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平成26年度技術者育成研修日誌 

技術者育成研修が始まりました~1日目(平成26年9月1日(月曜日))

    本日から、東北ブロックの技術者育成研修が4日間の日程で岩手県盛岡市の「ホテルエース盛岡」を会場として始まりました。

    この研修には、6月~8月にかけて東京都において開催された中央研修を受講した、東北森林管理局管内の各県の林業普及指導員等12名、森林管理署の森林技術指導官等6名、福島県内の森林組合職員2名、合計20名と聴講者1名が参加しています。研修生は、講義、演習、現地実習等により、フォレスター活動の役割と基礎となる市町村森林整備計画の作成や森林経営計画の認定等に必要な基礎的な知識・技術を習得します。 

 

開講式

開講式

    東北森林管理局  青山技術普及課長から、 「戦後造成された人工林資源が利用期を迎え、森林資源が充実しつつある中で、森林・林業の再生を図り、林業の成長産業化を実現していくためには、解決しなければならない課題が山積しています。これらの課題を解決するためには、我が国の森林・林業の再生、林業の成長産業化の方向性を理解した上で、それぞれの地域において具体的な取り組みを考え、地域の関係者の合意形成を図りながら、種々の取り組みを進めていく人材の育成と活用が不可欠です。」

    「こうした背景を踏まえ、林野庁では平成23年度から「准フォレスター研修」及び「林業専用道技術者研修」を行い、本年度からは森林総合監理士(フォレスター)の登録・公開制度を開始し、そしてこの技術者育成研修を行い、我が国の森林・林業の健全な発展に貢献することとしています。」

    「技術者育成研修は、フォレスターの役割を理解するとともに、活動に必要な知識や技術とは何かを認識すること、また、各人がそれぞれ持っているやり方で思考する力を呼び覚まし、それによって自ら進んでいく方向を考えることを主たる目的としており、将来、フォレスターとして、森林・林業の再生、林業の成長産業化に向けて市町村の森林・林業行政を技術面で支援していくために必要な知識や技術を得るための研修です。皆さんは、すでに中央研修において、フォレスター活動の基礎となる能力=技術力、構想力、合意形成力について学んでこられ、自分なりのフォレスター像をイメージしていることと思います。」

    「今日からのブロック研修では、中央研修で習得した知識・技術を再確認し、現地実習を通じて、広域的、長期的な視点で森づくり構想、資源循環利用構想を検討する演習を行います。活発な議論、積極的な質問で中身の濃い研修としていただきたいと思います。この研修を通じて、それぞれの得意分野のノウハウを共有し、これまで培ってきた能力をさらにレベルアップさせ、今後の活動に役立ててほしいと思います。研修期間中の安全とこの研修が皆様にとって有意義なものとなることを祈念します。」との挨拶がありました。

  

 オリエンテーション

アイスブレイクと研修の目的を確認・共有しました。 

オリ1  オリ2

                       研修進行:西プロセスマネージャー                                           研修の目的を確認・共有                         

オリ3  オリ4

                                                                                 班単位で自己紹介                                                                            

 

中央研修との関係、フォレスターの役割の再確認

    研修生は、中央研修で学んだフォレスターの役割である「構想作成」、「合意形成」、「構想実現」について再確認するとともに、ブロック研修では森林・林業を地域の振興につなげるビジョンを構築できる能力、及びプレゼン能力と合意形成能力を習得することが目標であることを理解しました。   

確認  

             研修担当:東北森林管理局 片岡企画官

 

森づくりの構想(講義と意見交換)

    本講義のねらいは、木材生産機能と公益的機能を調和させながら、科学的・技術的な知見と森づくりの思想・理念に則った森林施業・森林管理が基本であることについて理解を深めることです。

    用語の定義について説明後、

  1. 間伐(混み合い度の指標、間伐方法等)
  2. 天然更新
  3. 複層林
  4. 混交林

に関する科学的知見・技術的知見について解説がありました。

森づくり1  森づくり2   

             講師:森林総研 正木森林植生研究領域長

森づくり3  森づくり4

    森づくり5  森づくり6

    森づくり7  森づくり8

    森づくり9  森づくり10

    森づくり11  森づくり12

    森づくり13

    公益的機能と木材生産機能の調和のとれた持続的な森林経営を進める上での最も基礎的な知識である森づくりの基本的な考え方と森林施業を選択する上での視点・留意点等を理解しました。

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  研修2日目(平成26年9月2日(火曜日))

降雨が心配される曇り空の中、盛岡市姫神岳国有林において、森づくりの構想の現地実習を行いました。 

森実1

 

 森づくりの構想実習

        本実習では、具体の人工林施業地(スギ42年生林分)において、

  1. 現地の位置に関する情報等
  2. 施業検討会現地の情報

(ア)  現地の概要(保安林の指定状況等)

(イ)  現地の林分概要(施業履歴等)

       3.   参考資料(地位別樹高曲線等)

を参考にしつつ、グループ単位で、現地の林況(ha本数、樹高、蓄積から見た林地生産力)を評価した上で、求められる機能を踏まえて将来的な目標林型、途中の目標林型、当面の施業について検討・発表し、講師、他グループとの意見交換を通じて、森づくりについての理解を深めます。

 

【実習の進め方と実習地の概況説明】

森実2  森実

             講師:東北森林管理局 庄司計画課長補佐                     講師:東北森林管理局 菅原流域管理指導官

 

【班単位で検討】

森実5  森実7

森実6  森実4

 

【発表と意見交換】

  • 4班

4班1  4班2  

4班4  4班3

  • 1班

1班1  1班2

1班4  1班3

  • 2班

2班1  2班2

2班3  2班4

  • 3班

3班1  3班2

3班5  3班4

3班6  3班3

     

【講師からのコメント】

    講師1  講師2

講師4  講師3   

    講義を踏まえ、具体の人工林施業地において、公益的機能と木材生産機能の調和を念頭に目標林型、当面の施業方法を選択する上での視点を養いました。

  

ふりかえり

    森づくりの構想実習後に一本杉キャンプ場で昼食をとって研修会場に戻りました。

    研修会場に帰着後、森づくりの構想の講義と実習を終了したことから、ふりかえりを行いました。

ふり返り1  ふり返り2

  

資源循環利用構想演習   

    本演習では、 中央研修で学んだ森づくりの考え方、路網・作業システムと効率的な路網等についての情報を再確認した上で、間伐適期の人工林が太宗を占める1,000ha程度の団地を対象に、間伐の年次計画と林業専用道の配置、木材の販売方法等をを班毎に検討します。 

【演習手順の説明】

演習の概要と進め方について説明がありました。

資源1  資源2

                 講師:東北森林管理局  一ノ宮企画官

 

【林業専用道の概要説明】

    この演習のねらいは、現地実習に先立ち、1,000ha程度の団地を対象として、市町村森林整備計画を念頭に、間伐の計画と林業専用道の整備計画を大局的に検討することです。

    林内路網の大系及び林業専用道の役割と特徴、作業システムと路網の関係等について説明がありました。

資源3  資源4

              講師:東北森林管理局 田村設計指導官 

 

【演習対象地域の概況説明と地域の木材関連産業の状況】

    演習地の地形・地質、気象及びアクセス条件等の説明と、地域の木材価格、流通組織の状況、国有林における生産販売の工夫や間伐材の収益性上の事例について説明がありました。

資源5  資源6

                    講師:東北森林管理局 小松企画官

  

資源循環利用構想演習(林業専用道の整備計画の検討)

    明日の現地実習の前に、机上で林業専用道配置等の検討図化及び問題点等を整理し、現地確認する箇所を決定しました。

林1  林2

                                                                                                                  講師:日本林道協会 小原事業部長

林3  林4

 研修3日目(平成26年9月3日(水曜日)) 

昨日に続き、盛岡市姫神岳国有林において、 資源循環利用構想の現地実習を行いました。

実1  実2 

   

源循環利用構想実習(地形、地質、林況、既存の路網等現地条件の確認)  

     本実習のねらいは、机上演習で林業専用道の配置を検討した1,000ha程度の団地を対象地として、現地条件に応じて、地形の遠望、地質及び水系の確認、周辺の土地利用における社会条件等を観察、確認し、現地調査の方法及びポイントを習得することです。

     研修生は、1000ha程度の対象地において、徒歩やバス移動しながら、

  1. 地形の遠望
  2. 地質・土質、林況、水系の状況
  3. 既設の公道林内路網の状況等
  4. 林況から見た材種、歩止まりの検討 

対象地の林業ビジョンを描くにあたり参考となる情報を実際に確認しました。また、土場や森林作業道の取付け位置などを検討しました。

実3  実4 

実5  実6

 

【沢を渡る際の留意点について解説】

実11  実7

 

【林道、土場や森林作業道の取付位置の検討に当たっての留意点について解説】

実8  実9

    実10  実12

   

資源循環利用構想演習(林業専用道の検討、ビジョンの策定、発表準備)

    実習後、岩洞湖家族旅行村で昼食をとり研修会場に戻りました。

    現地実習で確認した対象地において、その結果を反映しつつ、10年間にわたる経営ビジョンを様々な視点から検討し、集約的かつ効率的な森林整備の戦略を策定し、地域の将来ビジョンを描く能力を養います。

演2  演4

演1  演3

        現地実習を終えて研修会場に帰着後、

  1. 地域の状況を踏まえた森林の経営ビジョンの検討
  2. 現地実習を踏まえて検討した林業専用道の新設路線配置の検討
  3. 間伐指定のある箇所について、間伐の実施と路網整備とのマッチングを考慮しながら年次計画を策定
  4. 年次ごとの木材生産の売上と整備にかかる経費を試算
  5. 10年間の森林経営のビジョンを策定、発表準備、

の作業を行いました。

演5  演6

演7  演8

演9  演10

演11  演12

演13  演14   

全班時間外にも作業をし、18時50分頃終了しました。

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 研修4日目(平成26年9月4日(木曜日)) 

 

資源循環利用構想演習(発表準備、発表、ディスカッション)

    本演習のねらいは、10年間の間伐計画及び路網整備計画を含む総合的な森林整備の構想策定を通じて、市町村森林整備計画における木材生産を中心とした団地の中長期的な森林林業の経営ビジョンを構築するための能力を高めることです。

    また、コミュニケーションプレゼンテーションの講義の内容を実践し、合意形成のための効果的なプレゼンテーションと建設的な議論を行うための能力の向上を図ります。

発2  発3

 

【発表準備】

    前日からの作業継続とプレゼンテーションのリハーサルを行いました。

発1  発4

 

【発表ディスカッション】

    本演習では、一定の広がりがある森林を対象として10年間にわたる経営ビジョンを様々な視点から検討し、とりまとめることを通じて、

  1. 個々の所有単位・経営単位を超えて、集約的かつ効率的な森林整備の戦略を策定し、市町村長等に提案実行していく感覚を養う
  2. 中長期的な視野に立って、短期的な利害得失を調整する視点を与える
  3. 立場の異なる多様な関係者の合意を得ることを意識した総合的な計画策定を疑似体験する
  4. 同時に、グループ討議や全体討議を通じて、建設的効率的な議論の進め方や、発表を通じて効果的なプレゼンテーションの方法を習得します。

発5  発6

 

<班毎に発表>

  • 3班

発7  発17

発18  発8

発9  発10

発11  発12

発13  発14

発15  発16

  •  1班

発19  発27   

発22  発20

発28  発21 

発23  発24

発25  発26 

  • 2班

発29  発32

発31  発30

発31  発32

発33  発34 

発35  発36  

  • 4班 

発37  発43

発38  発44  

発39  発40

発41  発42

発45  発46

発47  発48

 

<図面について班毎に説明>

  • 3班

図1  図7

  • 1班

図3  図2

  • 2班

図4  図5

  • 4班

図6  図8

     

【講評】

講評1  講評6

講評2  講評3

講評4  講評5 

  

ふりかえり

資源循環利用構想演習を終えたところで、最終日ふりかえりシートの記入を行いました。

ふ1  ふ2

 

目指すフォレスター像(発表)

    アクションプランシートへの記入を行った後、各人が目指すフォレスター像をA4用紙に記入し、班ごとに発表しました。

目1  目2

目3  目4

目5

 

<小原講師、片岡研修担当官から研修生へエール>

エ1  エ2

 

閉講式

    技術者育成研修(東北ブロック)の全日程を終え閉講式が行われ、盛岡森林管理署  清水署長より以下のとおりご挨拶がありました。

閉講式

    「研修生の皆さん、お疲れ様でした。 3泊4日の短い研修でしたが、いかがでしたでしょうか。 市町村森林整備計画について技術的に支援したり、あるいは民有林・国有林連携の推進役となる森林総合監理士、フォレスターへの期待が高まっておりますが、講義や現地での検討作業から得るところが大きかったのではないかと推察致します。」

 「今回の研修に参加された方には、是非、フォレスターの試験にもチャレンジされ、合格されますことを祈っております。皆さんの職場も、皆さんが合格されることを願っていると思います。森林組合の皆さんは、森林経営計画の作成や施業の実行監理の中心的役割を担い、フォレスターと連携することが期待されておりますが、林家のことを知り尽くしている皆さんが、フォレスターの資格も取得すれば、「鬼に金棒」ではないでしょうか。 平成25年度の試験問題は公開されています。論文の問題が手強いと思っておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、大きなテーマごとに自分なりの基本的な答えぶりを用意しておき、少しぐらい問いの趣旨が違っていても、自分の土俵に持ち込んで、自信を持って書き上げる、そういう勢いがあれば、点数がとれるのではないかと思います。

     「いずれにしても、ここ盛岡での4日間の研修ご苦労様でした。同じ釜の飯を食った仲間と言うことで、研修後も連絡を取り合い、是非、試験に合格され、東北各地の森林・林業の活性化のためにご活躍いただきたいと思います。 」

 

最後に全員で記念撮影を行いました。研修生の皆さんお疲れ様でした。

集合

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お問い合わせ先

森林整備部技術普及課
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