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岩手南部森林管理署森林官紹介!(平成28年3月)「自然と向き合い暮らしてきた 先人達の思いを感じて」森林官(石鳥谷担当区) 髙城 允
宮沢賢治ゆかりの地として知られる岩手県花巻市。 私の所属する石鳥谷森林事務所は花巻市北部に位置しており、事務所の近くには雄大な北上川が流れ、東側を見れば北上山地、西側を見れば奥羽山脈を眺めることができる景色の良い場所です。また、石鳥谷は、日本三大杜氏の一つである南部杜氏のふるさととしても知られています。 花巻市内には新花巻駅(新幹線)や花巻空港、花巻IC、国道4号線などがあり、交通の便が比較的良いことから、様々な目的で観光に訪れる人が大勢おります。
花巻市のシンボルとして有名なものには、宮沢賢治や南部杜氏の他にも、全国的にも有名な花巻温泉郷などがあります。管内国有林の一部は、花巻温泉、台温泉などの温泉施設に隣接しており、国有林の一部を貸付けするなど、地域の観光振興に大きく寄与しているところです。 観光施設に隣接する国有林においては、特に安全や景観に配慮して管理するように心掛けていますが、近年では周辺のアカマツが松くい虫被害を受け始めており、より注意が必要となってきています。 また、花巻温泉の近くを流れる台川がありますが、宮沢賢治の作品「台川」の題名にもなっています。貼付写真の釡淵の滝についても作品の中で触れられています。
管内の葛丸川山国有林の一帯には、国内でも珍しい「親子ダム」と呼ばれる2つのダムの片方があります。この親子ダムの特徴は、葛丸ダムと山王海ダム(盛岡署管内)の2つのダムが導水トンネルと取水トンネルによって繋がっている点です。親子ダムは、下流の広大な農業地帯に安定した水を送るために、昭和19年頃から国営の事業として行われてきました。 事務所が所在する石鳥谷の辺りにも多くの水田が広がっており、ダム事業の恩恵を受けているようです。 宮沢賢治は、作家だけではなく農業分野でも活躍し、水田など農業の生産力を向上させることにも貢献したと言われています。花巻市在住時に残したとされる言葉の中に、「下ノ畑ニ居リマス」というものがありますが、この言葉に象徴さていれます。 石鳥谷森林事務所の管内は、川上から川下まで自然と向き合い暮らしてきた先人達の思いを感じる事ができるすばらしい場所です。 自然豊かで文化的でもある石鳥谷の管内に、皆さま一度お越しくださいませ。
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