このページの本文へ移動

東北森林管理局

    文字サイズ
    標準
    大きく
    メニュー

    海岸防災林造成の植栽樹種・方法に関する実証試験について

    1.実証試験の趣旨

    海岸防災林は、これまで海岸の厳しい気象条件の下でも生育し潮害、飛砂、風害の防備機能の発揮が期待できるクロマツを主体に造成・管理されてきたところです。

    一方で、東日本大震災において海岸防災林は津波による根返り被害が報告され、その再生に当たっては、根の健全な成長を図るための生育基盤の造成のほか、津波エネルギーの減衰、生物多様性保全等の観点も踏まえ、クロマツを主体に植栽しつつ、クロマツ成長後の下層や内陸部への高木となる広葉樹の導入を図ることとしているところです。

    また、海岸防災林の再生に当たっては、学識経験者等から植栽樹種・方法に関する取組や提言があったところです。

    このようなことを踏まえて実証試験を平成265月より開始することとし、気象条件が厳しい海岸においても効果が期待される植栽樹種・方法等を検証して、その成果を海岸防災林の再生や全国の海岸防災林機能強化に反映することとしています。

     

    2.実証試験の内容

    試験内容は、気象条件の厳しい海岸の最前線において、これまであまり植栽実績のないクロマツ以外の樹種も含めた次の視点で試験区を設定して植栽試験を行っています。

     

    ・マウンドの有無による生育基盤の形状の違い

    ・客土による土壌条件の違い

    ・単植や混植による植栽方法の違い

    ・植栽樹種の違い

     

    これらの視点に着目し、植栽木の生育状況をモニタリングし、海岸防災林としての防災機能の発現状況や初期造成・保育コストを検証しています。

    なお、モニタリング調査は主に下記項目について実施しています。

    【試験地の環境】

    気象環境(降水量、気温、風等)、生育基盤環境(地形、土壌物理性、土壌科学性等)

    【生育状況】

    地上部の生育(根元直径、樹長、活着状況)、根系発達(直根発達深度、側根発達範囲、根重量等)

     

    3.調査結果

    実証試験は、令和2年度末現在で7年目に当たり試験区ごとに植栽木の活着、初期成長等について整理し、その差を分析することができました。(なお、植栽樹種・方法等の違いが、将来の海岸防災林の再生や機能発揮にどの程度影響するのか、現時点では十分に分析できる知見が集約されている段階ではありません。)

     

    「海岸防災林造成の植栽樹種・方法等に関する実証試験」に関する調査結果(PDF : 5,762KB)

     

    4.その他

    平成26年度から令和2年度までは、東北森林管理局が実証試験を実施してきましたが、令和3年度以降は林野庁治山課が主体となり実施していきます。

    お問合せ先

    計画保全部治山課
    担当者:調査係
    ダイヤルイン:018-836-2254
    FAX番号:018-836-2018