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東北森林管理局

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    津軽森林管理署金木支署

    「署長が語る!」

                      令和元年9月
    津軽森林管理署金木支署
    支署長  髙阪 覚

     


    【管内の概要】
      当支署管内は、津軽半島にある津軽脊梁山脈の日本海側に位置する、五所川原市、つがる市、中泊町、鶴田町、板柳町の2市3町、総面積9.6万ヘクタールのうち、約3万ヘクタールの国有林を管理経営しています。
      津軽半島の日本海側には広大な津軽平野が広がり、稲作をはじめとする農業が盛んな地域で、津軽脊梁山脈に位置する国有林は水源地として重要な役割を果たしています。
      また、日本海に面した屏風山国有林は藩政時代より植林が行われ、防風保安林として日本海からの強い西風を弱め、飛砂等の被害から津軽平野の人々の生活を守り続けています。

                  津軽平野と岩木山                 屏風山防風保安林


    【青森ヒバと津軽森林鉄道】
      日本三大美林の一つに数えられる「青森ヒバ」、管内は良質な青森ヒバの産地として知られ、その豊富な森林資源の輸送手段として、明治19年より津軽森林鉄道の建設が始まり明治41年までの3年間で青森~蟹田~中里~喜良市までの延長67kmが完成しました。
      明治42年から昭和42年までの58年間、津軽森林鉄道は青森ヒバの輸送に大活躍しました。
    トラック輸送の発達とともに津軽森林鉄道は廃止となりましたが、林内には現在も軌道跡や木橋、橋脚が数多く残っており、平成30年には「我が国初の森林鉄道」として林業遺産に登録されています。
      近年は良質な青森ヒバの大径材が減少したため、伐採量を縮減し、資源量の回復を目指し、計画的な伐採を行っているほか、かつてヒバ林が成立していた地域に「ヒバ林復元推進エリア」を設定し、平成29年度からエリア内において、主に天然力を活用して、スギ等の人工林からヒバ林への誘導に向けた取組を進めています。

       
                         青森ヒバ                      津軽森林鉄道




    【後世に伝えるべき治山 ~よみがえる緑~】
      平成25年度、林野庁では治山事業の実施100年を経過したことを機に、国土の保全に寄与した治山事業地を「後世に伝えるべき治山 ~よみがえる緑~」として、全国から60箇所を選定しました。当支署管内からは、大正から昭和にかけて設置された坪毛沢の「先人の知恵とヒバの耐久性を伝える木製えん堤」と「人々の暮らしを風や飛砂から守る屏風山海岸防災林造成事業」の2箇所が選ばれています。

    〇先人の知恵とヒバの耐久性を伝える木製堰堤
      五所川原市飯詰地区にある坪毛沢は、地域住民から暴れ沢として恐れられていました。山腹の崩壊等の防止のため、大正5年から昭和33年の間に、現地のヒバ被害木を資材として活用し、木製えん堤を12基施工しており、現在、11基を確認しています。


           6号えん堤(昭和28年施工)          9号えん堤(昭和29年施工)


    〇人々の暮らしを風や飛砂から守る屏風山海岸防災林造成事業
      1682年に津軽4代藩主信政公がこの地域の開墾を進めましたが、津軽半島の七里長浜に沿った海岸一帯は、強風による飛砂の発生が大きく進展しなかったことから、この地域に植栽を命じ、植栽を進めたことが屏風山成立の端緒です。その後、飢饉による乱伐等により屏風山海岸林は荒れ果て、人々の生活に重大な悪影響を及ぼすようになったため、昭和7年より海岸林造成事業が開始され、現在も継続しています。

     
       屏風山海岸防災林造成事業(昭和29年頃)   屏風山海岸防災林造成事業(平成27年)



    【国民参加の森林づくり】
      中泊町の中里中学校と「遊々の森の協定」に基づく活動として、1・2年生を対象とした森林教室のほか、青森ヒバの空中取り木苗の作製と植樹(1年生)、下刈と測樹(2年生)の体験活動を行っています。

              空中取り木苗の作成作業                     植栽作業
                          下刈り作業                       測樹作業



    【森林環境教育の取組】
      小田川土地改良区等の協力要請に基づき、地域の小学校を対象とした「森林の役割」等の森林教室や現地学習会を実施しています。

                           森林教室                     現地学習会



    【不法投棄防止等に対する意識の高揚】
      十三湖周辺の五月女萢防風保安林において、地元自治体、森林巡視員の会等と連携を図りながらゴミの不法投棄防止に向け、清掃活動を実施しています。

                           清掃活動                      集合写真




    【松くい虫・ナラ枯れ被害対策】
      松くい虫被害、ナラ枯れ被害が「屏風山海岸防災林」まで迫ってきており、県・市町と情報共有し早期発見のため巡視活動に努めています。また、地元住民の理解と協力が不可欠であることから啓発活動として現地研修会を開催しています。

                         現地研修会                      集合写真



    【インターンシップ対応】
      毎年、青森県立五所川原農林高等学校からの要請に基づき、2学年の希望者を職場体験として受け入れており、この中で、林野庁・東北森林管理局・金木支署などの組織及び国有林の分布状況、収穫調査の体験や各種事業の説明・見学などにより、職場の理解と林野庁への就職につながることを願っております。

                  インターンシップ1               インターンシップ2



    【管内の見どころ】
      津軽半島の日本海側に位置する管内は、山あり、海あり、湖あり、と自然環境に恵まれ、奥津軽の観光スポットも数多く、その一部を紹介します。

                     日本海と権現崎                     七ッ滝
                            斜陽館                 芦野公園の太宰像
               津軽森林鉄道(片刈石木橋)                   十二本ヤス
                          十三湖                   高山稲荷神社
                          立佞武多                        鶴の舞橋


    【終わりに】
      津軽森林管理署金木支署は、明治27年1月に金木小林区署として開庁され、以来、百年以上の永きにわたって奥津軽の国有林を管理してきました。この重責をしっかりと受け止め、地域の林産業の発展に寄与できるよう各種取組を進めていきたいと考えております。

    お問合せ先

    〒037-0202
    青森県五所川原市金木町芦野200-498
    林野庁東北森林管理局
    津軽森林管理署金木支署

    TEL 0173-53-3115
    FAX 0173-53-3197