米代東部森林管理署(平成30年2月)
地域の自慢の国有林であるために
森林官(大湯担当区) 鈴木 晃輔 |
私が勤務する米代東部森林管理署大湯森林事務所は秋田県鹿角市十和田大湯に所在し、北側は十和田湖方面の県道2号線(十和田大館樹海ライン)沿いから、東側は青森県三戸郡、南側は鹿角市花輪柴内が隣接する国有林約7,700haを管轄しております。
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来満峠と集落跡地の風景 |
管内にある不老倉林道の奥地には、明治末期から大正初期にかけて鉱山事業をした歴史があり、起点から10キロ程入った山奥にまで鉱山集落があったとされておりますが、今では山林となっております。この当時の集落の方々は青森県三戸郡からの物資を標高611mの来満越えと呼ばれるルートを通って運んでいたとされ、人口は多いときで約6千人が住んでおり、鉱山労働者だけでも約3千人が働き、林道沿いの渓流近くには旅館や呉服屋など数々の店が軒を連ねていたとされております。また明治から昭和にかけて集落には小学校もあり大正の頃には児童が約6百人もいたとされ、今でも戦時中に御真影を安置する施設として使っていたとされる、奉安殿跡が見られます。
私にはこの当時の集落の人々の生活はとても想像できませんが、きびしい山々に囲まれた環境の中で、鉱山発掘などを通じて、大湯周辺のみだけではなく鹿角地域や青森県の産業の発展に大きく貢献していたのではないかと感じます。
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奉安殿跡(旧大湯小学校不老倉分校施設) |
近年の管内の状況としては、国有林及び周辺の民有林においても、多数の森林が成熟期を迎えているところであり、私が転勤してきた昨年度からでも国有林の立木公売で10物件が落札され、民有林においても伐採をしている箇所を多数見ます。また、来年度からは新たな地域管理経営計画のスタートということもあり、当管内においても森林整備事業の増加が予想され、鹿角地域における、林業や木材産業の発展につながるのではないかと感じております。
私も微力ではありますが、業務を通じて地域の産業に貢献できるように考え、自分にできることを努めていきたいと思います。
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成熟期が近い管内の森林 |