ホーム > 森林管理局の案内 > 森林管理署等の所在について > 津軽森林管理署 > わぃはぁ通信 > 五所川原農林高等学校のコンテナ苗育苗試験について
青森県立五所川原農林高等学校森林科学科が、この度コンテナ苗について理解を深めるため、コンテナ苗を育苗しながら生長調査を行う「コンテナ苗育苗試験」が開始されましたので、その様子をお知らせします。
今回の育苗試験については、津軽流域林業活性化センター(中南・西北地域県民局、津軽森林管理署)、地方独立行政法人青森県産業技術センター林業研究所、種澤種苗園の指導と協力を得ながら進めることにしており、当日は、五所川原農林高等学校森林科学科2年生10名と教諭2名、地方独立行政法人青森県産業技術センターより1名、種澤種苗園より2名、当署より4名が参加し、コンテナへの播種(種まき)と育苗箱への播種を行いました。
作業月日 平成28年3月17日(木曜日)
場 所 青森県立五所川原農林高等学校 構内
環境健康フィールドセンター
今回行われますコンテナ苗育苗試験は、次の内容について行われる予定になっています。
これまで種苗事業体が行ってきた、苗畑への播種ではなく、積雪時にビニールハウス内でコンテナへの直接播種と移植を前提とした育苗箱への播種を行い、発芽状況を調査する。
また、コンテナへ直接播種した場合と幼苗をコンテナに移植した場合の作業性の違いと生育状況の違いを調査する。
無花粉スギの挿し穂をコンテナに直接差し穂を行い生育調査を行う。
育苗中の灌水データ、施肥データ、防除データの集積と天候、気温などのデータを集積し、データ解析を行い、育苗マニュアルのデータとする。
種子の播種から出荷までの各作業時の日数を調査し、出荷時期に合わせた播種時期の目安を把握する。
いよいよ播種作業がはじまります。
播種を行う樹種は、スギとクロマツの2種類で、コンテナにそれぞれ5枚ずつ、育苗箱へはスギを5枚、クロマツを4枚行いました。
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まずは参加者の紹介と当日の作業内容、使用する材料などについて説明しました。 使用した材料は コンテナ苗木育苗培土 (株式会社シダラ製造) ハイコントロール(超ロング肥料) 【種澤さん提供】 コンテナ(スリット式 150cc) 育苗箱 (深さ90ミリメートルと深さ60ミリメートルの2種類)
生徒の皆さんは真剣に聞いています。 |
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培土づくり 1 まずはコンテナに入れる培土を作ります。 コンテナは播種から出荷まで同じ土となりますので、コンテナ苗木育苗培土にハイコントロール(ロング)肥料を加えます。加える量は1リットルあたり3グラムで、これは岩手県の種苗事業体からの助言によるものです。
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培土づくり 2 ハイコントロールを加えたら、丁寧に撹拌(混ぜる)します。 種苗事業体では攪拌機を使用しますが、今回はスコップを使い手作業で行います。 若いパワーを感じます。 |
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培土づくり 3 コンテナに培土を詰める際に作業し易いように、また、圧縮し易いように水を加え更に撹拌します。
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種の準備 次に種の準備です。 今回はスギとクロマツの種を播種しますが、種は前もって流水に4日ほど浸けたものを使用します。 また、種は黒褐色で培土と同色のため培土に播種した際の目印と播種後の病気を防止するため殺菌剤をまぶし白くします。 これは、種澤さんからの助言で、当日種澤さんも参加されていましたので、種澤さんに作業していただきました。 |
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コンテナへの培土詰め 培土、種と準備が終わり、いよいよ播種作業に入ります。 まずはコンテナへの土詰めです。コンテナの各セルに手で培土を詰め、棒で押し固め、また培土を詰め、また固める作業をしていきます。
さすが相撲部です、軽々と30回をこなしていました。 生徒の皆さんも楽しみながら作業を進めていきます。 |
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コンテナへの播種 培土詰めが終わると、各セルに種を入れていきます。 セルに入れる種の数は、林業研究所の方からアドバイスをいただき発芽率を考慮し、スギは3粒、クロマツは1粒としました。 小さい種を指でつまみセルに入れていきます。 この作業はたいへん緊張するようで、生徒の皆さんも慎重に進めていました。
各セルに種を入れ終わった状況です。 |
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各セルに覆土 種を入れたら覆土を行います。 今回、覆土に使用したのは、岩手県の種苗事業体からのアドバイスで鹿沼土の細粒を使用しました。 セルごとに、あまり厚くならないようにします。これも緊張していたようです。
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灌水し作業終了 鹿沼土で覆土をしたら、最後に灌水しコンテナへの播種作業は終了となります。
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育苗箱への培土詰め コンテナへの播種と同様に育苗箱へも培土を詰め、板である程度平らに均していきます。
育苗箱へ詰める培土は、発芽後にコンテナへ移植することを前提としますので、ハイコントロール肥料は配合せず、コンテナ苗木育苗培土に水分のみ加えたものを使用します。 |
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培土を整える 板である程度平らにしたら、板で培土を押さえつけるように少し圧縮し、育苗箱全体を均一の厚さにします。 仕上がりは40ミリメートルから60ミリメートルの厚さにします。 |
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育苗箱へ播種 整えた培土の上に種を均一に撒きます。固まらないようにパラパラと全面に撒きます。
育苗箱全体に覆土 種を播種したら、鹿沼土の細粒で全面を覆土します。あまり厚くならないように、培土がうっすらと見える程度に覆土します。 |
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育苗箱への播種が完成 これで育苗箱への播種が完成しました。 完成後に灌水をします。 |
播種したコンテナと育苗箱は当面の間ビニールハウスの中で管理されます。
まだまだ気温は低い日が続いていますが、日差しが差し込むとビニールハウスの中の温度は結構上昇するようです。
暖房設備の無いビニールハウスで、いつ頃発芽するのか実験結果が楽しみです。
気温の管理、水管理、データ整理と大変だと思いますが、コンテナ苗の育苗技術の向上のために頑張っていただきたいと思います。
本試験については、今後も五所川原農林高等学校と連絡を取りながら協力していくことにしております。
津軽森林管理署
ダイヤルイン:0172-27-2800
FAX:0172-27-0733