私が勤務している羽黒事務所管内は国有林面積が約16，000haあり、庄内の生活を守る海岸クロマツ林や、多くの利用者が訪れる高舘山のレク森、羽黒山や月山といった信仰の地などバラエティ豊かな地域を管轄しています。今年は12年に1度開催される出羽三山の御縁年でもあり、この特別な年に当事務所に配属となったことにご縁を感じざるを得ません。

羽黒山五重塔	弥陀ヶ原湿原

　
　森林官として参加した月山の山開きでは、7月とは思えない気温と暴風、積雪の中、まさに修行をしているかのような思いで山頂へ赴き、開山祭は寒さのあまり記憶がありません。しかし、帰り際の広大な庄内平野と青く美しい弥陀ヶ原湿原は忘れられない風景となりました。
　庄内と言えば人々の生活を守る海岸クロマツ林ですが、今年も多くのクロマツが松くい虫の被害を受けてしまいました。当署の一番の課題である海岸林保全のために、被害木の駆除や薬剤散布など対応・対策をしているところですが、山形県・自治体・地域と一体となり対応することが重要と考えています。H14年からは「出羽庄内公益の森づくりを考える会」が発足し、庄内地域が一丸となり海岸林を未来へ継承する継続した取組が進められています。

高舘山展望台から望む海岸林と鳥海山

　
　私はこの4月から当事務所に勤務していますが、毎日の山歩きや地域との関わりなど、現場ならではの仕事に汗を流し、日々フラフラになりながら多くの経験をさせてもらいました。そんな私を癒してくれたのが庄内のおいしい食べ物です。庄内は食文化が非常に発展しており、おいしい庄内としての一面もあります。例えば鶴岡市はだだちゃ豆など数多くの固有品種が栽培されていることから、ユネスコ食文化創造都市に認定されており、ここでしか味わえない食べ物に溢れています。その他にも、米どころならではのおいしいお米、ダシが効いた疲れた体に染み渡るラーメン、新鮮な果物や海産物などを楽しむことができます。
　ぜひ美しい庄内、おいしい庄内に足を運び、素晴らしい風景やおいしい食べ物に出会ってみてはいかがでしょうか。