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更新日:24年12月18日 1.石鎚山系森林生態系保護地域西日本最高峰の石鎚山(1,982)を中心として、西は二ノ森(1,929m)を経て堂が森(1,689m)まで、東は土小屋、岩黒山(1,745m)、筒上山(1,859m)を経て手箱山(1,806m)までの約4,200ヘクタールの範囲が保護林になっています。春は鮮やかな新緑、夏は高山植物が咲き乱れ、秋は色とりどりの紅葉、冬は純白の世界になり、四季折々の表情が楽しめます。 標高差は、一番低い面河渓(700m)から石鎚山まで約1,300mあり、面河渓関門付近の暖温帯林から中間温帯林、冷温帯林を経て石鎚山頂付近の亜寒帯林に至まで植生の変化(垂直分布)がよく観察できます。 主な植生は、暖温帯林ではウラジロガシ等、中間温帯林ではモミ・ツガ・ブナ・シデ類・カエデ類・ケヤキ等、冷温帯林ではブナ・ミズメ・ミズナラ・カエデ類・ウラジロモミ等、亜寒帯林ではシコクシラベ・ヒメコマツ・ダケカンバ等が見られ、標高の高いお花畑では、シコクフウロ(イヨフウロ)、キレンゲショウマ、ナンゴククガイソウ、ミヤマダイコンソウ、シコクイチゲ等の高山植物が見られます。 また、動物も多様性に富んでおり、ほ乳類ではサル、ノウサギ、ムササビ、モモンガ等約20種、鳥類ではクマタカ、ハヤブサ等の猛禽類やキビタキ、オオルリ、カッコウ、コマドリ等約80種、両生類や昆虫類ではイシヅチサンショウウオ、アサギマダラ等約3,000種が生息していると言われています。 この森林生態系保護地域では、生態系を守るために、植物の採取や動物(小動物や昆虫なども含む)の捕獲、キノコ狩り等は原則禁止されています。 石鎚山:日本百名山、日本百景の1つ。山岳信仰の山でもあり、毎年、7月1日から10日までの間に「お山開き」の神事が執り行われ、多くの信者が参拝登山に訪れる。 保護林マップ登山道の距離が長く、岩場や急斜面もあるため安全には十分ご注意下さい。 イラストマップ上空から見た保護林▲保護林の一番西側に位置する堂ヶ森付近から石鎚山方面を望む。(2012年3月22日撮影) 稜線より北側(左側)は断層崖が発達し、南側(右側)は笹の草原が広がっています。
▲石鎚山(日本百名山)から二ノ森への稜線。(2012年3月22日撮影) 石鎚登山のメインルートはロープウェイを利用し夜明峠(写真右)を経由するルートと、石鎚スカイラインを利用し土小屋(写真下方面)を経由するルートが一般的です。 山頂の1つ弥山には石鎚神社奥宮があり、宿泊もできます。
▲保護林の一番東側に位置する手箱山付近から石鎚山方面を望む。(2012年3月22日撮影) 手箱山や筒上山も石鎚山と並び古くからの霊場です。
その他の写真はフォトアルバムをご覧下さい。 保護林内の高山植物石鎚山周辺は高山植物の宝庫で、登山道沿いからでも様々な種が観察できます。 上記に記載したシコクフウロ(イヨフウロ)、キレンゲショウマ、ナンゴククガイソウ、ミヤマダイコンソウ、シコクイチゲの他にも シモツケソウ、イシヅチボウフウ、コオニユリ、コウスユキソウ、タカネマツムシソウ、キバナノコマノツメ、シコクハタザオ、ミソガワソウ、イワカガミ、フクリンササユリ、タマガワホトトギス、イシヅチザクラ(写真下)、オオヤマレンゲ、ベニドウダン等々約1200種の植物が生育しています。 ▲天狗岳とイシヅチザクラ 石鎚山で最初に発見された桜です。四国固有の種で、石鎚山系から赤石山系にかけての亜高山帯に生育しています。 ▲山深くひっそりと咲くタカネバラ 四国の亜高山帯と中部地方以北に分布しており、石鎚山系では、ごくわずかしか生育していません。
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