由利森林管理署

森林官紹介！（平成28年11月）大自然での森林官業務「私が今できること」(笹子担当区）

髙橋　宏和

私の勤務している笹子(じねご)森林事務所は、秋田県南部の山形県境付近に位置する由利本荘市鳥海町（笹子地区）にあります。笹子川の上流域を主とする約5，200㏊の国有林を管轄しています。森林の現況は、ブナ・ナラ等の天然林及びスギの人工林となっています。
  管内には、鳥海山を眺めることができ片道2時間程度で山頂に登れる丁岳(ひのとだけ)（1，145．6m）や林道終点から30分程で行ける五階の滝があり、県内外から多くの人が訪れています。

　また、東北百名山に選ばれている男甑(おこしき)（981．3m）と女甑(めこしき)（974m）からなる甑山と女甑の麓には、モリアオガエルの棲息地として知られる名勝沼があり、春の新緑・秋の紅葉時期は特に素晴らしい景観となっています。 

　しかし、甑山・名勝沼に行く林道の起点付近が法面崩壊しており現在通行止めの措置をとっています。自動車での通行はできない状況ですが、片道4km弱の林道＋登山道を徒歩で訪れる方もいますので、脚力・体力に自信のある方は是非一度足を運んで、この大自然を満喫してみてはいかがでしょうか。

　主な業務としては、請負事業の監督、境界管理、林野巡視を行っています。現在も多くの家々で薪を使用しており、薪炭共用林野の調査も業務の一つとなっています。
　なお、近年、ナラ枯れ被害が多く、今まで被害のなかった区域においても被害が見受けられるようになり、拡大している状況です。熊の農作物への被害も多く有害鳥獣駆除により半月間に6頭を捕殺した話を聞き、被害に遭わないよう今まで以上に注意し、現場業務を行わなければならないと考えております。

 　また、各種事業を実行するうえで基盤となる林道については、請負で実施する建設機械のチャーター及び林道除草のほか降雨による災害を防止するため、排水施設の堆積物除去と各種構造物の点検を行うとともに、災害復旧が求められる林道については、請負調査経費の削減等を目的に管内の林道を回り調査設計を行っています。
　森林官業務は約11年ぶりで不慣れな事も多くありますが、署内の方々からご指導・ご協力をいただきながら地域との関わりや地元自治体との連携を強化し、国有林野の保全に微力ながら努めていきたいと思います。