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盛岡森林管理署

森林官紹介!(平成27年11月)「山づくりの歴史と地域のつながりを感じて(歴史ある森づくりの継承)」

森林官(紫波担当区)

豊村  英之

 

    紫波森林事務所は、岩手県の中央部に位置する紫波町に所在し、紫波町、矢巾町、盛岡市(上飯岡、湯沢、大ケ生)の国有林約6,900haを管轄しています。管内の東側は、盛岡市と紫波町の境にある黒森山(乙部三山(黒森山、朝島山、鬼ケ瀬山)の一つ)から南下する標高300m〜700m程の丘稜林で、アカマツ・コナラからなる天然林とスギ、アカマツの人工林からなっており、一方、西側は、奥羽山脈から連なる、箱ケ森、南昌山、東根山の志波三山からなるブナ、ミズナラを主とする天然林とスギ、カラマツの人工林からなっています。

    志波三山は、標高900m前後の里山で「南昌山に雲がかかれば雨」、「東根の雪がとければ種まき」などとの言い伝えがあるほど地元に身近な山となっています。また、宮沢賢治は、盛岡中学在学中に友人と何度も志波三山に遊び、珍しい石を採集したり、詩作を試みたりしていました。南昌山は童話「鳥をとるやなぎ」の舞台にもなっています。 

地元に身近な山である紫波三山

地元に身近な山である紫波三山

 

    かつて、南昌山東側の麓、矢巾町煙山に『煙山苗畑事業所』がありました。明治21年(1888)から始まった国有林特別経営事業に用いる苗木養成のため、明治37年(1904)、岩手小林区署(現盛岡森林管理署)管内に30.9212haの苗圃として創設、昭和16年から昭和21年までの戦中、戦後は苗木の生産を縮小し、代わって食料増産畑に転用、昭和22年からは苗畑復旧に着手、その後、基盤整備と拡大を図り、面積54haを有する旧青森営林局管内最大規模の苗畑となりました。昭和30年代後半から昭和50年代前半までの最盛期には、年平均250万本の山行苗を生産、昭和43年には400万本を生産し、日本一とも東洋一とも言われたとされています。事業所廃止となった平成6年3月までの89年の間、戦後の国土緑化、優良苗木の大量供給や育苗技術の実験、研究の推進普及にあたり、国有林はもとより、民有林への苗木供給も行い、また、地元の雇用の場として、繁忙期には500〜600人が働いていたそうです。

 

 苗木の床替えの様子(昭和初期)

苗木の床替えの様子(昭和初期)

 

    平成25年2月、紫波町が目指す循環型まちづくりの推進及び森林・林業の再生に向けた取組を行うため、紫波町をはじめとする民有林関係者と盛岡森林管理署が連携し、紫波町森林整備協定を締結、紫波町全域を森林整備推進区域とし、まずは東エリア、赤沢地域に森林共同施業団地を設定、林業専用道を開設し、民有林、国有林ともに森林作業道を取付け、間伐事業を進めました。間伐した民有林材は、一般の販売の外に、紫波町役場新庁舎の建築材、紫波町オガール地区の熱供給など紫波町内で有効活用されています。

 

 昨年完成した紫波町役場

昨年完成した紫波町役場

 

    昔も今も、山は地元にとって身近な存在であるように、山の一つである国有林も様々な形で少なからず地元に貢献してきたところであり、これからも国有林が身近な存在として感じていただけるよう応えていきたいと思います。

お問い合わせ先

林野庁 東北森林管理局
盛岡森林管理署 
〒020-0061
岩手県盛岡市北山二丁目2番40号
Tel 019(663)8001
Fax 019(663)8172

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