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東北森林管理局

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    津軽森林管理署(令和元年8月)

    STOP  THE  松くい虫

    深浦担当区  首席森林官
    阿部 隆雄

     

      私が勤務する深浦森林事務所は、青森県西部深浦町の中心部にある森林事務所で、白神山地から日本海へ注ぐ追良瀬川を管内に持ち、約11,800㏊の国有林を管轄していて、日本海に近い場所は主にスギ人工林となっていますが、標高が上がるにつれてブナ等の天然林が広がっていきます。
      数年前からニホンジカの目撃が相次いでおり、増加すれば森林被害につながる恐れがあるため、津軽白神森林生態系保全センターが当森林事務所管内に「小型囲いわな」を設置し被害防止対策に取り組んでいます。
      また、アカマツ、クロマツ林では、松くい虫による被害(森林病害虫被害)の最北端となっており、松くい虫被害を食い止めるため、日々林野巡視に取り組んでいます。青森県からヘリコプターで上空探査をしたデータを提供してもらい、GPS端末にこのデータを取り込んだものを持ち歩きながら巡視をしています。私もヘリコプターに同乗できる機会があったら乗ってみたいと思います。無人航空機(ドローン)での探査も有効と考え、以前に被害があった箇所周辺を飛行させ画像を解析して活用しています。

     
                              ドローンでの探査


      被害木を発見してから駆除するのでは被害の拡大防止にはならないことから、虫が入り込んだと思われるマツを探し出す「ヤニ打ち調査」も行っています。マツの幹に直径約1cm、深さ5mmほどの穴を空け、2時間ほど経過したらヤニの量を観察します。元気の良いマツはヤニが溢れ出ていますが、元気の無いマツは少しにじむ程度か出ないものもあります。それらは疑い木ということで、木片を採取し研究機関へ鑑定を依頼します。昨年は、以前被害があった箇所周辺を約300本調査し、疑わしいマツが20本ありましたが、幸い鑑定結果は陰性ということで、ホッとしています。もうひとつ、ナラ枯れ被害が拡大しており当森林事務所管内にも迫っていますので被害の拡大防止に努めたいと思います。

                               ヤニ打ち調査


      管内の巡視、ヤニ打ち調査等を行っていると一日の業務はあっという間に過ぎ夕方になりますが、ここ深浦町は夕日が美しい町として有名です。日の入り時刻となれば、撮影スポットにはたくさんの人達が夕日にカメラを向けていて、なかには動画を撮影する人もいます。
      海・山どちらも楽しめる深浦町へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
      枯れた木を見つけたらぜひご一報ください。

                       日本海に沈む夕日