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平成16年18号台風による国有林風倒木被害処理について

 

 上空から見た千歳市モーラップの森林風

上空から見た千歳市モーラップの森林風倒被害地

千歳市モーラップの森林風倒被害地

千歳市モーラップの森林風倒被害地  

倒伏、折損など100%近い被害状況の箇所

倒伏、折損など100%近い被害状況の箇所  

 

先日来、平成16年18号台風での風倒木被害処理に関して、各種報道がなされております。北海道の森林や自然を大切に思われている方々を始め、国民の皆様の中には、北海道森林管理局についてご不審を抱かれている方も少なくないと考えております。

このため、北海道森林管理局が実施している風倒木被害処理につきまして、簡単ではございますが、ご説明をさせていただくことといたしました。

1  風倒木被害について

平成16年8月28日に太平洋で発生した台風18号は、9月8日深夜から北海道に接近し、札幌市内でも最大瞬間風速50.2m/秒を記録するなど、強烈な風台風でありました。道民の方々には記憶に新しいことと思います。

この台風による被害は特に森林で見られ、また、被害はほぼ全道で発生いたしました。被害発生直後の調査(平成16年10月)では、北海道全体で約3万7千ヘクタール(札幌ドームの面積の約2万5千個分)、国有林だけでは約1万4千ヘクタール(札幌ドームの面積の約1万個分)の森林で被害が確認され、当時、テレビ・新聞においても被害の状況が大々的に報じられております。

なお、平成16年18号台風は、昭和29年の洞爺丸台風から50年後に発生し、私たちの生活に大きな被害をもたらしました。  

2  風倒木被害処理について

一部の報道では、国有林が「大規模皆伐」したと報じられております。

しかしながら、全道で行われた風倒木被害処理は、健全な天然林を木材利用のために「皆伐」したものではなく、あくまで被害を受けた森林の早期復旧のため折り重なった倒木や折損木を運び出すなどの被害木処理を行ったものです。もちろん、倒れずに残った木については可能な限り残すようにしています。

3  風倒被害処理の考え方

北海道森林管理局においては、台風18号の被害への対処策を検討するため、平成16年11月に学識経験者による検討委員会を設置し、ほぼ同じ経路をたどり甚大な被害をもたらした昭和29年の洞爺丸台風での経験(被害処理の早期実施、病虫害対策等)を踏まえつつ、復旧対策の方針を取りまとめております。 (検討委員会の報告書はこちらから

その検討において、風害木については、虫害、山火事等の二次被害の防止と風害跡地の早期森林復旧、さらには被害木の有効利用と地域経済への寄与に資する等の観点から早急に処理することとし、跡地については、「多様な樹種・樹冠層により形成される森林」を目指すことを基本として、天然力の活用が図れる見込みのある箇所については天然更新により復旧する一方、大きな面積で被害が甚大な場合には当該地域の優占種(トドマツ、エゾマツ等)による人工植栽等で対応することといたしました。

一方、被害木の処理作業は、被害木が幹曲がりや倒木が重なり合っている状態にあることから非常に危険な作業であり、処理には高度な技術を要することから、林業用機械の活用等により、労働安全の確保に十分配慮し、着実に処理してまいりました。(平成3年の大分県での台風による風倒木被害処理では、材の跳ね返りなどにより死亡災害が発生しました。)

今回の報道にあります東大雪支署管内の被害箇所は、傾斜が急であり、被害木の重なりなどが見られたことから、安全面も考慮して林業用機械による処理を行い、トドマツを植栽したところです。

私どもといたしましては、今後、当該箇所において発生が期待されるカンバ類等の天然更新の状況や植栽したトドマツの活着状況を注意深く見守り、これから必要となる下刈等をしっかり行って、被害地を森林に復元してまいります。

 

 

 

4  道民の方々の参加による森林復旧について

  七飯町カリマ国有林  市民参加の森林づくり

七飯町カリマ国有林 市民参加の森林づくり

大きな面積で甚大な被害を受けた箇所については、先に述べたとおり、地域の優占種(トドマツ、エゾマツ等)による人工植栽等で対応することとしたところですが、森林や環境に関心を有するNPOなどボランティア団体や企業・団体の森づくり活動のフィールドとして利用していただく「ふれあいの森」等について紹介したところ、多くの応募をいただき、支笏湖周辺・野幌森林公園地域等道内各地において、植樹活動や下草刈りなどの整備にこれまでに、延べ1万人以上の方々が参加され、森林の復旧が進んでいます。

その中には、セブン-イレブンみどりの基金、イオン環境財団など多方面に及ぶ企業・団体が活動されています。最近では、STV(札幌テレビ放送)、北海道フットボールクラブ(コンサドーレ札幌)などが参加されることになりました。

森林づくりに参加したい、あるいは関心のある方がいらっしゃれば、北海道森林管理局にお問い合わせください。

5  風害状況をそのまま見守る取組みについて

平成16年の18号台風による森林への被害は広範囲に及ぶとともに、広い面積で見られました。被害処理の基本的な考え方は、「多様な樹種・樹冠層により形成される森林」を目指すということで、北海道の郷土樹種であるトドマツ・アカエゾマツなどの針葉樹やミズナラ、カンバ類などの広葉樹を植栽しているところですが、生物多様性の観点から風害のあった状況をそのままにして、その推移を見守ることも必要であることから、自然の推移に任せる箇所も設定しています。

例えば、札幌市の藻岩山にも、天然林や人工林で、倒れた木や中折れした木がそのままになっています。解説板も設置していますので、藻岩山に登る機会がありましたら是非ご覧ください。

6  森林の取扱いに係る地元関係者との協議について

北海道森林管理局の事業を進めるに当たっては、森林の取扱いについて地域ごとに計画を立てているところであり、事前に学識経験者等による審議、広く国民から意見を聞くパブリックコメントを実施しているところです。

この他にも、地域の方々の意見を聞きながら協働・連携して森林づくりに取り組んでおります。

例えば、台風被害のあった札幌市近郊の国有林の野幌森林公園については、学識者、市民団体等からなる委員会を設置し、100年前の原始性が感じられる森林への再生に向けて議論し、色々な方々の意見を踏まえながら方針を定めています。この方針に基づき、企業やNPOなどボランティア団体の方々が森林の再生に取り組んでいます。(野幌森林再生プロジェクトのページはこちら

今後とも、北海道国有林へのご理解とご支援の程、よろしくお願いいたします。

北海道森林管理局

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