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東北森林管理局では、国民の皆様が森林の中で自然と親しみ、遊び、学ぶ喜びを味わうことのできるよう、森林ふれあい推進事業「緑の山歩塾」を3回実施しました。 その他、森林管理署等で実施した森林ふれあい推進事業の概要についてはこちら(PDF:71KB)をご覧ください。
開催日:平成24年6月30日(土曜日)
場所:秋田県藤里町(岳岱自然観察教育林)
参加者:33名
内容:
当日は雲一つない好天に恵まれ、気温30度を超える真夏日の中、田苗代湿原に咲くニッコウキスゲやミツガシワ、岳岱自然観察教育林の美しいブナ林、迫力のある太良渓谷等、美しい景色を楽しむことができました。
田苗代湿原は黒石林道終点の藤里駒ヶ岳(標高1,158m)の登山道入口から20分程度で到着します。ミズバショウやニッコウキスゲなど湿原に咲く高山植物を見ることができます。
しかし、20年程前からツゲ類や小灌木類が生えるようになり、随所に森林化している箇所が見られ、現在はダケカンバ等の陽樹の高木が多く、将来は完全に陸地化していくと考えられます。
ニッコウキスゲは満開とまではいきませんでしたが、咲き始めの鮮やかな橙黄色が印象的であり、またミツガシワなども美しく咲いていました。
*ニッコウキスゲが咲き誇る田苗代湿原の木道を散策
*木道で班写真を撮影
岳岱自然観察教育林は、標高620メートル、面積約12ヘクタールで、ブナを主とする冷温帯落葉広葉樹林の極林に近い林相を呈しています。ここは、昭和48年度レクリエーションの森(風景林)に指定された後、平成4年4月現在の名前「自然観察教育林」に変更されました。
岳岱は、藤里駒ヶ岳の噴火によると考えられる大きな岩が至る所に見られ、岩は苔や地衣類などに覆われ、それら岩の上で、ブナなどの発芽を見ることができ、これらは長い年月を経て岩石を抱きかかえるほどに成長しブナの大木が随所に見られます。
林内の歩道の一部にユニバーサルデザインを取り入れたウッドチップ舗装道を整備しており、子どもから高齢者まで楽しみながら比較的容易に巡ることができます。
木道沿いにあるモリアオガエルの池では、木の枝先に産卵されているモリアオガエルの卵塊やクロサンショウウオの卵などをみることができました。
*「モリアオガエルの池」で5月から6月にかけて枝に産卵されたモリアオガエルの卵塊を観察
*ブナについた苔やクマの爪痕などを説明
*岳岱のブナ林を背景に全員で記念撮影
太良峡は、約1.1キロメートル、所要時間約40分の歩道が整備され、自然の造形美を堪能できる散策路です。ここの遊歩道は、昭和33年の大水害により大きな被害を受け廃止になった森林鉄道跡を一部再利用したところでもあります。
*太良峡の歩道沿いで天然秋田杉と記念撮影
参加者の皆さんからは、「林道も狭く、自力ではなかなか遠くて来られないので、初めて来ることができた。本当に良かった」「色々と詳しく説明してもらえてとても楽しかった。」との声が上がり、大変満足していただけたようでした。
開催日:平成24年8月4日(土曜日)
場所:秋田県北秋田市(森吉山県立自然公園)
参加者:33名
内容:
当日は夏真っ盛りの青空と暑さの中、ブナ原生林、ノロ川の清流、なだらかな渓谷美や円やかにカーブを描いて流れ落ちる「桃洞の滝」等を楽しむことができました。
開会式では、青山指導普及課長が「ここは鳥獣保護区に指定されており、たくさんの鳥が住んでいます。是非耳を澄ませてみてください。」と挨拶し、森吉山に生息するクマゲラの話や、ちょうど鳴いて飛んでいたノスリや、ホオジロ、イワツバメなどについても解説を行いました。ホオジロの鳴き声は「イッピツ ケイジョウ ツカマツリ ソウロウ(一筆啓上仕り候)」と例えられますが、最近は「札幌ラーメン みそラーメン」と例えられるという話など、参加者の皆さんは実際に鳴き声を確認するなど興味深く聞いていました。
桃洞渓谷は、約200年前に森吉山の噴火により発生した火砕流の堆積物からなる台地(火砕流台地)が浸食作用により形成されたもので、なだらかなU字渓谷に大小のおう穴と滝が点在する渓谷です。
森吉山野生鳥獣センターからブナ原生林の中を進み、大きな一枚岩の横滝を過ぎ、桃洞・赤水分岐から右に進むと、桃洞滝までは裸足で歩ける一枚岩盤が500メートル続きます。
ノロ川は透明度が高く川底までくっきりと見通すことができ、悠々と泳ぐイワナの姿もはっきりと見えました。
今回のコース周辺は、6,616ヘクタールが希少鳥獣生息地として国指定鳥獣保護区に指定されています。
また、特に天然記念物で絶滅危惧種でもある「クマゲラ」等の数少ない繁殖地及び生息地として、1,573ヘクタールが森吉山特別保護地区に指定されています。
国有林野事業において、原生的な天然林や貴重な野生動植物の生息・生育地等を保全・管理するために「保護林」を設定していますが、ここは特定動物生息地保護林の一つ、「森吉山クマゲラ特定動物生息地保護林」(面積:329.8ヘクタール)に設定されています。
クマゲラの姿や鳴き声は聞こえませんでしたが、散策中はキビタキ、マミジロ、ウグイスの美しい声が聞こえ、皆さん耳をすませていました。
参加者の半数ほどは桃洞の滝を見た後、靴を脱いで一枚岩の渓谷を素足で歩き、「何十年ぶりかに川を裸足で歩いて、子どもの頃に戻ったようだ。すごく気持ちがいい!」「命の洗濯をさせてもらった」など童心に返って楽しまれており、こちらも嬉しい限りでした。
森吉山野生鳥獣センターに戻り、最後に施設内を見学、最後にセンター職員の方にクマゲラの特徴やクマについての解説をしていただきました。
大変暑い中ではありましたが、熱中症や体調不良者もなく無事秋田市に戻り、解散となりました。
*出発前、森吉山野生鳥獣センターにて準備体操
*散策中、熱心に植物の説明を受ける参加者の皆さん
*桃洞横滝
*桃洞の滝まで500メートル付近から、裸足で歩ける一枚岩盤が続きます
*桃洞の滝に到着…雨が降らない日が続いたため、水量は少なめでした
*渓谷を裸足で歩くと暑い日は大変気持ちがいいです…随所に大小の甌穴(おうけつ)があるので落ちないように注意
*散策後、森吉山野生鳥獣センターにて職員による解説があり、最後に記念撮影
開催日:平成24年10月10日(水曜日)
場所:岩手県一関市ほか(栗駒自然休養林)
参加者:29名
内容:
栗駒山(標高1,627.4メートル)は、山体が宮城県、秋田県、岩手県の三県にまたがる複式コニーデ型二重火山であり、山頂部は宮城県と岩手県の境界になっており、二百名山の一つでもあります。呼び名は県によって異なり、岩手県では須川岳(すかわだけ)、秋田県では大日岳(だいにちだけ)宮城県では栗駒山(くりこまやま)と呼ばれて親しまれています。
「栗駒山国定公園」、「栗駒山・栃ヶ森周辺森林生態系保護地域」として指定されています。
イベント当日は、局正面玄関で開会式を行い、矢部局長より「今日登る栗駒山は、標高1,600メートルを越える山です。紅葉を楽しみながら、ケガのないよう気をつけて登りましょう。」と挨拶をいたしました。
須川高原温泉駐車場に到着後、少し肌寒いさわやかな好天の中、準備体操を行い、登山を開始しました。
春から夏にかけてたくさんの花々が咲き誇る「名残ヶ原」の木道を進むと、やがて硫黄の匂いが立ちこめ、硫化水素の噴出により木々の枯れた「地獄谷」に到着します。
まもなく神秘的な青緑色の水をたたえる昭和湖に到着し、班ごとに記念写真を撮りました。
*午前9時半頃、須川高原温泉駐車場を出発
*紅葉に彩られた名残ヶ原を歩き、登山道を進みます
*昭和湖にて記念撮影
昭和湖からは急な登りが続き、参加者の皆さんは息を切らしながら、ゆっくり歩を進めておりました。
登りきった天狗平に到着すると、大変強い風が吹いており、寒さでじっとしていられないため、まもなく出発。冷たい強風にあおられながら、なんとか峰づたいに山頂を目指し、立派な標柱の立つ山頂に到着、そこには150人を越えるほどの登山者で溢れていました。
山頂付近では、雲の切れ間から宮城県や岩手県側の紅葉する山々等、絶景を見下ろすことができました。
帰りは名残ヶ原分岐より荒涼とした賽の河原方面のコースを歩き、参加者の方々からは、「こういうイベントで教えてもらわないと、個人ではなかなか来られない道なので、良かった」と大変喜んでいただきました。
山頂での強風や寒さ等、厳しい状況ではありましたが、ケガ等もなく無事秋田市に戻り、解散となりました。
*強風吹き荒れる山頂にて記念撮影…紅葉シーズンのため多くの人で溢れていました
*美しい紅葉に感嘆の声があがります
*エゾオヤマリンドウ
*帰路は名残ヶ原分岐点から賽の河原、ゆげ山方面コースを散策
東北森林管理局では、森林の大切さや木材利用、森林とのふれあい等についてPRし、楽しみながら森林・林業、国有林に対する理解を深めていただくことを目的に、昭和60年から「森林(もり)の市」を毎年開催しています。
平成24年度は、肌寒く雨の降る中ではありましたが、大勢の来場者でにぎわいました。
平成24年5月12日(土曜日)10時00分~14時00分
アゴラ広場及び秋田駅前仲小路
秋田県、秋田市、社団法人秋田県緑化推進委員会、秋田県森林組合連合会、秋田県木材産業協同組合連合会、秋田県樹木医会
販売: 山野草、木製テーブル、まな板、秋田杉・ヒバ製品各種木工品等
体験: 花台、クラフト製作
展示: 治山事業パネル等
*先着250名に「サクラ(エドヒガン)」の苗をプレゼント
*局長、計画部長よりサクラ(エドヒガン)の苗木をプレゼント…好評につき開始15分でなくなりました
*森林管理署等が手作り木工品を展示販売(左・由利署/右・上小阿仁支署)
*樹木医コーナーにて緑化相談等を受ける樹木医の皆さん
*青森県木材協同組合によるヒバ製品の販売
*「緑の募金」マスコット、どんぐりくんは子どもたちに大人気
近年、東北地方では、森林ボランティア団体やNPO団体等による様々な森林(もり)づくり活動が積極的に展開されています。
多様な実施主体によるこれまでの活動成果を幅広く発信し、市民等による森林(もり)づくり活動を一層促進するとともに、森林環境教育や里山林の再生等、森林の多様な利用と整備を推進する機会として活動報告会を開催しました。