山形森林管理署

森林官紹介！（平成28年5月）「安全な利用と適正な管理を目指したい」

首席森林官（幸生担当区）

青木　孝一

幸生森林事務所（西五百川、幸生担当区）は山形県の中央に位置する村山盆地の北西にあり、管轄に霊峰月山・葉山、原生的な魅力で登山客を招く朝日連峰も管内に持つ事務所です。
　事務所のある寒河江市幸生は、国道４５８号線が走っており、豪雪で知られる肘折温泉で有名な大蔵村と結ばれてはおります。この国道は番号が示すとおり冬期は雪のため通行止めとなるような山岳路ですが周辺の山々は山菜やキノコの宝庫でもあります。
　幸生森林事務所は、そもそも大正１３年に大蔵村永松に銅鉱山があり、ここに永松担当区としておかれ後に昭和３０年に幸生に移転し幸生担当区事務所となりました。当時は管轄区域の大半が大蔵村南山という行政区をまたがる事務所でした。これは、鉄道に近かった幸生地区に人々が行き来したものと思われ、そのため幸生集落は大変栄えたと伝えられています。平成２年白岩担当区と統合、平成８年本道寺担当区と統合し現在に至り、その後の変遷で平成１７年の管轄区域の整序により大蔵村南山地域が最上支署に移管、平成２１年には西五百川担当区が併任という経過となりました。現在は、約２万ｈａ（幸生１１６７０ＨＡ、西五百川９０９２ＨＡ）の国有林を管理しています。
　　

管内には、国内唯一４月からシーズンに入る夏スキーで有名な名峰月山（１，９８０ｍ）があります。私事ですがこの４月に上山森林事務所から幸生森林事務所に異動し、着任早々の４月１０日には、同様に滋賀から赴任してきた西川署長とともに、今年のスキー場開きに参列して来ました。月山のスキー客は平成２３年の一時期減らしたものの毎年１５万人をほぼ確保していると言うことを知り驚きました。また，近年夏山の登山客が増えていると聞き、自然と緑に触れることへの欲求はもちろん、湯殿山、羽黒山、月山の三山信仰への関心もあるのではという思いと国民の安全・安心と適正な利用に向けた管理業務の重みを感じたところです。

また月山スキー場から下流１０ｋｍには、ロックフィルで名高い寒河江ダム（多目的ダム）があり飲料水、農業用水等幅広く活用されており、周辺自治体に配分されています。しかし近年夏の集中豪雨による土砂流入などにより濁り飲料水の利用に影響が出たことなど上流部の国有林内においても崩壊地が発生し、治山事業で施設整備等により対応しているところですが一関係者として気にかけているところです。
　また、西五百川担当区部内（朝日町）には、大朝日岳（１，８７０ｍ）を主峰とする朝日連峰が鎮座しており、昭和５７年にその麓の一ツ沢で生産事業の山泊を経験したことを思うと、現在の木材生産現場における高性能林業機械の稼働を見るとあまりの違いに浦島太郎状態となっています。
　森林官２年生の身としては、幸生森林事務所管内はかなり広大な森林面積を有します。これまで治山業務が長く、荒れた沢や山腹など特定の狭い範囲しか見てこなかったためかこの広大さに正直戸惑いながら、巡検・予備調査の場所はどこか、と国有林の境界管理が気になる今日この頃ですが、自分なりに頑張りたいと思っております。