地球温暖化傾向に伴うヤナセスギ等の成長促進効果の検証作業について
分野:水土保全及び森林と人との共生を重視した森林施業の確立
技術開発課題名
地球温暖化傾向に伴うヤナセスギ等の成長促進効果の検証作業について
技術開発完了報告書(PDF : 277KB)
完了年度(開発期間年度)
平成20年(平成18~19年)(1年間延長)
開発の目的等
四国局管内の国有林に分布するヤナセスギ等について、年輪解析の手法を用い、肥大成長が気候変動への呼応及び現在までの樹幹蓄積量と、その環境価値の推移を明らかにすることで炭素固定能力を定量的に評価し、将来的に懸念される温暖化による地球環境の悪化への防止対策の一助とする。
開発の成果等
(1) 年輪解析の手法を用い、解析に必要な樹齢(概ね100年生以上)を持つヤナセスギ及び高齢級人工林スギで検証した結果、ともに1~2月の気温の関与が大きく、この 時期の温暖化が進むにつれて肥大成長が大きくなることが示唆された。(図)
(2) 容積密度について、最近20年間の平均値でヤナセスギ(420kg/m3)、高齢級人工林スギ(高知産393kg/m3、愛媛産348kg/m3)とも平均的な人工林スギ(314kg/m3)と比較して高い値を示した。
(3) ヤナセスギについては、成長量から算出した二酸化炭素吸収量(最近20年間のha当たり年平均吸収量15t-CO2(二酸化炭素トン))の面で、平均的な20年生前後のスギ人工林(12t-CO2(二酸化炭素トン)に劣らないということが示唆された。
図 - ヤナセスギの気温(気候)への応答
現地での試料(円板)採取の様子
年輪を測定する様子




