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フォレスター研修日記タイトル 

森林・林業の再生、林業の成長産業化を地域でけん引する人材の育成

森林・林業の再生、林業の成長産業化を実現していくためには、森林づくりと林業・木材産業の活性化に向けたビジョンを描き、その実現に向け、林業関係者等の合意形成を図り、国の制度や予算等を活用しながら具体的な取組の支援などを行う「森林総合監理士」(フォレスター)の活動が不可欠です。

北海道森林管理局では平成23~25年度に「准フォレスター研修」、「林業専用道技術者研修」等を実施、平成26年度からは森林総合監理士の候補となる若手技術者の資質向上を図り、研修後、国家試験(※)に合格し「森林総合監理士」の登録者として、地域において森林総合監理士活動を実践する者を育成する「技術者育成研修」、「実践研修」等を実施し、計画的な人材育成を進めています。   ※林業普及指導員資格試験(地域森林総合監理区分)

【技術者育成研修2日目】カラマツ人工林で森づくり構想(平成26年10月8日)

研修2日目は、午前中、「森づくり構想」の現地実習を小樽市塩谷国有林で行い、午後は研修会場に戻り「資源循環利用構想演習(林業専用道の講義、間伐計画と林業専用道の検討)を行いました。

 

森づくり構想実習

今日は朝から良い天気。

研修生一行はバスで現地実習を行う塩谷国有林のカラマツ人工林へ向かいました。

実習地 塩谷国有林のカラマツ人工林

実習を行ったカラマツ人工では、黄褐色に色づき始めた林内に秋の柔らかい日差しが降り注いでいました。

 

みなさんおはようございます

まずはプロセスマネージャーからこの実習の目標である「木材生産機能と公益的機能を調和させながら、科学的・技術的な知見と森づくりの思想・理念に沿った森林施業・森林管理が基本であることについて理解を深める」ため、しっかり対象林内を踏査し、グループ毎に「構想」をまとめるよう、朝から激励!

 

実習内容の説明をする講師

続いて北海道森林管理局計画課の講師から、実習内容についての説明が行われました。

 

森づくり構想の実習へ

さぁ、各グループ一斉に森の中へ入っていきます。

現地実習の舞台は、昭和33年(1958年)にカラマツが植え付けられ50年あまりが経過した人工林です。

この森を、森林簿、施業履歴、地形図等の森林情報及び現地踏査から、将来の森林の姿(目標林型)、生産目標、これらの実現のために現状の森林に必要となる誘導方法(施業方法)等について討論、グループ毎に発表し、意見交換を行います。 
 

カラマツ人工林を踏査 

研修生は、林内をくまなく踏査。

この森の現状を把握し、今後どのような施業方法をとっていけばよいかを真剣に検討しました。

 

とりまとめのアドバイスを行う講師

各グループには北海道森林管理局計画課の講師(左)が専属で付き、検討の方向を見守り、時にはアドバイスも。

 

現地踏査結果のとりまとめ中

検討結果は5枚の用紙にとりまとめ、発表の準備です。

 

森づくり構想発表

各グループの検討結果がまとまり、発表が始まりました。

「林況調査結果」、「求められる機能」、「目標林型」、「伐採方法」、「更新方法」などについて、いろいろな角度から検討した発表がありました。

発表と質疑応答

発表が終わる毎に、他のグループとの質疑応答です。

「なぜそのような考えになったのですか?」、「こう考えた方が良かったのではないですか?」、「川上から川下までの木材の流れはどう考えましたか?」

鋭い質問が飛び出し、発表者も説明に熱が入ります。

 

北海道大学 渋谷准教授による講評

発表後には、北海道大学大学院 渋谷准教授から検討結果について、「山主から信頼を得るためにも、フォレスターはなぜこの施業が必要なのか、データ等をもって説明できるよう準備が必要」、「人工林の伐採時期は、明確な生産目標を持って決定することが必要」、「地域の自然や社会的条件なども把握した上で、施業方法を検討する必要」などについてアドバイスをいただきました。 

 

講師による講評

渋谷准教授、林野庁 森林・林業技術者育成対策官、北海道森林管理局 技術普及課長から全体講評もいただきました。
 

メモを取りながら真剣に

研修生のみなさんは、メモを取りながら真剣に解説を聞いていました。

 

実習を終えてホッと一息 

1日目の実習を終えて記念撮影

実習と発表を終えて、みなさん笑顔で記念撮影。

 

お弁当の時間

午前の部が終わり、ホッと一息、楽しいお弁当の時間です。

昼食後はバスに乗り研修会場へ。

 

資源循環利用構想演習(林業専用道の講義、間伐計画と林業専用道の検討) 

研修会場に戻り、気分を切り替えて午後からは「資源循環利用構想演習」

  • 循環的な木材生産の戦略を描ける能力の習得
  • 森林・林業を地域の振興につなげるビジョンを構築できる能力の習得 

この演習目的に向かって、研修生は全力で取り組みます。

 

研修会場に戻って資源循環利用構想演習

この演習では、3日間に渡って次のような内容をグループ討議と現地実習を通じてとりまとめていきます。

  • 木材の流通・販売の動向を理解し、広域的な販売戦略を考える
  • マーケットを広域で勘案して、木材の生産目標を選択する
  • 「森林を科学的に評価する能力」と「循環的な木材生産の戦略を描ける能力」を統合・調和させて、森林・林業の将来ビジョンを描く

 

北海道森林管理局技術普及課の講師からは、この3日間の作業の進め方、さらには各作業に費やせる時間の配分などについて説明を行いました。

長丁場の演習であり、時間と進捗状況の管理をしっかり行わないと、間に合いません。

各グループ内では役割分担をしっかり決めてもらいました。

 

林業専用道の解説

次に、北海道森林管理局森林整備第二課の講師から、「林業専用道」の作設方法などについての講義を行いました。

 

地域の木材産業の概要解説

続いて、北海道森林管理局資源活用第一課の講師からは、この演習に必要となる、地域の木材関連産業の状況、あわせて、木材の新たな活用先ともなる「木質バイオマス」利用施設の北海道内における状況の解説を行いました。

 

プロセスマネージャーからの解説

3人の講師から、情報提供を受けた後、プロセスマネージャーからは演習における留意事項説明を行い、いよいよ演習スタートです。

 

演習作業1

まずは、明日の現地実習に先立ち、演習対象地である小樽市塩谷国有林の約1,000ヘクタールの団地を対象として、小樽市森林整備計画を念頭に、間伐計画と林業専用道の整備計画を大局的に検討します。

資源循環利用構想演習1

資料を確認し、情報を共有しながら進めました。

 

演習作業2

各グループには講師が専属で付き、検討の進み具合を見ながらアドバイス。

 

資源循環利用構想演習3

研修生ががんばっていると、ついつい講師からも熱の入ったアドバイスが。

 

演習作業3

林業専用道の机上案がだんだんできあがってきました。

 

資源循環利用構想演習2

明日の現地実習では、机上演習で作った案を持って、それが実際に現地に適用可能かどうかその適否を調べます。

また、踏査によって新たな情報を仕入れ、さらに検討を深めていきます。

 

演習作業4

現地実習で確認しなければならないポイントを図面にしっかり書き込みました。

明日は朝から小樽市塩谷国有林へ向かいます。 


Posted by 技術普及課|2014.10.8|技術者育成研修

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技術者育成研修

若手技術者を対象に、森林総合監理士活動の基礎となる能力(技術力、構想力、合意形成力、ビジョンを構築する能力)を習得・向上させる。

講義・演習の座学は東京都での集合研修で実施。北海道森林管理局では演習・現地実習を中心とするはブロック研修を実施。

実践研修 

若手技術者を対象に、地域において「森林総合監理士」活動を実践していく上で必要な知識・技術のレベルアップを図る。

地域特性等を踏まえた課題等をテーマに設定し現地検討方式で実施。


准フォレスター研修

森林総合監理士の試験、認定制度が本格的に始動するまでの間、市町村森林整備計画の策定等の支援業務を行う者に都道府県職員や国の職員等を認定するための研修。

(H23~25年度実施)

 

林業専用道技術研修

林業専用道を作設していくために必要な知識、技術を講義、演習及び現地での検討等を通じて習得するための研修。

(H23~25年度実施)  

 

  

お問い合わせ先

森林整備部技術普及課
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