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秋田森林管理署森林官紹介!(平成28年2月)「豊かな森林に思う。」森林官(鵜養担当区) 平泉 陽子
私の勤務する鵜養(うやしない)森林事務所は、仙北市と北秋田市に隣接する秋田市の北東部にあり、秋田県のほぼ中央に位置しています。事務所の北側には主峰太平山をはじめ、赤倉岳、白子森など標高1,000m以上の連峰がそびえ、四季折々に美しい景色を見せてくれます。
管内には太平山県立自然公園を代表する渓谷が多く、大又川沿いには舟作・伏伸の滝・殿渕という名所があります。1811年には、江戸時代の紀行家・菅江真澄がこの地を遊覧し、図絵を残した景勝地として知られており、現在も川底の砂利が白みを帯びているためエメラルドグリーンに輝く水面はいつ見てもとても美しく、見た者の心を癒やす管内自慢の名所です。
さて、日頃、森林の巡視や請負監督、林道点検等で頻繁に山へ行きますが、必ずと言っていい程一般の方を見かけます。川魚の釣人の他、春は豊富な山菜、秋は天然舞茸等を求める方々です。お会いした方に成果を伺えば、笑顔でその日の収穫を見せてくださいます。ハズレもあるキノコの時期は今日はダメだったと残念そうに帰って行かれる方もいますが、皆さんが山の恵みを楽しみにしてくださっているのだと感じ嬉しくなります。 同時に、その山に関わる仕事をしているのだと、気を引き締めなければとの思いにかられます。 この豊かな山の恵みも美しい川も、森林の健全性が保たれてこそのものです。近年はゲリラ豪雨やナラ枯れの北上、ニホンジカの目撃例も報告され、環境が少しずつ変化してきていることを実感しています。しかし、管内の広大な森林に対し、私一人に出来る事など僅かです。手入れを必要とする箇所を調査し、管内を巡視して、異常の有無を確認し、奥地へ行く要(かなめ)の林道を維持するため、落石や倒木を除去する位。微々たる力でも先人が守り、維持し遺してきた人々に愛される豊かな森林を次代に引き継いでいけるよう、自分には何が出来るのか常に自身に問いながら業務に取り組んで行きたいと思います。 余談ですが、管内は熊の目撃情報が多く、私自身何度か遭っています。熊鈴を鳴らし、複数人で会話していても遭うときは遭います。森林が豊かな証拠とも言えますが、入林の際はくれぐれもお気をつけください。 |
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