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東北森林管理局

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    秋田森林管理署(平成30年11月)

    吉田森林事務所の管内の紹介について

    首席森林官(吉田担当区)
    大川  輝美


    今年の4月から赴任した吉田森林事務所は秋田県のほぼ中心部の田沢湖の西側の区域を管轄しており、その面積は約11,600haにもおよびます。管轄区域の中央部を国道105号線、秋田内陸線、桧木内川が流れ北秋田市に接する北側の郡界にかけ周囲を山間に囲まれた楕円状に管轄する区域となっています。特徴的なことは、このような地域や地形から豪雪地帯となっており、その雪解け水が流れる桧木内川の水も大変きれいなものとなっています。
                                       桧木内川

    仙北市西木町地区には、全国的にも有名な上桧木内の紙風船上げがあります。例年2月の上旬に行われている行事で、業務和紙を貼り合わせ、長さ3メートルから8メートル(大きいものでは12メートル)の円筒形を作り、下部の口には、直径1メートルから3メートルほどの竹製の輪を取り付けます。この輪に紙風船の揚力源となるタンポ(石油を染み込ませた布玉)を固定して、それに火をつけて気球の原理で空に飛ばすものです。5月に国道を走行していたら、紙風船が1個だけ飛んでいたので不思議に思い見てみると、どうやら取材のため上げているようでした。私も是非見てみたいと思っている行事の一つであり、紙風船上げには壮大な夜景を期待しています。
                                      秋田内陸線

    管内で行われる行事のもう一つは例年9月に行われる100キロマラソンがあります。100キロマラソンは仙北市角館から北秋田市鷹巣までの区間を走るマラソン大会で文字通り100キロを走らなければばならない過酷なレースです。もっとも難関と思われるところに郡界の大覚野峠があります。高低差300mを駆け上がることとなり、周囲は緑の回廊にも指定されていて林道を入ると天然林が成林する山林地帯でもあります。選手達は、一般のマラソンの倍以上の距離を走る上に想像以上の高低差を駆け抜けてゴールしていることは本当にすごいことだと思います。こんな過酷なレースなので、今年の完走率は100キロの部で50%くらいだそうです。マラソン経験のない私なら、途中で内陸線に乗って、田んぼアート、周囲の風景、秘境を満喫しながら帰ることになりそうです。
                                       垂天池沼

    今年は、丁度計画樹立に向けた予備編成の年となっています。現地を確認する前に衛星画像でリストの箇所の確認をしていたところ、。八幡平太平山緑の回廊内の1060林班に結構大きな池が確認できました。図面で調べてみると垂天池(たてち)という池らしく山崩れのためにできた堰止湖のようです。立様(たつさま991.8m)の北東に位置しています。回廊の区域内ですが、造林地も周囲に比較的多く見ることができます。現地確認のため、PDAを持参して伐採の可否や間伐の必要性などを確認しながら歩いて行くと突如スギ林からブナ林へと林相が変わり垂天池が現れました。水質は対岸の緑が水面に映り込むほどきれいなもので、歩道も周回できるよう整備されており、季節がらブナ殻やトチの実を踏みしめて30分程度で廻ることができます。調べてみると垂天池には祟りの伝説があるようなので、一人では行かない方が良いみたいです・・・・。現場業務も最後の追い込みとなっており、今後も新たな発見をしながら、楽しく業務に取り組んでいけたらと思っています。