岩手北部森林管理署の見所
焼走り熔岩流
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岩手山と焼走り熔岩流 | コマクサの群生 |
宮沢賢治の詩碑 |
見所の概要
日本百名山の一つでもある岩手県最高峰の岩手山は、標高2,038mの2つの外輪山からなる複式火山です。1732年(享保16年)、岩手山が噴火したときに流れ出た熔岩が冷え固まって出来たものが「焼走り熔岩流」です。
熔岩流の延長は約4km、幅は約1kmに達しており、熔岩は暗黒色の多孔質な塊状で、小さなものは大人の拳ほど、大きなものでは直径1mに達するものもあります。こうした熔岩が不規則に堆積した状態となっており、厚さは5~10mと言われています。
また、熔岩流には、熔岩じわと熔岩堤防により、波紋状の凹凸が形成されており、積雪初期や融雪期に、この凹凸が白と黒のコントラストを生じさせ、一見、虎の紋様に見えたりすることから、焼走りの「虎形」と称されています。
さらに、第一噴出口跡上部の砂礫地帯には、高山植物の女王の呼び名で知られているコマクサの群生地があり、初夏には桃色の可憐な花を咲かせます。
日本は火山国で、熔岩流は決して珍しいものではありませんが、焼走り熔岩流は、噴出年代が明らかで、二百数十年を経た今でも樹木で覆われることなく、地形的改変もなく、荒涼たる岩原を現出して噴出時の全貌を留めているのは稀であり、学術的に貴重なものであるとして、昭和27年に国指定の特別天然記念物に指定されています。
岩手県出身の詩人、童話作家である宮沢賢治は、登山が好きで、よく岩手山に足を運びましたが、この熔岩流を見た感動を「鎔岩流」という詩に書き残しており、その深淵の激しい鬼気を表現しています。その詩は、1981年(昭和56年)、焼走り熔岩流の北東端近くに詩碑として建立されており、賢治ファンのよく知るところになっています。
交通アクセス
交通アクセス
東北自動車道「西根IC」から車で約20分
お問合せ先
岩手北部森林管理署
〒028-7534岩手県八幡平市荒屋新町41-8
TEL 0195-72-2221
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