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ヤマトリカブト

ヤマトリカブト ヤマトリカブト

ヤマトリカブト
(キンポウゲ科・トリカブト属)山鳥兜

Aconitum japonicum Thunb. var. montanum Nakai 属名(アコニツム)語源不明のギリシャまたはラテンの古語にもとづく。Aconeは地名という。本州中部地方以北の山地の林の中などに生える多年草。
高さ80~150cmになる。なかほどの茎葉は円心形で深く3~5裂し、裂片は披針形または卵状披針形であらい鋸歯がある。オクトリカブトの変種で、8~10月青紫色の花の外側には曲がった毛が生え、内面にも曲がった毛とまっすぐな毛が生える。和名は山鳥兜(やまとりかぶと)で、鳥兜は花の形が舞楽のときにかぶる冠(鳥兜)に似ていることによる。トリカブト属は、虫媒花として高度に特殊化した構造の花をつける。よく目立つ青紫色の花弁のように見える部分はがく片であり、花弁はかぶと(上がく片)の中に隠されている。花弁は1対あり、ちょうどタツノオトシゴのような形をしている。花弁には距があり、ここに大量の蜜が分泌される。この蜜を吸うためには、ある程度の長さをもった口吻(こうふん)が必要であり、実際、口吻の長いマルハナバチ類が訪花する。ハチは雄しべと雌しべの塊を足がかりにして、精一杯伸び上がり、こうすることによって蜜を吸うことができ、同時にハチの腹部に大量の花粉がつく。別の花でハチが同じような吸蜜行動をとれば、花粉は自動的に雌しべに運ばれる。じつに巧妙に、トリカブトの花はつくられているのである。

参考及び引用文献:日本の野草(山と渓谷社)、週刊朝日百科植物の世界(朝日新聞社)

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