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作業路作設勉強会

平成19年度 作業路作設勉強会

森林技術センターでは、平成16年度から技術開発課題「長期育成循環施業に資する作業路作設手法の確立」に取り組んでおり、その一環として5月22日から23日まで、嶺北森林管理署管内伊留谷山国有林等において、高密度作業路作設に関する勉強会を開催しました。今回の勉強会は、本年度までの取組状況を踏まえ、1日目は、いの町越裏門地区の公民館で講義が行われ、計画課、販売課等局関係課をはじめ管内各署、高知県、事業体の関係者を含めた総勢70余名の参加となりました。

開催に当たり、川上計画部長から「森林の多様な機能の発揮と経済性を両立させるには路網は不可欠である。森林技術センターでは、高密度作業路作設技術の向上に向け取り組んできたところである。今回の勉強会もその一環であり、多くの人の見識を聞き、学び、大いに議論してもらいたい。(要旨)」と挨拶がありました。

午前中は高知大学教授の後藤純一氏、大阪府指導林家の大橋慶三郎氏、長年大橋講師に師事しており、清光林業社長である岡橋清元氏による講義、午後は大橋講師に師事し、三重県等で路網の設計、施工を行っている榎本慎一氏による現地踏査が行われました。

後藤講師からは、路網活用型集材作業システムについて、
1.作業路を地形等条件に応じて、
 (i)強い降雨に対応した切り土主体の路体
 (ii)地耐力が弱い土質に対応した補強路体
 (iii)架線集材を前提とした幅員が広い路体
 (iv)表層土活用盛り土のり面成型路体等
のタイプ分けを行い、
2.さらに、それぞれの特質を生かし、土質、傾斜、降雨量及び材価を元に高性能林業機械の種類や架線集材との組み合わせを選択する「林地条件に対応したシステムの選択」
についての講義がありました。

大橋講師からは、作業路計画の3本柱として
 1.自分の目で見て計画、
 2.尾根に幹線を、中腹のタナ地形に支線
 3.避けるべき地形を避け、いつでも通行できる道
を挙げ、作業路計画には踏査が重要であり、踏査の前段として現地の写真を多く撮り、その中から山の地形を読み取る技術についての講義がありました。

岡橋講師からは実際に自社の森林で高密度作業路網を作設している立場から、路網は環境と経済性との一致を主眼に置くなど路網作設に当たっての基本的な考え方、路網整備によって得られるメリット、作業路作設の手順についての講義がありました。

午後は伊留谷山国有林257林班の森林技術センターの技術開発フィールドに移動し、榎本講師の指導の下、現地の地形を一つ一つ入念に見る踏査が行われました。現地では、地形だけでなく植生も見て山の状態を知ること、緩やかな傾斜地でも水の制御を考えながら道をつけていくこと等、きめ細かな指導がありました。

2日目は民間事業体のオペレーターを中心に30余名の参加で、榎本講師によるバックホーを用いた実技指導を行いました。

今回の勉強会では、特に写真等による地形、地質の十分な把握と納得するまで何日もかけるという踏査の重要性について学ぶことができました。センター職員にとっても作業路作設の難しさを改めて実感することができ、今後の技術開発の推進に大いに役立つものとなりました。


真剣に耳を傾ける受講者たち 現地での実技指導
真剣に耳を傾ける受講者たち 現地での実技指導
掲載:グリーン四国6月号

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