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2011国際森林年記念 国有林野事業見学会 「紅葉の高尾山を歩こう!」 

 関東森林管理局では、国有林野事業を広く一般の方に理解していただくことを目的として、毎年事業見学会を開催しています。

 今年度は、国際森林年を記念して、ミシュランガイド三ツ星に認定され、年間約400万人が訪れるという高尾山の森を歩き、多くの人々の信仰や森林保護の元で守られてきた歴史を振り返ると共に、今後更に求められる多様なニーズに対し、自然や文化を守りながら、森林のあるがままの姿を次の世代へ引き継ぐためにはどうしたらよいのかを考える1日となりました。

高尾山の歴史

薬王院

 高尾山は、東京都心から約50kmという気軽に訪れることのできる身近な山です。標高599mというそれほど高くはない山でありながら、冷温帯から暖温帯の木々からなる美しい林が広がり、約1300種の植物、5000種の昆虫、100種類以上の野鳥など、豊かな自然を育む山でもあります。

 昭和42年に、明治100年記念行事の1つとして、大阪府の「明治の森箕面国定公園」と同時に「明治の森高尾国定公園」として、高尾山及びその周辺一帯が指定されました。また、昭和49年に完成した「東海自然歩道」(明治の森高尾国定公園から明治の森箕面国定公園までの1都2府8県90市町村にまたがる1697kmの自然歩道)の東の起点となっています。

 高尾山の森林は、古くから保護・育成され、戦国時代北条氏の治世には「高尾山内の竹木は勿論たとえ下草でも刈り取ったものは本人は申すに及ばず従類一同首を切る」という大変厳しいおふれが出されていたそうです。

 保護された森林は、関所構築用や公方用として、時折伐採され、利用されていたそうです。

 北条氏の滅亡後も森林は保護され、薬王院の信徒らは進んで苗木を寄進し、植林したそうです。今でも杉苗奉納の伝統は引き継がれ、参道沿いに芳名板を見ることができます。

紅葉の高尾山を歩こう! 

集合写真 今年の事業見学会は、11月18日(金曜日)に開催しました。快晴とは行きませんでしたが、気候も紅葉もまずまずという1日でした。

 高尾森林センターへ集合した36名は、開会式の後4班に分かれ、職員の案内に従って出発しました。今回は時間の都合により、ケーブルカーで山頂駅まで登って、そこから山頂を目指し、いろはの森コースを下って日影沢キャンプ場へ向かうコースです。

 ケーブルカー乗り場に着くと、テレビ東京「いい旅・夢気分」の撮影で、タレントの松本伊代さんと橋本志穂さんが来ていました。2人と話した参加者もおり、思い出になったのではないかと思います。また、同乗したケーブルカーでは、撮影隊の周りに人が集中したため、いつも混雑していてつかまるところのない車内が空いていて(後ろの方に限り)、安全に山頂駅まで乗ることができました。

 山頂駅に到着すると、ここからが「森を歩く」の本番です。駅周辺のブナ・イヌブナの違いや堅果について職員から説明を受けた後、高尾山の植生や歩道沿いの植物などを観察しながらゆっくりと山頂へ向かいました。

  薬王院で参拝していると、法螺貝を吹く修行僧(山伏?)の行列に遭遇しました。ようやく晴れ間の見え始めた山中に、神々しい法螺貝の響きが混ざり合い、より一層厳かな雰囲気を醸し出していまし紅葉1た。

江川杉

 

 

 

 

 

 

 

江川杉

 薬王院を過ぎ、旧御料林の証である「宮」マークの石標を確認したり、幕末の代官「江川太郎左衛門」が植林し今に残る「江川杉」の大木を見学したりしながら山頂へ到着すると、座るところもままならないような混雑ぶりでした。途中分かれた撮影隊が到着すると、さらに山頂はにぎわいを増しました。

 山頂での昼食と同じくらい皆さんが楽しみにしていたのは富士山です。山頂が近づくにつれて晴れ間が広がり、期待が膨らんだところですが、残念ながら山頂を拝むことは叶わず、両サイドの稜線を捉えるだけとなってしまいました。

 昼食後、賑やかな山頂を離れ、「いろはの森コース」へ入っていくと、今までの喧噪が嘘のように静かな森が広がり、ここからが職員の腕の見せどころ「森林教室」です。植物・昆虫などの豊富な知識に加え、この「いろはの森コース」特有の「万葉樹木」や「万葉歌」まで、専門外の知識を猛勉強した甲斐あって、参加者からは大変好評でした。

 最終目的地「日影沢キャンプ場」に到着し、最後に全員で記念撮影を行うと、それぞれ感想を述べ合いながら、笑顔で参加者は帰路につきました。

 

 ☆参加者の感想(一部紹介)

   ・解説が丁寧でわかりやすく、おもしろかったです。樹木だけでなく、林業についても知ることができたのは収穫でした。(60代女性)

   ・複層林の育成についてのお話しは、人材育成のお話しに通じるものがあると思いました。国家予算の使い方、若者の雇用問題、国土利  

   用の方法、色々考えさせられました。もっと国民的な議論になることを願います。(40代女性)

   ・林業の発展のため、わたしのように老人であっても何かしたい。お手伝いできることはないか、考えさせられました。(60代男性)

   ・木材の価格が安いのに驚きました。今後の森林対策に期待します。(60代男性)

   ・いろはの森は、人も少なくゆっくり歩けて、また万葉の碑が立っているのもとても良かったです。木道は森を保持するために必要だと思い 

   ます。雨で滑るときは少し怖いかも知れませんが、階段の高さもちょうど良くなっていました。(40代女性)

   ・自然のままが1番良いのですが、これだけ人出が多いと、やはり安全・保全など問題点を解消していかなければならず、色々大変だと 

   思いました。(60代女性)

   ・歩きやすく気を配られている点がありがたかった。トイレがあるともっと良い。(70代女性)

   ・木道をもっと整備して欲しい。(70代男性)

  

 ★アンケートの結果はこちら(PDF:44KB)

 

ブナの実

ブナの実って、案外小さいね。

紅葉2

やっぱり青空が1番ですね。

山頂

山頂にて。三角点を確認しました!

森を歩く

これぞまさしく「森を歩く」

美人ブナ

美人ブナとハイポーズ

  

 

お問い合わせ先

計画保全部指導普及課
担当者:緑の普及係
代表:027-210-1158(内線352)
ダイヤルイン:027-210-1175
FAX:027-210-1177

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