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33号 |
平成24年3月発行 |
四万十川森林環境保全ふれあいセンターでは、愛媛県宇和島市の「滑床山山頂」(通称:三本杭)及び高知県(四万十市)との県境の「たるみ」において、ニホンジカの食害により消滅したミヤコザサなどの植生回復に取り組んでおり、平成19年3月にボランティアの皆さんにご協力いただいて移植したミヤコザサは順調に成長しております。
このたび、拡がりつつあるミヤコザサの地下茎を保護し、さらに成長を促すため、シカ防護ネット柵内の登山道を地面にロープを這わし標示しましたので、登山される方はロープ内を通行されますよう、ご理解、ご協力をお願いいたします。
順調に成長したミヤコザサ等(三本杭) |
ロープで標示した登山道(三本杭) |
順調に成長したミヤコザサ等(たるみ) |
ロープで標示した登山道(たるみ) |
ドリルで穴開け(蕨岡小)
お母さん大活躍(南郷小)
トンカチでトントン(南郷小)
いっぱいできるかな?(南郷小) |
2月はシイタケ栽培のためのホダ木作りの適期です。 四万十市立蕨岡小学校(全校児童42名)と黒潮町立南郷小学校(3・4年生14名)からシイタケの駒打ち体験の支援要請があり実施しました。 シイタケのホダ木作りは、直径10センチメートル、長さ約1メートルほどの原木(今回は四万十町産のクヌギを使用)に電動ドリルで穴を開け、シイタケの種駒を木槌や金槌で打ち込みます。 蕨岡小学校では昨年度も実施しており、高学年の児童がドリルを使って穴を開け、低学年が種駒を打ち込みます。 高学年の児童の中には昨年度の経験から手際のよい子もいますが、初めて電動ドリルを使う子もおり、そんな子はおっかなびっくりでしたが、だんだん慣れると1本のホダ木の穴開けもあっという間に片付けてしまいました。低学年の児童は、上級生が開けた穴に種駒を金槌や木槌を使って打ち込むのがおもしろいらしく、上級生が穴を開けるのを待ちかねたように何人もが協力して1本のホダ木に打ち込み、あっという間に準備したホダ木すべてを打ち終えました。 一方、南郷小学校は参観日を兼ねており、父兄も一緒に行いました。初めての経験でなかなかはかどらず、職員も心配しましたが、見かねたお父さんお母さんが大活躍。あっという間に用意した種駒を全部打ち込み、できたホダ木は校舎裏の樹木の下に立て込みました。 今回作ったホダ木は、早ければ今秋にシイタケを収穫できるかもしれません。たくさんできるといいですね。また、この体験をとおして、森林や林業に興味や関心を持ってくれることを期待しています。
2月7日 四万十市立蕨岡小(全校児童) 42名 2月26日 黒潮町立南郷小(3・4年生) 14名 |
昨年の秋は、八面山での森林教室へたくさんの学校に来ていただきましたが、1月~3月は屋内でできる木工クラフトの申し込みが多数ありました。 用意したサクラの枝をノコギリや剪定ばさみ等を使って切り、木工用ボンドで貼り付けたりしながら思い思いの作品にしていきます。 ノコギリやクラフトナイフなどの刃物は取り扱いに注意が必要で低学年にはなかなか難しく、また、多人数の場合は目が行きとどかないため、当センターが予め用意した輪切りやキットなどを使って作品を作ってもらいます。 当センターでは、輪切りを貼りあわせて作るクマのストラップが定番ですが、出来上がった作品の表情は千差万別で、少々形が不揃いであったり、ノコギリの跡ででこぼこがあっても、自分で作った作品は愛着もひとしおで、出来上がった作品を手に得意満面の笑顔で見せてくれます。 中学生になると当センターの職員が作った見本からは想像もつかないようなオリジナリティーあふれる作品が出来上がることもあります。 加工技術も必要になり、少々職員を悩ませるような希望もありますが・・・。 木は身近な材料で比較的簡単に加工することができ、自然の材料を使ったものは同じものが2つとできないため、プラスティックなどでできた工業製品にはない、木のぬくもりを感じてくれているようです。 木工クラフトの締めくくりは毎回、所長の「将来、家を建てる時は木を使ってください」というお願いです。この体験が、林業振興の一助になってくれることを期待しています。
2月7日 愛南町立緑小学校(全校児童) 44名 2月10日 大月町立大月小学校(1・2年生) 72名 2月16日 黒潮町立南郷小学校(1~4年生) 24名 3月7日 神奈川学園中学校(3年生) 36名 |
共同作業(緑小)
できた!!(大月小)
できた!!(南郷小)
できた作品にご満悦(神奈川学園中) |
四万十町(旧十和村)大道のアカマツは、枝下が高く、樹形が通直で、樹脂が少ないことから良好な用材となったため「大道マツ」としてよく知られています。
しかし、伐採やマツクイムシによる松枯れ等で減少し、現在では古屋山林木遺伝資源保存林に指定されているアカマツ保護林にも約100本程度が残っているのみです。
当センターでは、この大道マツを再生するために保護林内に試験地を設け、「地かき」や「下刈り」を行って「大道マツ」後継樹の育成に取り組んでいます。
試験地の幼稚樹は高さ1メートルを超えたものも多数あり、順調な生育を見せている一方で、母樹となる大道マツはマツクイムシにによる松枯れで年々減少の一途をたどっています。そのため、母樹の減少を食い止めるため、昨年度から松枯れ防止剤の樹幹注入を行い、本年度で保護林に残存するアカマツ全てに注入を完了しました。
使用した松枯れ防止剤の効果は7年とされており、少しでも母樹の減少を食い止めることができるものと期待しています。
大道マツの幼稚樹 |
樹幹注入 |