ホーム > 森林管理局の案内 > 森林管理署等の所在について > 津軽森林管理署 > わぃはぁ通信 > スギコンテナ大苗の成長試験地設定について
津軽森林管理署では、林業における低コストな作業システムの推進を図ることによる、効率的かつ安定的な林業経営の基盤づくりを進める手法として、コンテナ苗の普及を積極的に取り組んでいるところです。
この度、岩手県花巻市の横田樹苗さんから、スギコンテナ大苗の成長試験をしてみないか、との連絡をいただきましたので、 コンテナ苗の大苗がどのような成長をするのか非常に興味があり、快くお引き受けすることにしました。
平成27年6月30日に大鰐町の国有林内に署独自の試験地を設定し、植付をした様子をお知らせします。
場所:青森県南津軽郡大鰐町大字早瀬野字西虹貝山国有林551林班は2小班
プロット数:1カ所(縦20メートル横20メートル)
プロット配置:別図(PDF:11KB)のとおり
植栽樹種:スギ コンテナ苗 3年生(大苗)
植栽本数:プロット1箇所あたり100本(1ヘクタールあたり2千5百本)
試験内容:試験地内を3区画に区切り、大苗の成長量と施肥による成長の違いを調査する。施肥については、8-8-8の肥料を茶こし袋1袋あたり3グラム入れ、植え付けた苗の根元に2袋(6グラム)置いたもの、1袋(3グラム)置いたもの、全く施肥をしないものに区分しました。
平成27年6月30日に当署職員8名が参加し植付作業を行いました。
試験地に選定したのは、平成27年度植付け予定の箇所で、地拵えは終了している箇所です。
実行者:弘前地方森林組合
![]() |
あまり良く見えないかもしれませんが、ピンクのスズランテープが試験地です。 平成27年度の造林事業(地拵・植付)実施箇所の一部に設定しましたので、既に地拵作業は終わっております。 |
![]() |
今回行う大苗の試験ですが、施肥による成長についても調査することにしていますので、図のように苗木を配置しました。 番号1から40番(赤)までが施肥なし、番号41から70番(黄)までが施肥3グラム、番号71から100番までが施肥6グラムです。 |
![]() |
植え付ける苗木です。 スギコンテナ苗 3年生 苗高は平均70センチメートルぐらいでしょうか。 根鉢は150ccです。 |
![]() |
植え方は通常のコンテナ苗と同様に、専用穴開け器(ディブル)で植付する穴を開けます。 |
![]() |
ディブルを抜きます、このときにコンテナ苗の根鉢の形状に合わせるように、穴の上部を少し広げるようにすると苗をスムーズに挿入することが出来ます。 ただし、広げすぎると根鉢と植付け穴が密着せず成長に影響が出るとのことなので、ちょっとしたコツ程度と考えていただくのがよろしいかと思います。 |
![]() |
植付穴に苗を挿入し、植付穴と根鉢が密着する様子を想像し、根鉢を少し強めに押し込みます。 特に、土で覆ったり、踏み固めはしていません。 |
![]() |
事業体の皆さんも、植付をしています。 足元をご覧いただくと、肥料の入っていた袋にコンテナ苗を20本ほど入れ持ち運びをしています。 以前、岩手県の事業体は苗木袋(背負い式で横に苗出し用の切れ目があるもの)の横の切れ目から根鉢をつかんで取り出していました。 コンテナ苗は普通苗に比べて根鉢があるために、1度に運搬出来る量が少なくなってしまうということを言われております。 今後、普及するためにはこれらのことも検討しなければならないと考えております。 |
![]() |
植付けした全ての苗の根元に番号を付けています。 |
![]() |
番号を付けた苗の根元に、3グラム入りの肥料袋を置いていきます。 |
![]() |
3グラム(1個)施肥をした状況です。 |
![]() |
6グラム(2個)施肥をした状況です。 |
今回設定した試験地については、定期的に成長量を調査していきます。
調査項目は、苗高と根元径です。
大苗試験は、通常よりも大きな苗木を植付することで、通常の苗よりも早く周囲の草木類の高さを上回り、下刈作業の軽減が図れるかという試験です。
今回はそれに加え、施肥による成長の違いも試験することにしています。
今後どのような成長をしていくのか、たいへん楽しみです。