ホーム > 森林管理局の概要 > 森林技術・支援センター > 天然更新試験地検討会
6月25日~27日、技術開発課題である天然更新技術の確立についての現地検討会を、安芸署管内和田山国有林及び西ノ(にしの)川 (こう)山国有林等で開催しました。
検討会には、木曽ヒノキ等の天然更新で多くの成果を挙げている元京都大学助教授の赤井龍男氏、高知大学農学部塚本次郎准教授、(独)森林総合研究所四国支所加茂皓一研究調整監、奥田史郎人工林保育管理担当チーム長、佐藤重穂源流域森林管理担当チーム長を専門家として招き、局計画部長をはじめ、安芸署、四万十署から関係者の出席がありました。
1日目は、和田山国有林のヤナセスギの天然更新試験地で、昨年の春に発生した稚樹の生育状況を確認しました。稚樹の中には樹高20cmを超えるものもありましたが、クマイチゴ等稚樹を被圧する下層植生も見られたことから、新たな刈り払いの試験区の必要性についての検討が行われました。
2日目は、西ノ川山国有林のヒノキ天然更新試験地で、下層木を刈り払った試験区画の稚樹発生状況を確認しました。刈り払い効果により照度が高くなったため設定時になかった新たな稚樹の発生が確認された試験区画があった一方で、シダ(ウラジロ)が繁茂し、稚樹の生育を阻害している試験区画もあるなど、照度コントロールによる下層植生の繁茂が課題であることが判明しました。また、シカの食害対策についても検討を行いました。
3日目は、四万十署官内久保谷山国有林で、モミ、ツガ等の天然更新試験区画の、植生調査に基づき作成された林分の立体構造図を現地で確認しながら、今後の試験設計等について検討しました。
今回の検討会をとおし、天然更新についての新たな課題が明らかになりましたが、技術の確立に向け、それらの課題解決を図っていくこととしています。
シダ(ウラジロ)の対処策を検討 | 繁茂した雑草木の対処策を検討 |
![]() |
![]() |
掲載:グリーン四国8月号 |