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三陸北部森林管理署久慈支署

森林官紹介!(平成27年4月)「塩から見える地域との関わり」

森林官(野田担当区)

菊池  千夏

 

    私が野田森林事務所に配属され、4月で3年目を迎えました。北から青森県県境の洋野町、久慈市(山形町を除く)、野田村の約7,300haの国有林を管理しています。

    森林事務所がある野田村は、平成23年3月11日に発生した東日本大震災による津波で甚大な被害をうけました。森林事務所も床下浸水の被害を受けたと聞いています。また、海岸沿いには防潮林の松林がありましたが、津波で流されてしまい、現在は数えるくらいしか残っていません。このため、事務所から海までは直線で1km程度離れていますが、地域の方々は潮風が直接村内へ入るようになったとおっしゃっていました。

    野田村は製塩の盛んな地域でした。戦後に衰退してしまいましたが、数年前に村おこしの一環として復活しました。現在一軒の工房で製造されている「のだ塩」は、道の駅などで販売され、村内の飲食店ではこの「のだ塩」を使った料理やお菓子が販売されています。製塩方法は薪釡直煮製法といい、薪を使って海水を約4日間煮詰めて作られるという珍しい方法です。江戸時代には8ヶ所の製塩場があり、戦後は100ヶ所以上あったそうです。 

のだ塩工房

のだ塩工房

    その塩は北上山地を越え、盛岡や秋田県の鹿角まで運んでお米や現金に換えてきました。塩を運ぶときは牛(ベコ)に積み、山を越えていたので、その通り道は「塩の道」「野田塩・ベコの道」と言われました。国有林内にも「塩の道」のルートが現在も残っており、その道を進むと和佐良比山(和更比山)の峠にたどり着きます。この山は野田村と久慈市山根町の間にあり、山頂からは太平洋の大海原が見渡せます。  

塩の道

塩の道

    小さな社もあり当時の牛を追う牛方さんたちは道中の安全祈願をしていたのではないかと思います。また、春と秋には「塩の道」を歩くイベントも開催されています。県内外から多数の参加があるそうです。 

和佐良比山頂の社

和佐良比山頂の社

    管内には先人たちが築き上げた名所があり、国有林も地域文化の発展に大きく寄与してきました。こうした国有林と地域との関わりを通じ、地域のニーズに対し国有林ができることを考え、情報発信できるよう努めていきたいと思います。

お問い合わせ先

028-0001
三陸北部森林管理署久慈支署 
岩手県久慈市夏井町大崎14-12
Tel:0194-53-3391
IP:050-3160-5905
Fax:0194-52-2653

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