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東北森林管理局

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    津軽森林管理署金木支署(令和2年8月)

    林業遺産をデジタル保存

    首席森林官中村浩二

     

    私が勤務している市浦森林事務所(市浦・小泊)がある五所川原市市浦は五所川原市の飛地で津軽半島の中央から北側の日本海側にあり、シジミの産地として有名な十三湖のすぐ北側に位置しています。
    管轄は五所川原市と中泊町の約九千㏊で、ヒバを中心とする天然林やスギを主とする人工林、日本海からの強風から民家や耕作地を守るための防風保安林、津軽半島の稜線から日本海側に向かった斜面など様々な林相となっています。
    皆さんは「林業遺産」というものをご存知でしょうか。一般社団法人日本森林学会が認定するもので、全国で二〇一九年までに四一の遺産が認定されています。東北では、我が国初の森林鉄道「津軽森林鉄道」遺構群及び関係資料群(青森県)、平蔵沢ヒバ人工林施業展示林(岩手県)、米沢市の山との暮らしを伝える遺産群:草木塔群と木流し(山形県)の三つが選定されています。
    当事務所には「津軽森林鉄道」の遺産の一部である「片刈石支線跡木橋」があります。着任前からそのことは知っていたので楽しみにしていました。着任後いざ現地へ向かうと想像以上に原形が残っており大変驚きました。これまでに見た森林鉄道跡の多くは橋脚だけだったり、後に人の手が加えられたものだったりと、私がイメージしていたものとは少し違うことが多かったからです。しかしここは枕木等が手つかずのまま残っており、ここを列車が走っていた姿を容易に想像できるものでした。ただ残念なことにこの遺産の文化的な価値は認定されても保存する方法がありません。観光資源としてはアクセスが悪く保存するには費用が嵩むこと等が理由で、このまま朽ちていくのを待つしかない状況でした。しかし昨年中泊町がレーザースキャナーによる三次元測量を実施し遺産の詳細な寸法を記録し保存することになりました。実際に再現することは現実的ではないそうですが、このまま腐朽が進んでも3Dプリンターにより再現することも可能になるそうで少し安心しました。


    シジミの産地十三湖 森林鉄道片刈石支線跡の木橋


    最後になりましたが、今後も地元との関わ
    りを大事にしながらここにあって良かったと言われるような事務所にしていきたいと思います。コロナ禍ではありますが、天気の良い日には北海道がよく見え、美しい夕日も見ることができるドライブコースや、新鮮な海の幸も豊富にありますので是非一度お立ち寄りください。

    中泊町小泊の展望台から見た北海道