岩手北部森林管理署
「署長が語る!」
令和元年10月
岩手北部森林管理署
署長 畠沢 重年
岩手北部森林管理署は、馬淵川上流流域2市3町1村のうち、八幡平市、二戸市、一戸町及び葛巻町の2市2町にまたがる約5万3千ヘクタールの国有林を管理経営しています。
管内には、森林景観に優れた地域や森林レクリエーションの適地が多く、八幡平生物群落保護林や松川自然休養林等を設定しています。
また、十和田八幡平国立公園に指定されており、登山や自然観察のほか、温泉やスキー場の施設が整っており、保健休養の場として多くの人々に利用されています。
岩手焼走り熔岩流 | 八幡沼 |
1 自然豊かな八幡平
八幡平(標高1,613m)は、岩手・秋田両県にまたがる台地状火山です。八幡平山頂へ向かう散策路は緩やかな勾配に歩道も整備されており、気楽にトレッキングをを楽しむことができます。例年4月中旬には、八幡平アスピーテラインが開通し、高さ数メートルにもなる雪の回廊が5月中旬まで見ることができます。山頂付近の鏡沼は、沼の残雪が龍の目のように見える「八幡平ドラゴンアイ」が話題を集め、多くの観光客の目を楽しませています。
八幡平ドラゴンアイ | 紅葉の茶臼岳 |
2 四季折々変化に富む安比高原(あっぴこうげん)
安比高原は全国有数の安比高原スキー場で知られていますが、かつては牛馬の放牧により美しい草原が広がっていました。現在は畜産業の衰退とともに藪化しており、昔の美しい環境を取り戻そうと、地域の方々がボランティア団体を組織し、シバ草原復活に向けた環境保全活動に取り組んでいます。
また、安比高原を中心とした一帯はペンションの宿泊施設も充実しています。レクリエーションの森として指定されていて、四季折々変化に富んだ自然の中で、草花や樹木、昆虫を観察したりスキー場以外の野外スポーツを楽しむことができます。
新緑のブナ二次林 | シバ草原での馬放牧 |
ヤナギラン群落 | 安比高原スキー場(夏) |
3 林産物の安定供給
当署の国有林には秋田県能代市へ流れる米代川、青森県八戸市へ流れる馬淵川、宮城県石巻市へ流れる北上川のそれぞれの源流部が含まれており、各流域の水源の涵養、国土保全への貢献が求められています。
素材・立木販売意見交換会を通じて関係業界のニーズを把握し、木材の安定供給を図ります。
山元土場 | 素材・立木販売意見交換会 |
4 森林・林業再生に向けた貢献
民有林と連携してICT活用研修と作業システム高度化に関する現地検討会を開催しました。
造林事業の省力化を推進する技術開発の取り組み(コンテナ大苗試験地の増設)
山もっとジョージの実演会 | コンテナ苗の植栽(現地検討会会場) |
5 地域振興への寄与
「焼走り自然観察教育林」等の環境整備を通じ、地元の観光需要の拡大に寄与する取り組みを推進します。
国産漆の需要拡大への対応に貢献するとともに、地域の木の文化を支えるため、漆振興に向けて生漆の供給や、造林地設定、造林可能箇所の情報提供に取り組みます。
カラマツ林内に新設した遊歩道 | ウルシ分収造林地 |
6 国民の生命・財産を守る治山事業
7 森林環境教育の推進と活動の支援
八幡平、安比高原など優れた森林景観を有しており、「自然観察教育林」や「遊々の森」等を利用した森林環境教育やボランティア活動を推進しています。
令和元年度も5校の小学校を対象に13回実施する予定です。
安比高原遊々の森での森林教室 | 出前森林教室 |
ブナ二次林を散策 | 樹木博士クイズに挑戦中 |
【終わりに】
岩手北部森林管理署は、明治21年に「岩手大林区署福岡派出所」として創設され、130年の長い歴史を地域と共に歩んできました。
今後も「地域にとって、有って良かったと思われる森林管理署」を目指し、地域の山村・林業を元気にして、美しい森林づくりを推進していきます。
お問合せ先
林野庁 東北森林管理局
岩手北部森林管理署
〒028-7534 岩手県八幡平市荒屋新町41番地8号
- (IP) 050-3160-5895
- (一般) 0195-72-2221
- (FAX) 0195-72-2300