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山形森林管理署 最上支署

銅山川地区地すべり防止事業

沿革

南山、寒風田、湯ノ台地区全景

地区全景写真  

   本地区一体は、肘折カルデラが存在、カルデラの中には温泉郷として親しまれている肘折温泉があり、約一万年前の噴火により周辺に火山堆積物(シラス)を厚く堆積(最大120m)させたため地質が極めて脆弱であるとともに、地形・気象等の特性により融雪期及び豪雨期には、地すべり災害は頻発する地域であることから、昭和27年から山形県において地すべり防止対策を実施しています。

   このうち本直轄事業区域は、大蔵村の観光資源である肘折温泉に通じる国道、直下の一級河川(銅山川)、発電施設、配電設備等の公共施設、人家や農耕地等の重要な保全対象に近接しているため、地すべり防止対策をより一層推進する必要があること、事業規模が極めて大きいこと及び対策工の施行が難しく山形県及び地元大蔵村からの要請を受け、平成4年度から民有林直轄地すべり防止事業として国が実施しています。

昭和27年5月

山形県において地すべり防止対策に着手

昭和57年8月

地すべり防止指定区域の告示(寒風田地区:78.19ha)

昭和59年4月

地すべり防止指定区域の告示(南山地区:39.00ha)

平成元年9月

地すべり防止指定区域の告示(湯ノ台地区:211.15ha)

平成4年4月

秋田営林局新庄営林署(現東北森林管理局山形森林管理署最上支署)に大蔵直轄治山事業所(現在の名称は大蔵治山事業所)を設置し、国の直轄地すべり防止事業として着手

平成8年5月

大規模な地すべり災害の発生(約130ha)

平成4年~30年

328haの区域において地すべり防止工事を実施

 

   平成8年に発生した大規模地すべりは、幅約1,100m、斜面長1,300m、最大地すべり面深さ約150mに及ぶもので、国道458号線は一部陥没し寸断、2ヶ月間の夜間通行止めとなったほか、林道寸断、耕地、林地内も多数の亀裂・陥没等の被害が発生し、地域住民の生活や経済に大きな影響を与えました。

平成8年の被害 

滑落崖

滑落崖

農耕地の亀裂

農耕地亀裂

国道458号線の亀裂

R458亀裂

銅山川地区の概要

位置

銅山川地区は、山形県北部の新庄盆地と庄内海浜地域とを分断するようにして出羽丘陵の東縁に位置し、最上川に注ぐ一級河川の銅山川と赤松川支流、古水川に挟まれた一帯です。

地形・地質

肘折火砕流堆積物(シラス)が厚く覆う標高150~400mの火山性丘陵地帯で、銅山川と古水川沿いでは浸食が進み、50~60mの急崖が形成されています。

気象

裏日本気候区に属する県内でも屈指の多雨・豪雪地帯で、年平均降水量は2700mmを超し、降雪期及び融雪期は地下水の豊水期と重なります。

 

工事の概要

   当地区は、厚いシラス層がスポンジのように水を蓄え、ここから供給される地下水が潤滑油のように働いて野口層と古口層の境目付近に大規模な地すべりを誘発しており、通常の工事では対策が難しい状況にありました。

立体排水工断面図

 立体排水工断面図

   このため、排水トンネルを主体とした「落とし込みボーリング」「集水井」のように地下水を集める施設や雨水等をスムーズに排水するための水路工を組み合わせた立体排水工を施工しています。

   これまで施工した排水トンネル総延長は約3.9kmとなりました。

トンネル掘削

ボーリング貫通後のトンネル

落込みボーリング

貫通後の地上部

トンネル掘削

ボーリング貫通後

落込みボーリング

トンネル地上部

 

   これに加えて、表層の動きを止める杭打工・アンカー工・法枠工、崩壊地を早期に森林に回復させるための山腹工や浸食防止を図るダム工・護岸工など、安全・安心の対策を実施しています。

法枠工(寒風田地区24)

法枠工寒風田24

地すべり末端部の状況

地すべり末端部1

地すべり末端部2

地すべり末端部3

施工前

 

施工後

 

その後

 

大蔵治山事業所地図2

お問い合わせ先

最上支署
ダイヤルイン:0233-62-2122
FAX:0233-62-2706

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