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東北森林管理局

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    下北森林管理署(平成30年6月)

    毎日が勉強です

    森林官補(田名部担当区)
    粟野 雄大


      私の勤務する田名部(たなぶ)森林事務所は、本州最北の地、下北半島に位置する青森県むつ市の中心部にあり、恐山山地の東側と、半島東北部の丘陵地帯の一部を合わせた約1万㏊の国有林を管轄しています。イタコの口寄せで有名な霊場恐山や、半島最高峰の釡臥山(標高879 m)が管内の自慢です。

                            採草放牧地から望む釡臥山

     

      山で仕事をしていると、カモシカやキツネ、ウサギ、ときにはクマなど、色々な生き物に出会い、この地域がいかに自然豊かであるか実感します。そんな下北の自然を代表するのが、宇曽利山湖の周辺に広がる、ヒバの優占する天然林です。ヒバの大径木が立ち並ぶ鬱蒼とした森には圧倒されます。このエリアは「恐山山地森林生態系保護地域」として保護しています。

                             恐山山地森林生態系保護地域

     

      管内には、少しずつヒバの択伐を行っている天然林や、スギの人工林、薪を生産する雑木林など、地域の産業や生活に深くかかわる森林も多くあります。そんな森林の一つが人家や畑を海風から守る海岸防風林です。この地域の海岸林はほとんどが民有林なのですが、むつ市城ヶ沢地区の防風保安林だけは国有林。海の近くではクロマツを見ることが多いですが、ここにはアカマツが植えられています。数百年前からあるともいわれるこのアカマツ林に地域の方々も愛着を持たれていました。ところが、平成28年の台風10号で多数のアカマツが被害を受けてしまいました。そこで、アカマツ林の再生のための植樹を、昨年10月に地域の方々と一緒に行いました(本誌164号参照)。植栽後最初の春を迎えた約300本のアカマツが、一年でどれだけ成長してくれるか楽しみです。

                               城ヶ沢のアカマツ植栽地

     

      昨年4月に赴任してから1年。造林事業の監督や境界管理など、現場作業員の二人と一緒に山を歩き回る毎日ですが、まだまだ知らないことばかりで、日々勉強です。体力面でも修行が足りず、山を歩く速さなどは、国有林で約50年(!)働いているベテラン作業員に全然追いつけません。とはいえ、もう2年目ですから、負けちゃいられません。地域のためにできることを探しながら、山越え谷越え、頑張ってまいります。