     今年は同じ鹿角市内でクマによる事件が相次ぎ、常に緊張感を持って業務にあたりました。八幡平はクマが多いと言われますが、実際この夏、ツキノワグマを6頭目撃しました。

    栂(つが)森(もり) (1,359m)から見下ろす我が管内

     

    (つが)(もり) (1,359m)から見下ろす我が管内

      一方で、うれしい出会いもありました。赴任してすぐ、まだ雪の残る林道脇で見た、一面のカタクリとキクザキイチゲは忘れられません。次々と入れ替わる草花や、日ごとに鮮やかさを増す紅葉を定点観察できるのも森林官業務の楽しみの一つだと感じました。
     そんな季節ごとの植物達で賑わっていた管内も、黄金色に輝くカラマツ林を最後に、今は静かな白銀の世界が広がっています。現場に出る機会は減りましたが、管内での雪害や事故がないことを願いつつ、これからも日々の業務に取り組んでいきたいと思います。

    林道脇の春の風景

    林道脇の春の風景