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タイトル

 

ウエツキブナハムシ   Chujoa uetsukii

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成虫(上面)

 

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成虫(下面)

左:♂    右:♀

分類

甲虫目ハムシ科 ヒゲナガハムシ亜科

分布

本州、四国、九州

被害

幼虫,成虫ともにブナの葉肉のみを食害し、被害葉は葉脈だけが残る。被害は数年で終息するといわれている。葉は喰われるが、ナラ枯れのように枯死することはない。

生活史

年1世代で、8月頃に成虫が出現。卵はブナの葉一枚に20~200程度をまとめて産卵。幼虫は葉の上面について食害し,若齢時には一葉に数十頭の集団でいるが、成長とともに分散し、終齢時にはほぼ一葉に一頭づつ付着している。食害量が多くなるのは8月下旬から9月上旬で,この頃以降に被害が目立つ。9 月上旬頃から老熟幼虫は土中に蛹室をつくり幼虫のまま越冬する。

形態

ふ化後の卵殻

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(下面)

幼虫 

終齢幼虫

蛹室内で越冬体勢の幼虫

蛹室

sanagi

蛹は、大量発生地で多数見られたこと、蛹室の形状が飼育下で確認したものと同じであったことから推定。

被害状況

 

食痕

幼虫は全面舐めるように。成虫の食痕は線状に跡が見られ、食べ残しも多いため、より濃い褐色に枯れる。

食痕

成虫の食痕

幼虫の食痕

右上が幼虫、左下が成虫

食害後の葉の色の変化(緑→黄→茶)。食い尽くされた葉はやがて落ちる。

 

成虫の糞は粒状。幼虫の糞はひも状。 

 成虫の糞

 

幼虫の糞 

天敵

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ボーベリア バッシアナ

   

ヒガラ                                                         オオルリ

ten5

その他

成虫は灯火に飛来し、山間の自動販売機や電話ボックスに多数集まる。
発生の多いところでは販売機の中にももぐりこんで乾燥標本になっているので、成虫・幼虫の活動期が終わっても発生を確認することが可能。

自動販売機に封印された成虫

電話ボックスの中の成虫

 

生活サイクルと被害標高分布 (朝日山地周辺2008)

 関連リンク

ウエツキブナハムシ観察日記 2010

ウエツキブナハムシ観察日記 2009

ウエツキブナハムシ観察日記 2008(PDF:3,816KB)

森林病虫害情報 2008「ウエツキブナハムシ大発生」

朝日山地森林生態系保護地域周辺の被害分布状況 2008

2010 被害位置図(東北森林管理局森林整備課作成)(PDF:438KB) 

動画

成虫の摂食行動 どちらもあまり動きはありません(60秒)
幼虫の摂食行動
成虫の摂食行動(1800倍速) 成虫は5時間半を10秒に、幼虫は40分を4秒に圧縮。実際はこんなに早くは食べません。
幼虫の摂食行動(600倍速)

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お問い合わせ先

朝日庄内森林生態系保全センター
電話:0235-58-1730
FAX:0235-58-1731
〒997-0404 山形県鶴岡市下名川字落合3


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