山形森林管理署最上支署
「署長が語る!」
平成29年3月
山形森林管理署最上支署
署長 中尾 昌弘
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最上支署庁舎 |
管内の見どころ
○最上川舟下り(戸沢村)舟下りのコースである最上峡の両岸には、美しい国有林が広がっています。「奥の細道」の松尾芭蕉ゆかりの地として知られ、春の山桜、初夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々の風景が楽しめます。

○巨木群
管内には、最上地域を代表する巨木が点在しています。
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女甑(めこしき)山の大カツラ (真室川町) |
岩神大権現のクロベ (大蔵村) |
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権現山の大カツラ (最上町) |
幻想の森 (戸沢村:天然杉「山ノ内スギ」の奇形木が群生をなしている巨木の森) |
松尾芭蕉も歩いた「奥の細道」最大の難所の一つです。旧街道は、地元の人たちにより保全されています。

8月の宵まつり・本まつりに、豪華絢爛を競う日本一とも言われる山車行列が町を練り歩きます。平成28年12月には、ユネスコ無形文化遺産登録が決定しました。
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林産物の安定供給
最上地域は、元来、県内で最も林産業が盛んな地域であり、さらに、ここ数年は、豊かな森林資源を背景に、木材加工施設の新設や木質バイオマス発電施設の計画・建設などが相次ぐなど、木材の需要拡大に向けた動きが加速化しています。国有林においても、立木販売・素材販売(システム販売等)などを通じて、林産物の安定供給に努めています。また、効率的・効果的な森林の整備や管理を行う上で重要な施設である林業専用道等の整備を計画的に進めています。
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伐採木の搬出 (戸沢村:三ツ沢国有林) |
(最上町:反橋国有林) |
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林業専用道の整備 (最上町:刃場川林業専用道) |
(最上町:牛蒡根沢林業専用道) |
地域の安全・安心の確保に向けた治山事業
大蔵村大字南山(銅山川地区)は、火山の堆積物が堆積した脆弱な地質(シラス)と急峻な地形、また冬には3メートルを超えるような豪雪地帯という特性から、地すべり災害が頻発する地域です。古くから数十ヘクタールを超える面積の土地の地すべりが繰り返し発生しています。このため、地域の要請を受けて、平成4年から大規模な地すべり防止工事(銅山川地区民有林直轄地すべり防止工事)を行っています。
また、治山事業による地域の安全・安心を広く理解していただくため、地元小学生などを対象とした現地見学会を実施しています。
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地すべりの原因である地下水を 排出するためのトンネル |
日本一の深さとなる109メートルの集水井 (地下水を集めトンネルに排水する井戸) |
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地元小学生を対象とした治山事業 についての学習授業 |
排水トンネルを見学 |
民有林と国有林の連携
地域の森林整備を効率的・効果的に進めていくために、民有林と国有林が連携した取組を進めています。その一環として、平成28年11月には、真室川町、山形県林業公社、小国山備荒林生産森林組合、最上支署の4者で、県最上総合支庁と最上広域森林組合のご協力のもと、「西小又・小国地区森林整備推進協定」を締結しました。
今後、同地区において、接する民有林と国有林が一体となって、効率的な路網整備や森林整備を進めていくこととしています。
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真室川町「西小又・小国地区森林整備推進協定」 |
低コスト林業の推進
林業の低コスト化に向けて、一貫作業システム(伐採と植栽を同時期に実施し、地拵え等のコストを大幅に省力化)、列状間伐、コンテナ苗の活用、低密度植栽試験等に取り組むとともに、地域林業の担い手の技術力向上に向けて、局と合同で森林作業道の作設現地検討会を開催するなど、地域林業の低コスト化の普及に取り組んでいます。![]() |
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コンテナ苗植栽現地説明会 | 一貫作業システム現地検討会 |
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森林作業道の作設現地検討会 | 活発な意見交換がなされました |
国民参加の森林づくり
地方自治体や企業、NPO等が行う森林環境教育や林業体験教室といった活動を支援しています。また、地域が実施する森林にふれあい、親しむイベント等への参加等を積極的に行っています。![]() |
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最上町、地元NPOと連携した林業体験教室 | 最上町のチップボイラーを見学 |
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企業による社会貢献活動(育樹作業)を支援 | 「最上地域森の感謝祭」での巣箱づくり体験ブース |
地域林業の担い手の育成支援
平成28年4月には山形県立農林大学校(新庄市)に林業経営学科が新設されるなど、当支署管内においても、地域林業の担い手確保・育成に向けた取組が進められています。これを受け、当支署でも、農林大学校生を対象とした勉強会の開催等を通じて、地域の業の担い手の確保・育成に向けた支援に取り組んでいます。
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山形県立農林大学校生を対象にした現地勉強会 | 当支署若手職員と農林大学校生との意見交換会 |
*おまけ
かつて当支署管内には、国有林で伐採したブナなどの木材を搬出するため、森林鉄道が走っていました。釜淵駅を起点に全延長28キロメートルで、トンネルも3箇所設けられていたようです。
現在は、当時の機関車が、真室川町の梅里苑前の公園内に敷かれた1周約1キロメートルのレールの上を走る開放感あふれるトロッコ列車として、季節限定で週末などに運行されています。
ぜひ、皆さんも一度訪れていただき、当時の森林鉄道に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
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運行されている森林鉄道 |
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設置されている看板 |
お問合せ先
林野庁 東北森林管理局
山形森林管理署最上支署
〒999-5312 山形県最上郡真室川町大字新町字下荒川200-11
TEL:IP電話 050-3160-5855/一般電話 (0233)-62-2122
FAX:(0233)-62-2706