秋田森林管理署
「署長が語る!」
平成30年7月秋田森林管理署
署長 池田 秀明
1. はじめに
秋田森林管理署は、秋田県の中央部に位置する秋田市、大仙市、仙北市及び美郷町の3市1町に所在する約11万ヘクタールの国有林を管理しています。
管轄する国有林は、所在する3市1町の土地の37%、森林の53%を占めており、この地域における水源林として、また地域の木材の供給源、地域の観光資源としての役割を担っています。
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2.秋田森林管理署における主な取組
地域の資源である国有林を健全な森林として適切に管理すること、そして、その資源を活用する取組を行っています。以下は、その一例です。
■ 循環可能な森林資源による木材の安定供給
管内は、古くから林業・木材産業の盛んな地域です。今でも多くの木材を加工・利用する工場等があり、人工林資源をもつ国有林の役割は大きいものと考えています。循環可能な地域の資源となる森林を将来に向けて適切に管理するとともに、安定的な木材供給に取り組んでいます。
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下刈り作業後の造林地 | 間伐の行き届いた森林 |
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高性能林業機械による伐採作業 | 生産された丸太 |
■ 災害からの復旧と災害の防止
森林を適切に管理していくためには、その基盤となる林道の役割が重要ですが、昨年夏の豪雨により、多くの路線で被害が発生しました。今年度は、その被害からの復旧に重点的に取り組んでいるところです。また、山地災害の未然防止を図るため、治山事業に取り組んでいます。
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林道災害復旧工事 | 治山工事(山腹工) |
■ 森林とのふれ合いの場の提供
次世代を担う子供達に、森林の役割や大切さを知ってもらう機会として、小学生を対象とした森林教室の開催や、地域における森林とのふれ合いの場として利用していただくためのフィールド提供を行っています。
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小学生を対象とした森林教室の様子 | 「外ノ山遊々の森」協定式 |
3.国有林内の景勝地や観光資源
管内の国有林には、十和田八幡平国立公園、田沢湖抱返県立自然公園、真木真昼県立自然公園などの景勝地や乳頭温泉や玉川温泉などの観光資源があり、県内外問わず多くの方々にご利用頂いています。
■ 多くの名山と景勝地
太平山、秋田駒ヶ岳、八幡平、和賀岳など、管内の国有林には、東北百名山に数えられる山々があり、多くの登山客が訪れています。また、八幡平を源とする玉川の抱返渓谷や真木真昼県立自然公園にある真木渓谷など柱状節理や浸食作用によって出来たV字谷が連続した素晴らしい景観などが見られます。
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太平山山頂 | 駒ヶ岳山頂 |
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八幡平ドラゴンアイ | 美山湖(協和ダム) |
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新緑の真木渓谷 | 紅葉の抱返渓谷回顧の滝 |
■ 温泉郷
秋田市内から車で1時間半、玉川上流部に位置する国有林には、PH1.1の強酸性泉が湧出する玉川温泉郷、乳頭山麓に点在する7つ湯で構成される乳頭温泉郷があり、全国各地からの湯治客で賑わいます。
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玉川温泉郷 | 乳頭温泉郷 |
■ 仁別自然休養林(仁別国民の森)
天然秋田杉が残されている仁別国有林(秋田市)には、地域林業の歴史を辿ることのできる森林博物館があり、休日には、多くの方々にご利用頂いています。
また、ここ仁別自然休養林は、全国のレクリエーションの森の中から、観光資源として価値の高い森林として「美しの森林お勧め国有林」に選ばれており、今後充実を図る予定としています。
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仁別森林博物館を望む | 樹齢200年を超える「めおと杉」 |
4.おわりに
秋田森林管理署に赴任して3ヶ月ですが、管内の山々を見て、民有林、国有林を問わず、美しい森林が多いという印象です。成長の良いスギ林が広く見られ、古くからの林業地であることが頷けます。また春の山菜採りなどこの豊かな森林が地域と深く関わっていることを実感しています。
管内には、今回ご紹介した内容の他にも、まだまだ多くの見所や特徴があるかと思います。これから様々な現地に足を運び、更に多くの見所などを見つけてみたいと思います。
お問合せ先
林野庁東北森林管理局秋田森林管理署
ダイヤルイン:018-882-2311
FAX番号:018-882-2614