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東北森林管理局

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    上小阿仁支署(令和3年11月)

    天然秋田杉の麓より

    首席森林官 北林 忍

      爽秋の候、上小阿仁村の山々は紅葉で秋も深々と進み、冬の訪れを待っているかのような季節となっております。
     私の管轄している南沢森林事務所は秋田県のほぼ中央に位置し、南北に跨がる山間部に太平山の麓を源流部とした小阿仁川が流れ、上小阿仁村の中心部を通り一級河川の米代川へ注いでいます。

    森林の巨人たち百選に選ばれた「コブ杉」 切り立った岩肌「カゴ山」


     管轄する国有林には「コブ杉」、「カゴ山」、「大錠・萩形渓谷」、「萩形キャンプ場」など見所が沢山あります。上大内沢自然観察教育林には、樹齢約250年、樹高50mを超える巨木の天然秋田杉が存在します。その中にある「コブ杉」は、平成12年に林野庁の「森の巨人たち百選」に選ばれました。また、平成16年には、東京上野の国立科学博物館に展示するために一本、京都迎賓館の建築材として二本の天然秋田杉が供給されております。カゴ山は、萩形ダム管理事務所の上にそびえ立ち、木々の上に切り立った岩肌が見えます。ちなみにカゴとは、険しい崖を意味し、その昔、地元の人が山の頂上に登り、景色を見ていたとのことです。間近に見るとかなり危険なので、容易に登らない方がいいと思います。大錠渓谷や萩形渓谷では天然秋田杉とブナ、モミジなどと調和して美しい景観が作り出されております。特に、萩形キャンプ場は、コロナ禍の影響でここ1~2年はアウトドア派に親まれ、今年の夏には、家族連れの姿が多く見られました。
     興味のある方は、是非、上小阿仁村に足を運んでみてはいかがでしょうか。

    秋には美しい紅葉が見られる「大錠渓谷」


     日々の業務で一番気を付けないといけないのは、スズメバチやクマですが、ヤマビルも生息しているので気が抜けません。
     ヤマビルの忌避剤を手に取り、全身にスプレーをかけて山へ行くのですが、特に雨の日には、ヒルも元気が良くパワーアップしており、長靴にミミズのようにへばり付いてくるので油断大敵です。
     以前に比べ国有林の仕事も多様化している中で、山菜採りや釣り人、或いは登山者などの要望があれば聞く耳を持ち、それに応えるような仕事をしていかなければならないと日々痛感しております。
     今後も、国民や地元市町村に喜ばれるように職務を全うしなければならないなと思っております。