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東北森林管理局では、国民の皆様が森林の中で自然と親しみ、遊び、学ぶ喜びを味わうことのできるよう、森林ふれあい推進事業「緑の山歩塾」を3回実施しました。 その他、森林管理署等で実施した森林ふれあい推進事業の概要についてはこちら(PDF:76KB)をご覧ください。
開催日:平成23年6月25日(土曜日)
場所:秋田県仙北市(乳頭・駒ヶ岳風景林)
参加者:28名
内容:
秋田駒ヶ岳(最高峰の男女岳は標高1,637メートル)は十和田八幡平国立公園の最南端に位置し、秋田県仙北市と岩手県岩手郡雫石町に跨る活火山です。
国立公園の中でも特別保護地区に指定され、山頂一帯の高山植物群は国の天然記念物に指定されています。
前々日から前日にかけて秋田県内では大雨洪水警報が発令され、開催が危ぶまれましたが、当日は雨も上がり好天に恵まれ、爽やかな気温の中、可憐に咲くタカネスミレ、ヒナザクラ、ミヤマキンバイ等の高山植物、遠くまで見渡せる山々、眼下に見える田沢湖等、美しい景色を楽しむことができました。
阿弥陀池周辺や大焼砂では高山植物が大雨の影響で土壌ごと流された跡も多少見られましたが、参加者の皆さんからは、大自然のパノラマ展望や美しい花々等に感激の声が上がっていました。
*片倉展望台より眼下に田沢湖を望む…ここからは、乳頭山や森吉山を見ることができる
*男女岳(おなめだけ)山頂付近より阿弥陀池を望む…山肌に所々雪が残り、美しいコントラストとなっている
*昼食後、阿弥陀池より男女岳をバックに班写真を撮影
*大焼砂の砂礫地に群生するタカネスミレを観賞
*焼森(標高1,551メートル)山頂にて全員で記念撮影
開催日:平成23年9月2日(金曜日)
場所:秋田県能代市(仁鮒水沢スギ植物群落保護林)
参加者:12名
内容:
第2回の緑の山歩塾は、仁鮒水沢スギ植物群落保護林の散策、銘木を使用した住宅の見学、能代海岸砂防林「風の松原」の見学、木の学校での木工体験、秋三銘木有限会社で製材所の見学という行程で開催。
仁鮒水沢スギ植物群落保護林は昭和22年に保護林として設定され、保存されてきました。現存する貴重な天然秋田杉の森林であり、秋田県天然記念物にも指定されています。
保護林内には歩道が整備されており、日本一の樹高(58メートル)を誇る杉「きみまち杉」など樹高50メートル級の天然秋田杉が林立する森林を散策。その後場所を移動して天然杉等の銘木を使用した住宅を見学しました。
*はじめに全員で準備運動をした後、樹高50メートル級の天然秋田杉が林立する森林を散策
*樹高58メートル、胸高直径164センチメートルの「きみまち杉」と一緒に記念撮影
*銘木をふんだんに使用した住宅を見学
能代海岸砂防林である「風の松原」は、今年クロマツ植栽から300周年を迎える記念の年です。国有林の取組として、ウッドチップを敷いた「健康づくりの道」の整備やマツクイムシ被害対策等の事業説明を行いました。
*風の松原を見学
「木の学校」では、糸ノコ等の機械を使用して色々な形の鍋敷きを製作する木工体験に挑戦。参加者の皆さんは木の学校スタッフに指導を受けながら真剣に作業を行っていました。
*りんご、魚、動物などの色々な鍋敷きが完成
最後に、秋三銘木有限会社の製材所を見学し、実際に丸太を製材する作業の一部を見せていただいたり、普段見られない大径木の丸太や美しい製品の数々に"素晴らしい"などの声が上がっていました。
三熊社長への質問では、参加者から「四方柾の柱を取るにはどうすればいいのか」「高値で買った材で損をして落ち込んだりした事はあるか」など様々な質問があがり、皆さん興味深く聞き入っていました。
*丸太を真っ二つに割ると(左)、美しい木目が出てきました(右)
今回の緑の山歩塾は、少し志向を変えて木工体験を取り入れるなど、木の良さを身近に体感してもらう参加型イベントとし、参加者の皆さんにも大変好評でした。今後も国民の皆さんに喜んでいただけるイベントを企画していきたいと思います。
開催日:平成23年10月2日(金曜日)
場所:山形県遊佐町(二ノ滝渓谷)
参加者:29名
内容:
第3回「緑の山歩塾」は、山形県遊佐町にあるニノ滝渓谷、胴腹滝にて開催しました。
ニノ滝渓谷は鳥海山麓の清らかな水を集めた荘厳な渓谷で、巨岩の間を落ちる滝とブナを主とする広葉樹との織りなす渓谷美は素晴らしく、手軽に散策できるトレッキングコースとなっています。
また、毎年2月には「ニノ滝渓谷氷柱探勝会」というイベントがあり、道案内のもと往復3~4時間程度の雪道を歩き、氷結したニノ滝を見ることができます。
今回歩いた場所は鳥海山への登山ルートの一つ「ニノ滝口コース」の一部となっており、ゆっくり歩いて1周2時間半ほどの行程です。
出発から林内を進むと、まもなく一ノ滝に到着します。水しぶきが上がる滝壺の近くまで鉄骨の展望台が設置されており、そこからの迫力のある滝を眺めることができます。
前日からの雨で水嵩が増し、絶壁下に轟音を上げて落ちる一ノ滝の迫力は多少怖いほどでした。
一ノ滝から更に20分ほど進むと突如ニノ滝が顔を出します。ニノ滝は落差約20メートル、鳥海山千畳ヶ原をはじめ広い区域の水を集めており、水量が多く、名瀑として有名です。
ニノ滝のすぐ脇をマイナスイオンを浴びながら更に上へ登っていくと、滝の上部にあるニノ滝展望台に到着します。
*開会式後、コースを確認し出発
*水嵩が増し大迫力の「一ノ滝」
*「ニノ滝」に到着し、班毎に記念撮影…滝の脇をさらに登ることもできる(右・下見時撮影)
*ニノ滝渓谷散策後、全員で集合写真
散策後は駐車場で昼食をとり、午後は「胴腹滝(どうはらたき)」に立ち寄りました。
「胴腹滝」は、地域住民のみならず遠方からも美味しい水を求めて大きなタンクやペットボトルを抱えた人々が沢山集まります。
この変わった名前の由来は、鳥海山の伏流水が山腹から湧き出している様子を身体の「どうっぱら」から湧き出しているという例えで名付けられたものです。
ここには二つの滝があり、右の滝はまろやかな清水で緑茶に合い、左の滝は冷たくコーヒーに合うと言われています。
参加者の皆さんは持ってきたペットボトルに水を汲んで持ち帰ったり、左右の水の味を比較したりして、楽しんでおられました。
*美味しい水を求めて沢山の人が訪れる胴腹滝の清流
今回は、紅葉はまだ色づき始めでしたが、心配された天気も何とか持ちこたえ、参加者の皆さんからも迫力のある滝を見られて良かった、などの声があり喜んでいただくことができました。
今年度の緑の山歩塾はこれで終了しました。来年度も国民の皆さんに森林の中で自然と親しみ、学ぶ喜びを味わっていただけるイベントを企画していきたいと思います。