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東北森林管理局

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    三陸北部森林管理署久慈支署

    「署長が語る!」

                      令和元年12月
    三陸北部森林管理署久慈支署
      支署長  東海林 見

     

      三陸北部森林管理署久慈支署は、岩手県北東部に位置し、久慈・閉伊川森林計画区内北部の久慈市・洋野町・野田村・普代村及び岩泉町の一部の国有林約2万7千haを管理しています。

     

       
                                久慈支署庁舎

    1.久慈支署管内の特徴

      管内の特徴としては、海岸部は日本三大リアス海岸の一つである、三陸復興国立公園があり、その中にはテレビドラマ「あまちゃん」で有名になった小袖海岸があります。また、沿岸漁業も盛んであり、国内でも数少ない魚つき保安林も管理しております。
      内陸部は国道281号線沿いの両側に広がる白樺の美林で有名な平庭高原があり、そこでは東北唯一の闘牛が開催されております。更に鍾乳洞も多く存在し、中でも内間木(うちまぎ)洞は総延長が日本三大鍾乳洞である龍泉洞より長く、限られた気象条件の下でしか見られない氷筍(ヒョウジュン)が見られる数少ない洞窟があります。
    (詳細は東北森林管理局発行「緑の東北173号で紹介」
      また、森林の特徴としては、当支署で管理している国有林のおよそ半数がブナ等を主とした天然林で、次いで4割が岩手県の木でもあるアカマツ、次いでカラマツの順となっており、スギは1%余りです。
      なかでも、侍浜にあるアカマツは、成長・形質とも優良なことから、「侍浜松」として特別母樹林に指定され、平成12年には21世紀へ生き続ける資産として「巨木を育む森」として併設されております。

     

       
                テレビでも有名になった小袖漁港と夫婦岩               三崎山国有林の魚つき保安林と久喜漁港
                             平庭高原の白樺林              平庭高原闘牛大会(東北では唯一の開催)
                     内間木洞と氷筍(ヒョウジュン)                    特別母樹林指定されている侍浜松



    2.
    管内における各種事業の着実な実行と低コスト化に向けた取り組み

      当支署の国有林は、久慈市の水瓶である滝ダムを含む長内川や久慈川及び岩泉町安家川上流の森林整備並びに路網の整備、更に沿岸部の漁場保全のための治山事業の実施等を行っております。

      また、各種事業を効率的に実施するうえで必要とされる、生産事業と植栽を組み合わせた一貫作業システムの実施による低コスト化や鉄の生成の際に生まれる副産物(鉄鋼スラグ)を活用した林道工事など、土木工事における先進技術の導入なども行っております。

     

       
     生産事業と植栽を組合わせた一貫作業システムの現地検討会(写真はディブルを使用しコンテナ苗を植える様子)      地すべりの発生を抑制する集水井工
       
         久慈地域の特徴でもあるアカマツ間伐材  天然力を活用したアカマツの天然下種更新(写真中央は平成29年度母樹を残して伐採した箇所で、周辺も伐採後30年を経過した天然更新のアカマツ林)
     
       耐久性にも優れた鉄鋼スラグを利用した林道新設工事  

     


    3.民有林との連携の推進

      当署は、明治19年に岩手大林区署久慈派出所として開設されて以来130年もの間、大きな合併等もなく現在に至っており、古くから地元との繋がりが多く、民有林との連携においても、年度当初と年度末に管内各市町村及び林業事業体が一堂に会して行う、久慈地区林業関係業務打ち合わせ会議及び久慈地方森林経営検討会を開催し、国有林野事業と各市町村との情報共有を行っているほか、間伐材の有利販売や一貫作業システムの普及のための現地検討会等を開催しております。

      また、久慈地方における林業の総合的な振興を図るため、県が主体となって設立した「久慈地方林業振興協議会」とも連携し、各市町村持ち回りで植樹祭を行うこととした「森づくり大会」や管内の小中学生が夏休みに作成した木工作品を対象とした木工コンクールなどにも参加しております。



       
                久慈地区林業関係業務打ち合わせ会議                          採材検討会の様子
            今年は久慈市侍浜の国有林で開催された森づくり大会 大        会では抵抗性アカマツのコンテナ苗を専用器具で植樹
     久慈地方木工コンクール(200点を超える作品から選ばれた受賞作品)  久慈支署長賞を受賞した作品(作品名:かぶたっくとくわがったん)


    4.地域林業への貢献

      岩手県内におけるカラマツの造林需要が高まる中、カラマツ種子の安定的な確保のため、平成25年より国有林野内にある旧侍浜カラマツ採取園について、岩手県、林木育種センター及び当支署とで協定を締結し断幹・剪定を行い、平成30年には800㍑を超える球果を採取するなど、活用を図っております。
      また、近年問題となっている林業の担い手対策として、平成29年に久慈地域の林業・木材関係事業体27社によって設立された「木の仕事」協議会へ当支署も県・市町村とともに賛助会員として参加、地元高校生を対象とした講義や体験林業を行っております。



       
            平成25年に協定を締結した旧侍浜カラマツ採取園                           カラマツ球果
                体験型講座に参加した地元久慈東高校生                   久慈支署は丸太の検知体験を実施


    5.森林環境教育の推進

      未来を担う子供たちに対し、森林を身近に感じ興味を持ってもらうため、地元の要請に応じ、県・市町村と連携した森林環境教育の実施も行っております。

       
                     森林教室で元気に答える生徒たち                県の職員も講師をしていただきました


    6.自然災害からの復旧

      平成23年の東日本大震災や平成28年の台風10号、更には今年台風19号の襲来など、重なる自然災害に見舞われた久慈支署管内ですが、現在も地域一丸となっての復旧事業が進められており、当支署においても国有林における林道及び山腹崩壊等の施設災害復旧を通じ、地域の復興に協力して参ります。



       
              平成28年の台風10号災害の復旧工事が進む安家川           今年10月の台風19号で発生した漁港裏の山腹崩壊

    7.最後に

      そのほかにも地域の行政機関として、各種イベント等へ積極的に参加をしており、今後も森林整備と併せ、地域発展への協力を進めてまいりたいと思います。



     
              洋野町で開催されたウニの森づくり植樹祭へ参加               森と湖に親しむ旬間では、川まつりへ毎年参加
       
          久慈市秋祭りへも岩手県北広域振興局として職員が参加        地元小学生が学区内探検で支署を訪れ森林について勉強


    お問合せ先

    • 林野庁 東北森林管理局
    • 三陸北部森林管理署 久慈支署
      岩手県久慈市夏井町大崎14-12      
    • Tel:0194-53-3391   IP:050-3160-5905
    • Fax:0194-52-2653

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